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第122話
北山が唱えたときから、壁から一気に水が噴き出してくる。
それは一瞬で奔流となり、部屋の中全体を埋め尽くさんばかりに広がっていく。
「放出、今だっ。跳ねて逃げろ」
緒方が叫ぶと同時に、放出はすでに手を入れていたポケットの中身をぎゅっと強く握り、その場ででkりうだけ高くジャンプして見せた。
「おや、逃げるのかい」
シュン、と風が今まで放出がいたところに集まると、すでに放出の姿はなかった。
「“風よ、わが身を守り給え”。」
緒方も同じくジャンプし、近くにあった棚へとしがみつく。
それは、足元にあった魔法陣の効力から逃げるための者であったが、同時に自身が魔法を使うための者でもあった。




