キャラ説明 ver.Ⅳ
●先代善大王
金髪で線目の優男。なよなよ具合やへりくだった態度からは、皇としての尊大さはまるで感じない。
ひたすらに優しい人物であり、人格者。逆に甘すぎるとも言え、ノーブルが口添えすることでどうにかなっていた。
有能ではないが、人には好かれており、そのせいで善大王はかなり悪く思われていたそうな。
アカリを救い、善大王を救うなど、多くの人を救うシーンが多い。これこそが、本来の善大王のあり方とも言える。
善大王とは違い、生粋のライトロード人であり、神への信仰も深い。
封印術のエキスパートであり、親しかったアルマにも手ほどきをした程。
アカリやアルマなど、多くの女性から好かれながらも、それに気付かない──相手が子供とはいえ──朴念仁ではある。
《魔封》という、正規版の《皇の力》を使っていた人物もある。
余談だが、魔界への道を封じた以降、魂が抜け落ちたようになったという。医療に特化した光の国であっても、彼の体の異常は見つけきらなかったほど。
●ノーブル
先代の宰相であり、長年光の国を支えてきた老人。とても厳しい反面、引退してからは穏やかになった。一話と二話、十三話に登場。
厳しい宰相として、善大王に王らしい振る舞いを叩きこんだ。
第二話の時点でシナヴァリアに引継ぎ、引退している。その後は表舞台に出てきてはいない模様。
先代善大王の時代から宰相をしており、シナヴァリアやアカリとの関わりもある。
シナヴァリアを暗部に抜擢したのも彼であり、高い戦闘力と知識の吸収率を評価していた。
しかし、本音としては光の国の闇を背負えるだけの精神性が評価していた。
例に漏れず暗部の出身であり、知略を生かした指揮官タイプだった。
先代善大王の時代では、理想主義の彼を現実的な面から引っ張っていた。アカリを暗部に引き込んだのも、彼の仕業である。
ただ、本心から残酷なわけではなく、引退時にみせた態度や、暗部から抜けたアカリとそれを見逃したシナヴァリアに追求しないなど、人情的な面も持ち合わせていた──むしろ、それが本音か──。
余談だが、彼は光の国の平民であり、叩き上げでトップにまで上り詰めた努力の人である。だからこそ、地位を持たず、努力し続けたシナヴァリアを評価したのかもしれない。
●サクヤ
年齢は二十台中盤から後半であり、中肉中背の金髪女性。十話の口頭で登場し、二十話では本人が登場。
正統王家に仕える女官であり、穏やかな表情で、仕草もお淑やかである。本編中でトニーが推理した通り、貴族の娘である。
聖堂騎士となり、城に出入りすることが多くなったディックと恋に発展し、婚約者となった。
やることはやった後らしく、貴族としての面子を保つ為、胎内の子供に封印術──実はアルマが行った──を施すことで出産期を遅らせている。
貴族ながらも女官をしているなど、家庭の闇を感じそうなものだが、本人の志望である。だからこそ、ディックとの関係も打算抜きの恋愛結婚である。
アルマの側近のような立場であり、彼女もよく話題に出していた。
●金髪男
光の国の学園に通っている、高等部の学生。十四話に登場。
金髪の貴族で、貴族らしく女性にも敬意を示すタイプ。
貴族としての誇りを重要視しており、相手が謝罪をすれば不敬を赦そうとする辺り、普通に考えれば寛大である(相手が少女であることも原因だが)。
いじめっ子だった初等部生徒とは、家として関わりがあるらしく、兄のような立場ではある。
高等部の術者科※のトップクラスであることもあり、上級術も使える。ただ、フィアが桁違いに強かったので敗北。
すぐに勝てないと判断し、誇りを捨ててでも謝罪する辺り、実は有能。
(※術者科は九十番台以降を使用でき、術者の素養を持った人間だけが所属できる。彼のクラスは十数人だけであり、その中の上位である)
●トリーチ
赤茶色の短髪が印象的な活発そうな青年。十五話に登場。
戦力になるレベルまで《超常能力》を鍛え上げた男。念動力についてはガムラオルスの動きを一度は封じた程。
力場による拘束、遠距離攻撃などを主軸に置いて戦う。
《天駆の四装》──四肢に付ける鎖発射装置──という《武潜の宝具》を使う際には、肉体の負荷をなくす為に身体硬化を念動力で行っていた。
高機動力と跳躍を利用した空中戦では、不慣れとはいえ飛行用神器を持つガムラオルスを圧倒していた。
《超常能力者》として迫害されており、そんな自分を匿ってくれたメルトの村民を守る為、飛行することを諦めて《天駆の四装》を使っていた。
跳躍によって飛行の力が制限されていたが、《魔轟風の支配者》となったガムラオルスの姿、《天駆の四装》の破損により飛行に近い技術を習得した。
中二病としか思えないガムラオルスに唯一敬意と憧れを持っている人物。ついでに、傲慢なガムラオルスも強者と認めている。
実は《魔轟風の支配者》という名乗りは場のノリに任せて言っていたらしく、ガムラオルスも使っていないらしい(中二病脱出の兆しか?)。だからこそ、その名を呼ぶのは彼だけである。
●コアル
ミネアの姉であり、彼女よりは二歳年上である。第五話と十六話に登場。
家事の技術はミネア以上であり、性格も優しいのだが、場面次第では厳しくなる。
妹が巫女になったことにより、コンプレックスに悩んでいたが、彼女の覚悟を知ったことで支える立場になることを誓う。
善大王と初めてあった時はロリだったはずだが、既に子供らしさを失っていたこともあり、欲情しなかったんだとか。
●コアルの婚約者
コアルの婚約相手であり、大都市を統治する一族。十六話に口頭で登場。
王族が婚約相手に指定する程であり、火の国の有力者ではある。
コアル曰く良い人らしく、性交どころかキスもしていない。
余談だが、ヴェルギンはまるで頑固親父のような態度を取り、彼を嫌っている。
●ストラウブ
盗賊ギルドのボスであり、白髪交じりの赤茶色髪の中年。十五話で登場。
荒くれ達の総括ながらも、比較的聡明な人物であり、勝てないと踏んだ相手には素直に停戦を申し込む程。
先代ボスが死に、無法の組織になっていたギルドを纏めあげ、ボスに就任した人物。
そういう事情を知っている王達からすると、彼は相当に有能な人物に見えることだろう。
彼の就任以降、盗賊が無差別に人を襲うような事件は減っているらしい。
孤児やボンクラを拾い、盗賊として育てているという噂もある。
●ブランドー
水の国の大貴族であり、老齢の男。十八話に登場。
高度な硝子加工の技術を持ち、フォルティス王からの信頼も厚かった人物。
年老いているが、実力は高く、術者としては現役級である。
ドラ息子であるアパムの為、幼い娘を攫い、買っていた。一応、飽きた娘などは実験体として利用していた。
世話係を希望してきたリーフを侍女として採用するなど、実力をきちんと評価する人物ではあった。
本編中では怪しげな実験をしていたが、組織と直接関与しているわけでもないようだ。
ドラ息子の問題が広がらぬように、冒険者ギルドには多大な寄付を行っていた。
ちなみに妻とは死別している。それ以降、厳しくしつけることができなくなり、アパムがあのようなグズになってしまった。
親として、失敗作を作ってしまった自覚があるのか、その世話を見ていた。問題こそはあったが、捨てたりしない辺り、親らしい人間ではある。
●バロック
闇の国の第一部隊に所属している、筋肉隆々な大男。二十一話に登場。
先遣部隊の部隊長候補だったが、ディードに敗北し、次席としての採用になった。
部隊長としての訓練を受けていた為、補佐役として配属された面もある。
片手斧に全身鎧という不一致な装備──普通ならば大剣などの重い武器を選ぶ──だが、かなりの速度で動ける為にマッチしている。
圧倒的に有利な条件であり、彼自身も強かったが、強者達の死闘を経験したディードには及ばなかった。
余談だが、ただの当て馬役にも見える彼も、一応は有力貴族の息子である。ポテンシャルも高く、正々堂々戦っても、組織を追う前のディードには圧勝できた程。
●カッサード
闇の国の第一部隊(国土防衛部隊)の部隊長。濃い眉と髭が特徴的な中年。二十一話に登場。
体育会系であり、部下のバロックに肩入れしていた。
ただ、実力を示したディードを評価する辺り、実力主義者なのかもしれない。
脳まで筋肉になってそうな性格をしており、作戦などは副官が考えているらしい。
本人は行動で示す主義者なので、前線に出ることも多々あるとか。カリスマ性や戦闘力も高め。術に関しては門外漢。
●ラゴス
闇の国の第三部隊の部隊長(周辺調査部隊)。年老いた老人。二十一話に登場。
ディードの上司であり、穏やかな性格。
公平主義者であり、ディードの評価を贔屓したりはしなかった。
戦闘技術には疎いが、治安維持などの内政には強い。ただ、彼自身の戦闘能力は比較的高めである。
ここだけの話、元々は諜報部隊(第二部隊)の所属であり、ムーアの先生のような立場だった。年老いてからは窓際職として第三部隊に送られた。
●ヘレン
闇の国の第四部隊(術者部隊)の部隊長。若いが、やつれ気味な女性。二十一話に登場。
術者隊の隊長らしく、ディードの使った技術の大半を見切っていた。
顔の通りに暗い性格。
根暗に見えるが、年の差や階級差を描いた恋愛小説が好み。
●バルザック
雷の国の警備隊長であり、比較的若い男性。二十一話βに登場。
ライカの横暴さに憤り、組織の一員として彼女と善大王を消そうとした。
ラグーン王への忠義は高く、本当に暴力的なライカなどを鑑みるに、少し過激なだけで普通の思考を持った人ではある。
ライカに赦されてからは心を入れ替え、彼女への忠義も誓った。
《武潜の宝具》である拳銃(※ニューナンブ=警察の拳銃)を所持している。
過激な考えを持っているが、王族や部下、民には優しいらしく、品行方正な人物として尊敬されている。
●ルスナーダ
天の国の有力貴族であり、壮年の男性。十九話に登場。
フィアが自死を望む原因を作った人物でもある。
貴族としては有能らしく、口や態度には不満を表さないので、彼自体は別段悪くもない。ついでに彼の息子も悪くはない。
余談だが、そんな事件がありながらも、フィアと善大王の結婚式では彼女の成長を素直に喜んでいた。




