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●しろくろ○  作者: 三角まるめ
●○●○
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番外編 新たなる変人

 頬を撫でる風は冷たい。日が暮れるのも早くなり、夕方もずいぶんと短くなった。ふたりが暮らす街に、冬が訪れていた。

 シロとクロは賑わう繁華街を歩いていた。どの店にもリースや鈴などの飾り物がされている。軒先には小さな木も置かれていた。

「クリスマス、か」

 先日のハロウィンと同じく、世界中で催されるイベントらしい。プレゼントをもらえるとか。

「何か、うきうきしてくるね」

 そこら中を見回しながら少年の隣を歩くシロが言った。

「そうか?」

「みんな楽しそう。みんなが楽しかったら私も何だか楽しくなってきちゃう」

「……」

 こいつはほんとに、王女の鑑だな……俺にはわからん。

 などとクロが考えていると、彼女の表情がふと変わった。

「あれ」

「? どうした」

「……あれ」

 ふたりの目に奇妙な男が映った。赤と緑のツートーンカラーの全身タイツを着用し、顔にはソックス……この光景、どこかで見た事がある。

「げ」

 彼は思わず声を出した。

 男はふたりに気付かないままゆっくりと近付いてくる。

「……あ、こっちに来る。ねえクロ、あの人って……」

「に、逃げるぞシロ」

「? どうして?」

 いや、だって……。

 などともたもたしているもんだから、あっという間に彼はふたりの目の前にやってきたのだった。

「あの……」

「ん?」

 シロの声に気が付いた様に男の目線が下がる……おいシロ、何でこっちから接触しちまうんだよ。

「やあやあ。これはこれは、かわいいお嬢さんに坊やだ」

 彼はふたりを初めて見る様な口ぶりで話した。

「あの……ハロウィン仮面さんですよね?」

「ん? ハロウィン仮面? 誰だいそれは?」

「お前だよお前。この変態」

「は? 私? 私がその……カフェイン仮面とか何だとかいうのだって?」

「え? 違うんですか?」

「違う違う。それでは自己紹介をしてあげよう」

 ソックス男は体を大きく動かしてポーズをとり始める。

「我が名はクリスマスク! 人知れず街の平和を守る者だ!」

「ハロウィン仮面さんですよね?」

「違う! クリスマスク!」

「変態だよな?」

「ちがあう! ク・リ・ス・マ・ス・ク、だっ! 今はクリスマスを前に街が浮ついている。そんな時こそきちんと防犯が必要なのだ! 私はこうして街を見回る事で治安を守っているのだ」

「やっぱ変態じゃん!」

「犯罪者を見付けた私はこう言うのだ。お前の残り少ない命に、メリー・ワン・タイム! とね」

「はーいメリー・クリスマース」

 最早お約束。現れたのは警官だった。

「おお!? あれほど断っておきながらやはり私の力が必要だと感じたのか? ふっ、さすがの私も今度ばかりはすぐには首を振らないぞ。はっはっは、はっはっはっはっはっ……!」

 ずるずるずるずるずるずるずるずる……。

「……もういいよ……」

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