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9話 リスタート(タクミ視点)

大切な親友を殺そうとした。カケルは正義感が強く頭の回転が早い。俺が蒔いた種をきれいに拾ってくれる。正直、カケルに銃を向けるまでは殺す気だった。

カケルは人が自分に向ける感情から逃げる癖があった。よく校長室を出入りすることから、校長と何か隠し事をしていることは容易にわかる。

これでも親友だ。カケルがその隠し事に人を巻き込まないようにしていることだって分かった。

だから()()()()()()問題が起きたのはそこじゃない。

チホの鞄から銃が落ちたことを発見したときは目を疑った。モデルガンにしてもそんな趣味を持つ人ではない。


「お前それ……。」


背筋が凍る。隠すわけでもなく、慌てるわけでもなく、チホはただ笑った。


チホ「カケルとエルさんを殺すためのものだよ。」


チホはカケルのことが好きなんじゃ……?


「何バカなこと言ってんだよ。お前、どうして?」


チホの口から出る言葉はどれも今までのチホからは想像もできない言葉ばかりだ。


チホ「だってこんなに好きなのに振り向いてくれないし、私から逃げるくせにエルさんのこと好きになり始めているでしょ?」


全部わかってたんだ。チホがカケルのことを好きだってカケルが知っていることも、カケルがエルさんに好意を抱き始めていることも。


チホ「私から逃げることで幸せになろうとするなんて許せない。だから殺すの。2人が結ばれる前に。」


無表情、薄ら笑いを繰り返すチホの心は、もうすでに壊れていた。


「やめろよ、そんなの。いくら恨んでるからって、好きな人を殺すなんておかしいだろ!」


チホ「好きだよ?今でも好き。だから私のものにならないカケルなんていらない。」


もう俺にはどうすることもできなかった。チホがこうなるまで気付かなかった。責任はカケルと一緒に目を背けていた俺にもある。これは俺とカケルの罪だ。


「カケルは俺が殺す。チホが殺す必要はない。」


ここまで高まった殺意を抑えるには、代わりに背負うしかない。少なくとも俺はそれしか知らない。カケル、お前ならもっと上手くできたのかな……。


それから俺は、カケルが心を入れ替えてくれるよう誘導するようになった。チホの気持ちに向き合うように。そして、俺がカケルを殺す間にチホがエルさんを殺さないよう、エルさんを拉致した。けれど結局最後には、親友の優しさに触れて終わらすことができなかった……。


(カケル視点)


校長「タクミくんの件、チホさんの件、君は最後までよく頑張ってくれた。今までありがとう。」


呼び出され急に言われたその言葉に驚くことはない。


「2年前の同時自殺、この前の殺人未遂2件、廃校が決まったということですか?」


校長「1ヶ月……、この学校の生徒全員の転校場所が決定して、準備が完了するまでの期間だ。あと1ヶ月でこの学校は廃校となる。」


おそらく今日予定されている全校集会は、廃校することを発表するためのものだろう。


校長「君は探偵業はまだ続けているのかい?」


相変わらずこの人の感情は読めない。何のためにこんな事を聞くのだろう。


「あなたと契約したときにやめましたよ。」


とくにやりたいことがあってやっていたわけではない。だったらどこも変わらないと思い、契約した日にその足で探偵業は解約していた。


「大変お世話になりました。あと1ヶ月、この高校で過ごした日々を無駄にしないよう、この高校が存在した意味を証明できるよう生活します。」


俺はタクミもチホも絶対に忘れない。2人と過ごしたこの校舎を最後まで見届ける。

今日からまた始めよう。本当の親友として3人で。



最後まで読んでいただきありがとうございます。

前回から日が開いて、これからも不定期となってしまいますが、暇つぶし程度によろしくお願いします。

ここまで読んでくれていた方は、個人的に不定期更新としてしまい申し訳ございません。

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