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第145話
ダカダカダカとエレベーターから大慌てで緒方と岸本は駆け込んできた。
すでにさきほどの喧騒は、スタッフステーションの前からなくなっており、2人の看護師がなにやらパソコンに向かって打ち込んでいるだけだった。
その人らに警吏官だとして警吏手帳を提示しつつ、岸本とともに緒方が聞いた。
「誰か来たか」
「ええ、なにか急いでいらっしゃるような女性が、小型精霊でしょうね。病室へと向かっていきました」
「絶対間違いないわ、すぐに向かいましょう」
岸本が走っていく。
緒方は走りつつも、そういえば放出からの連絡がないことに気づいた。




