表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
●しろくろ○  作者: 三角まるめ
●○●○
52/150

番外編 舞い降りた変人

 秋も深まる頃。シロとクロはお馴染みの駅前商店街に買い物に来ていた。週末のアーケードはいつも以上に賑わっていた。その理由は。

「あ、ねえクロ。あれ」

「ん?」

 シロに促されて彼女が指差した方をクロは見ると、そこには「仮装をしている人にお菓子をプレゼント」と書かれたプラカードを持った、コスプレをしている若者が立っていた。

 この日はハロウィンだった。偶然にも休日と重なっているのだ。詳しい起源は知らないが、仮装して楽しむイベント、というのがふたりがハロウィンに対して持つ印象だった。このアーケードでも仮装パレードが行われたそうだ。

「……俺達仮装なんてしてねーぞ」

「あるじゃない、これが」

 シロはバサッと翼を広げる。文化祭の時の経験を思い出したのだ。

「なるほど」

 クロもそれに倣った。ふたりはその姿のまま若者に話しかけ、クッキーやキャンディーをもらう事が出来た。せっかくなのでそのまましばらく商店街を歩き続ける事にする。

「何か、変だね。堂々と翼を広げて歩けるなんて」

「文字通り、羽を伸ばすってか」

 などと話していると、彼らは仮装をしている人々の中に特に怪しい人物を見付ける。

 茶色の全身タイツを身に着け、顔には穴がふたつ開いた靴下をかぶる奇妙な男。

「……何だあれ……」

「何のコスプレかな」

「……銀行強盗?」

 あまりにもじろじろと見つめ過ぎたのか、男はふたりに気付いて近寄ってくる。

「うわやべえこっち来た! 不審者がこっち来た!」

「やあ君達。素敵な翼だね」

 男はこもった声で優しそうに話しかけてきた。表情が見えない。

「ありがとうございます。あなたは何の仮装をしてるんですか?」

 おいおいシロ、何でお前はそんな普通に絡めるんだよ……。

「仮装? ふふ、ふふふふふふふふ……」

 男は突如笑い始める。気味が悪い。

「お嬢ちゃん、これは仮装じゃないよ。変身だよ」

「え? 変装?」

 クロが聞き返す。

「違う。変身だ」

「え? 変態?」

「変身だと言っているだろう!」

「何に変身しているんですか?」

「ふふ……説明しよう!」

 彼は急に見得を切り始めた。

「人知れず街の平和を守る! 私の名はハロウィン仮面!」

「……え? 変態?」

 クロのツッコミに構わず男は続ける。

「こういう日には特に様々なアクシデントが発生する! 私はそれを解決したり、事前に防いだりするため、こうして街を回って治安を守っているのだ!」

「わー、すごいんですね!」

 素直に感心するシロ。

「悪さをする者には私はこう言う。トリック・オア・トリート! 降伏か制裁か! とね!」

「はーい書類送検か釈放か、署でゆっくり話そうねー」

 そこに現れた正義の警官!

「おお! ついに警察から私に協力の要請が来たか! いいだろう! ゆっくりと話を聞いてやろうではないか! はっはっは……!」

 ずるずるずると変態は二人組の警官に引きずられていった……。

「……平和だ……」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1ad296c1.jpg
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ