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大空のフィア  作者: マッチポンプ
中編 少女と皇と超越者
237/1603

18δ

 ──雷の国、港前マーケットにて。


「えっ? 港の使用許可? それなら別にいーけどさ」

『本当?』

「たぶん。定期船の時間に噛まなければいいとおもーよ」

『えっと……その日の昼から、二日間は泊めておきたいんだけど』


 ライカはなめていた棒付きキャンディーを吐きだした。


「え? ちょっとタンマ、そっちは軍艦っつたよね? それを二日間も泊めるってなると」

『うん。貸切ってことになるけど、どうにかならない?』


 いくらフィアでも、この頼みが正気でないことは理解している。

 定期船は貴族も利用することもあり、雷の国では突出した権威を持っているのだ。

 それだけならばともかく、港全体を貸切にするともなれば、民間の船や魚介類を取る漁船なども止まることになる。

 軍艦のサイズを考えれば、実質貸切は免れない。雷の国に与える経済損出は凄まじいものとなるだろう。


「どうにかっつたって。こりゃアタシだけで決めるのはちょっとーってカンジかな」

『そこをなんとか! ティアの命がかかってるの』

「それは聞いたけどさー……」

『光の国は損害の補填もするから! それに──いや、こっちはどうでもいいんだけど、光の国も大規模に特産物を持っていくから』


 ライカの目が輝いた。もちろん、損害の補填などという、自分に関係のないところではない。


「特産物? もしかして、お菓子とかある?」

『えっ、それはまぁ……あると思うけど』

「わかった! じゃあ受けたげる。なんっつたってティアの、仲間の為だかんね」

『ライカぁ』


 仲間に対する思いがないとは思わないが、彼女に関しては自分の欲求の方が強そうに思えた。


『じゃあ、《嵐の海域》についてもお願い』

「任せといて」


 《天の星》を起点にした、《星》の繋がりを用いる作戦は、次第に進んでいく。


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