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大空のフィア  作者: マッチポンプ
中編 少女と皇と超越者
264/1603

18

 白馬に乗り、フィアを連れ去っていく善大王。

 追手は一人も現れず、安心して速度を落とすと、フィアが声をかけてきた。


「ねぇ、ライト。本当に信じていいの?」

「ああ、いつか……いつかは結婚してやるよ」


 これは善大王が思考に混じらせていた言葉だった。

 フィアはこれを信じ、今する必要がないという善大王を選ぶことになった。


「それで、どうだった」

「うん。みんな、少しは私の笑顔を良いって思ってくれたみたい」

「そりゃ、何千何万って幼女を見てきた俺が、特に可愛いと思ったくらいだ。誇っていいぞ」

「……なんか、いやな誉められ方だなぁ」


 釈然としなさそうなフィアに「気のせい、気のせい」と言い聞かせ、善大王は手綱を強く握る。


「それにしても、あんなことしても良かったのかな」

「……あとで、フィアから謝っておいてくれ」

「なんか無責任かも……でも、お父様も手を打ってくれていたみたいだから、たぶん大丈夫だと思うよ」


 知った上で、善大王を試し、フィアは聞いていたようだ。

 ただ、そんなことだけで嫌いになるフィアでもなく、善大王の背中を抱きしめる。


「ライト、大っ好き!」

「ああ、俺もだ」


 正直な二人は、自分の想いを隠すこともなく告げ、光の国──の前に、馬車を調達できる町を求めて走りだした。


「(それにしても……あの男の言っていた、知らない組織とは何のことなんだ)」


 不意に過ぎった疑問について考えながらも、善大王は今ある現実を楽しむことにした。


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