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魔王との邂逅

 


 魔王城にやってきました、どうもツバサです。

 魔王城の中に入ると少しだけひんやりとした寒さを感じました。壁紙は燃えるような赤色をしていて訪問者を威嚇しているかのようでした。

 僕が都会に来たお上りさんのようにあたりをキョロキョロとしているとロットさんが話しかけてきました。


 

 「これから魔王様と謁見する。くれぐれも無礼の内容にするんだぞ。」

 「できたら魔王様に謁見するときの作法を教えていただけませんか?」

 「お前は謁見が始まったら頭を下げて何を言われてもはいと答えていればいい。基本的に俺が魔王様に応対する、魔王さまになにか言おうとするなよ。魔王様は慈悲深いお方だが下手なことを言ったら殺されるかもわからんぞ」

 「わかりました『何を言われてもはいと答える』ですね」

 ロットさんがうなずいたのを見て僕は謁見も結構楽勝そうだなと感じました。



 僕はロットさんのアドバイスで幾分余裕を取り戻し魔王様のいる部屋の中に入り、跪き部屋の一番奥にいる魔王様だとおもわれる人を見て驚愕しました。

 夜の闇より深い黒色の長い髪、高い知性を感じさせる緑色の瞳を携えた女性が凛とした佇まいで玉座に座っていました。恐ろしい顔をした男の人が魔王様だと想像していた僕はあまりの驚きに一瞬呆けてしまいました。


 

 

 

「魔王軍一番隊隊長ロット、ただいま帰還しました」

 「うむ、先の人間との戦いお主の活躍で勝利したと聞いておる。よくぞやってくれたな」

 「いえ! 勝利は勇敢に戦ったすべてのもののおかげだと思っています」

 「うむ、余もそう思っておるぞ。して、お主は今まで何をしておったのじゃ? 人間の大将を討ち取った後から消息を絶っておったようだが」

 「はっ、人間の大将を討ち取ったのち、人間の残党が現れ不意打ちを仕掛けてきたので返り討ちにしていたら一人やけに戦闘能力が高い人間の女がいまして、私とほか三人で応戦していましたら恥ずかしながら他の隊と別れてしまい魔の森に迷い込んでしまった次第でございます」     

ロットさんは人間との戦いで他の隊と別れてしまったみたいですねお茶目さんです。

しかし、魔王様は綺麗な方ですね、僕が生きてきた中で一番かもしれません。魔王様はその綺麗な顔を少しだけ歪め、ロットさんと話を続けます。

 

「そうか、それでその戦闘能力が高い人間というのは殺したか?」

「すみません、あと一歩のところで人間の魔法使いがテレポートを使い逃げていきました。この失態どんなことをしてでも償って見せます!」

「よい、お主が無事に帰ってきただけで余は満足じゃ」 

 「もったいなきお言葉でございます!」

 おおーロットさん涙まで浮かべてまあ、それだけ魔王様を慕っているのでしょう。僕はロットさんにそれだけ慕われている魔王様の事に感心し、尊敬の念を込め魔王さまのことを見ていました。


 「お主が消息を絶っていた理由はあい分かった、それは分かったがさっきからお主の横にいる人間は何者なのだ?」 

 話題が僕についてに移ったことを感じ、自己紹介をしようと僕は口を開こうとしました。

 「僕は「こいつはツバサというものであります、私が魔の森に迷い込んでいるところに倒れていたので情報を引き出したら殺そうかとも思ったのですが、どうやら自分がなぜ森で倒れていたのかもわかっておらず要領を得ないのですぐに殺してしまおうと考えていたら、自分は料理人だというので私たちも空腹でしたので作らしてみたところ大変美味でございましたので行く当てもないようでしたので何か魔王様のお役に立つのではと思い連れて帰ってきました」


 何も自己紹介まで遮らなくてもと思いましたが、僕ははいとしか言ってはいけないことを思い出し下手なことを言わないように代わりに話してくれたロットさんに感謝しました。

そんなことを思っていたら魔王様が僕に話しかけてきました。

 「ふむ、ツバサとか言ったか、貴様料理が出来るのか?」  

 「はい」

 「貴様が作る料理は美味みたいじゃな」

 「はい」

 「た大した自信じゃな、自らの腕を微塵も疑っておらんのか」

 「はい」

 「そうか、ではそこまで言うのならば余にも貴様の料理で余を満足させてみよ。もし満足させることが出来なかったら貴様のことを魔の森に送り返してやるよいな?」 

 「はい」

 「かっかっか少しも怖気づかぬか……、よろしい! ではこれから一時間後調理をはじめ、そこで余を満足させてみよ!」 

 魔王様は玉座から満足そうに立ち上がり、部屋を出ていきました。


ふうー何にも話の内容を聞いていませんでしたが、はいはい言うだけの簡単なお仕事だったので余裕でした。ふんす。

僕は立ちあがりこれから何をするのかロットさんに聞こうと思ったら先にロットさんに話しかけられました。


「お前がそこまで自分の腕に自信があったとは思わなかったぞ! 人間のくせに魔王様の覇気にも動じないとはな! 俺の目に狂いはなかったという訳だ」

「えっ何を言って……」

「だからお前が魔王様に料理を献上し、魔王様が満足できなかったなかったらお前のことをあの魔の森に送り返すという話だが?」



……え? ナンノコト?


貴重な時間を使って読んでいくださっている読者様の期待を裏切らないように努力していきたいと思います。感想評価お待ちしております。

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