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第148話
「この度はご愁傷さまです」
電子音は薄くなり、そして消えた。
「今の時刻をもって、死亡を宣告します。あとで書類を用意しますので、どうか署名をお願いします」
「……わかりました」
先ほどまでの元気の良さはどこへ行ったのか。
北山は少し泣きそうな、か細い声で根岸へと答えた。
「あの、もしよろしければ最期の顔を見せていただけませんか」
「ええ、こちらへ」
エンゼルケアの準備をしている看護師を少しよけさせて、根岸が一番近くの枕元へと北山を連れて行った。
何も言うことはない。
ただ、母親の髪を右手で名で、小さなそれでも緒方にははっきりと聞こえる声で話しかけていた。
「……おやすみなさい、お母さん」




