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第132話
「……よし、おそらくはあそこだろうな」
考え抜いたうえで、緒方はある一点に絞る。
それでも確証がないのか、近くにいて犯人らの護送の手配をしていた平塚に尋ねた。
「結界の外からでいいから、あいつの魔術粒子の励起をたどれるか」
平塚に北山の追跡が可能かどうかを聞いているようだ。
「もちろん。少し時間をくれれば」
結界の外に一歩出てから、一瞬の間をおいて平塚の姿は霧のように薄くなった。
「あっちはこれでいいだろう」
「あの……」
犯人護送のための警吏庁からの車を待っている間、緒方に放出が聞いた。




