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第134話
「いくぞ、手野中央総合病院だ」
「え、そこってちゃんとした民間病院ですよね」
出発しようとする緒方へと放出は聞いた。
「そうだな。れっきとした医療法人が経営している純然たる民間病院だ。ちゃんと登記もあるだろうよ」
「しかし、そこで闇医者が働いていると?」
「魔法医はちゃんとした訓練を受けていないと慣れない。普通の医者と違ってリスクが莫大だからな。だからちゃんとした魔法医にかかりたいのさ。でも、表口からは入れない。ならば裏口から入るしかないのさ」
緒方らが出ようとすると、ちょうど入れ替わりに警吏官らを乗せた護送車がやってきてくれた。
犯人らは彼らに任せ、緒方らは病院へと向かうことにした。




