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●しろくろ○  作者: 三角まるめ
復讐編
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第87 LⅩⅩⅩⅦ話 再会

クロとベルはやっぱり姉弟でした。

〈結界が解除されました!〉

 ファイルを閲覧していたライアとギンの元に外の様子を監視させていた仲間から通信が入る。その声からは動揺が伺える。ふたりの内心も同じだった。

〈イージスの奴らがどんどん入ってきます……!〉

「……目的の物は見付かった。当初の計画を変更する。こちらはこれからファイルをコピーする……」

 ライアは呼吸を落ち着かせながら指示を出した。


 イージスの隊員達は各棟へと入り込んでいく。フェイスもそこに混じって行動を共にしていた。この中の誰よりも真っ先にライアの元まで辿り着き、この手で討つ。今の彼女にはその思いしか無かった。

 廊下のとある地点でライアの仲間と交戦になったが、人数の差でイージス隊員達はあっさりと彼らを制した。何人かがその場に残り彼らの武装を解除していき、残りのメンバーは廊下を進んでいった。これはチャンスだとフェイスもその場で足を止める。

「! 何してる! お前も先に行く……!」

 彼女の行動に疑問を持った隊員達を魔術で眠らせる。突入前その様な役割を話していたがそんな事はどうでもいい。その後素早くテロリストのひとりを床に押さえ込んだ。

「ライアの居場所を教えてもらうぞ」

 情報読み取り術(ミリアテッサ)。これで仇の位置は大体把握した。フェイスはすぐに立ち上がると外へ飛び出した。目的地は中央棟だ。

 そこへ向かう途中に突然耳をつんざく様な轟音が鳴り彼女は空中で翼を止めて身構えた。

「……何だ……!?」

 音は連鎖する様に各方向から鳴り始めた。それは彼女の前方にあった建物も例外ではない。

「うわっ……!?」

 爆発音と共にその一部がらがらと崩落していった。ライア達は神宮殿の各所に爆薬を仕込んでいた様だ。気付けば空には一斉に昇る人影が。この爆破は逃げるための策という事か。瞬発的に彼女は魔術を用いて上空を観察した。視力を一時的に強化する術ギッツ。

「…………!」

 そして、捉えた。


 ライア達は逃亡を図るべく空へと上がった。もちろん空中にもイージスの隊員が待ち構えている。地上からも爆発に巻き込まれなかった隊員達が追ってくる。彼の仲間は彼とギンの元へと集まってくる。

「ライアさん! ブツは手に入ったんですね!」

「ああ!」

「……なら、後は任せましたよ!」

「……すまない」

 ライアの仲間達は彼とギンを逃すために360°へと散っていく。人数は圧倒的に不利だ。だが何が何でも逃げ延びるしかない。

「……!」

 何人かが仲間達の間をすり抜けライアを捕らえるため迫ってくるが、彼はそれを刀で斬っていく。この数年間鍛錬を積んできた。いくら相手がイージスだろうと決して劣りはしない。目的のためならば人を殺める事を躊躇わない。とっくの昔に殺めた時から覚悟はしている。

 ふたりは仲間の尽力のお陰でイージスの包囲網を突破しようとしていた。もう前方に人影は無い。逃げ切れる。

「…………っ!」

 だがその時、背後からびりびりと空気が振動するのをライアは感じ取った。思わず振り返る。

「ライアさん! 行って下さい!」

 ギンがブレーキをかけて自らの刀の鍔に手をかけた。が、ほんの瞬きの間に彼は背を向けたまま落下していく。

「ギンさ……!?」

 とっさに刀を構える。急速に迫ってきた何者かによって振り下ろされた刃は鋭い音を上げて止められた。

 そして彼はその人物と顔を合わせた。

 知っている、僕は彼女を知っている……!

「……この時をどれほど待ち侘びた事か……戻ってきたぞ……お前を殺すために!」

「……!」

 ソフィア・レドナー……!

今回も短いです。すいません。

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