ヤンキーと風紀委員と遅刻魔
恋愛要素が今のところない恋愛小説です(ぁ
では、楽しんでくださいね〜
やっと着いた。
学校の門の前で携帯を取り出して開き、ディスプレイに映る時間を見た。
9時20分と表示されている。
のんびり歩きすぎたかな? まぁいいや。そろそろ授業も終わるし学校に入るか。
門は閉まっているので乗り越える事にする。
門の高さは3m、素材は石、足をかける所など何処にもない。普通に越えようとしても無理だろう。
「普通には無理だけど、抜け道があるだよね〜」
俺は呟きながら門の左側に回った。
門の左側は金網でできていた。これなら足をかけるところもある。しかも高さは2mもない。
ちゃっちゃと登るか。
俺の慎重は大体175cm、手を伸ばせば一番上まで届くので登るのは楽だ。後は腕を曲げながら金網に足の穴に足のつま先をいれて登るだけでいいのだから。
一番上まで行けば後は簡単、飛んで降りればいいのだ。
「こらー! そんなところよじ登ってるんじゃないよ!」
下からりんとした声が聞こえてきた。
面倒な奴に見つかってしまったような。
下を見ると女子が立っていた。
やはり面倒な奴だった。
奴の名前は鈴原舞。
「遅刻してるからってそんなところ登るんじゃない! 遅刻手続きしなさい!」
舞は俺の左足を掴んで来た。
身長は170cmなので俺の足を掴むのは余裕である。
そしていつも心の中で思うのが、この学校の奴ら身長高い奴多いな〜っと、だがそんなこと考えてる暇は今はない。
「ちょっ、おまっ、足から手を離せ! 落ちる!」
必死に叫んでいるが舞は足から手を離す気はない様だ。
「あなたがそこから降りるのなら離してあげます」
「お前は風紀委員か!」
叫んだ直後、体が後ろに大きく傾いた。
「あ」
落ちたな。
と、思い目を閉じていたのだが地面に落ちる気配が全くない。
だが背中に何かが当たっている感触はする。
もう落ちたのか? 地面って案外近いな〜ってそんなわけないか。
意を決して目を開け、首を後ろに回すと、そこに俺のよく知る男がいた。
彼の名前は水鏡麗。
この学校の番長である。
中学の時一緒なので友達だ。
身長は180cm。
髪型はリーゼント。
服装は長ラン。
いつの時代の不良だ! っと言われるがそんなに悪い奴ではない。
まぁ番長と言われるほどなので喧嘩は強いみたいだ。
みたいだっと、言うのは今まで誰も麗の喧嘩を見たことがない。
しかも噂すらない。
一応喧嘩を売られている所を見たことがあるが、相手は何もせずに去っていく。
そりゃここが一応名門高校で喧嘩をすれば停学、もしくは退学と言う思い罰もあるが、多分一番の理由が目だ。
麗の目は垂れている。
目付きが悪いのではなく垂れているのだ。
目が垂れているのでものすごく可愛い顔になっている。
どれくらいかわいいかと言うと、「どうするア○フル〜」に出てくる犬並に可愛い。
そのおかげで今まで喧嘩の話を聞いたことがない。
中学までは普通だったのだが一体麗の身に何が起きたのやら見当も付かない。
「そろそろ手を下げたいんだがいいか? 手が疲れてきちまった」
昔から不良言葉と敬語が混じっているのはスルーしておいてくれ。
「あぁ、すまん」
俺はバランスをとり金網に戻った。
「お前ら、そんなところであばれてっとけがすっぞ」
「そこの風紀委員まがいの奴のせいだよ」
「誰が風紀委員まがいですって!」
「暴れるとまたおちるぞ」
『キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン』
一時間目終了のチャイムが聞こえてきた。
「そういえば風紀委員まがい、遅刻してるけどいいのか?」
「わっ、私はいいのよ! ちゃんと連絡したから!」
「ふ〜ん、そうか」
俺はそれだけ聞くと金網から飛び降り、校舎へと向かった。
「あっ、こら待ちなさい!」
後ろからうるさい声が聞こえるが無視していこう。
下駄箱で靴を履き替えてさっさと教室に向かう事にした。
職員室に行って来た事報告しようかと思ったがめんどくさいのでやめた。
とりあえず教室に行って大地を殴ろう。
あいつ、俺を置いてよくも先に行きやがって。
ぶつぶつ呟きながら歩いてると前に少女が立ちふさがった。
「おはようございます森下様。昨日はどうもです」
少女は丁寧にお辞儀をしてきた。
「どうも」
つられてお辞儀をしてしまった。
そこには昨日屋上で着物を着てた少女が立っていた。
今も着物だけど、まぁこの学校は何故だが私服でも別にいいらしいのだ。
俺は制服だけどな。
今はそんなことはいい、とりあえず目の前の問題をかたづけよう。え〜っと、確かあいつは昨日屋上にいた〜。名前は〜、あぁ、川村郁だ。
「あれ? なんで転校生が俺の名前をしってるんだ?」
疑問に思った。俺は昨日名前を教えていなかったはずだ。
「同じクラスなのですからクラスメートの名前を覚えて当然です」
「そうか」
顔はどうやって一致さしたんだ? っとはツッコまないことにした。
「写真を見さして貰いました」
「心読まれた!?」
心を読むとは恐ろしい奴。
「普通に森下様が呟いてました」
呟いていたか、今度から気をつけよう。
それはいいとしてすこし疑問が出てきた。
朝会ったオカマの名前も川村って名前じゃなかったけか?
聞いてみよう。
「お前にお兄さんはいるのか? オカマみたいな」
「兄様はいますがオカマみたいかどうかは知りません」
ちがうのか? いやもう一個質問しておこう。
「それじゃそのお兄さんは身長2mあるか?」
「それぐらいあると思います。して森下様、この質問にはどのような意味が?」
「朝にお前さんと一緒の名前の川村翔流という長身でマッチョのオカマに会ったから気になっただけだ」
「兄上はオカマでしたか」
「お前のお兄さんの名前は翔流なのか?」
「そうです」
やはりそうか。
とりあえず口封じしないと俺がオカマと言ってた事がばれて殺されるな。
「兄上に直接聞いてみましょう」
「ちょっと待て」
今さらりと恐ろしいことを言ったな。
「何ですか?」
「なにを聞くつもりなんだ?」
「オカマなのか聞くつもりです」
やばいな。
「誰に聞いたって聞かれたら何て応える気なんだ?」
「クラスメートの森下様からです」
素直だ。限りなく素直だ。
このままだと真剣にヤバイな。
「そのことは絶対に聞かないでくれ」
「何故ですか?」
「俺が殺される」
「誰にですか?」
「お前のお兄さんにだ」
コレではキリがないな。
『キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン』
と、その時にナイスタイミングでチャイムが鳴った。
「授業に遅れる! お前も急げよ!」
俺は逃げる様に階段をあがり、郁の横を通っていった。
教室に付くとまだ先生は来ていないのか、とても騒がしかった。
とりあえず教室に入るために扉をスライドし開けた。
バフッ
頭に黒板消しが振ってきた。
丁寧に黒板消しにはたっぷりとチョークの粉が付いていた。
髪の上のほうが真っ白になった。
それを見て教室中に笑いが広がってさらに騒がしくなった。
今時こんなこと幼稚な事をするのは大地しかいない。
大地は腹を抱えて笑っていた。
俺はそんな大地の所まで行き、思いっきり拳を握り締めてから振り上げて、振り下ろした!
が、そこには大地がいなかった。
少し前の方に大地が立っていた。そして誇らしげに胸をはり高笑いをして宣言した。
「あまいぜ静間! そんな攻撃俺にあた――」
最後まで言わす前にアッパーがキレーに決まった。
「決め台詞を最後まで言わせろよ〜」
大地は顎を押さえながら言った。
「誰が言わせるか!」
「お前ら、授業中に楽しそうやなぁ」
ビクッ
熊をも圧倒しそうなほどの威圧を背中に感じだ。
実際に遭遇したことは無いけどな。
そういえば木曜の2時間目って国語だったっけかな?
恐る恐る振り返ると、そこにはいつの間に来たのかスキンヘッドにサングラスを着用した笹熊先生が立って
いた。
名前は笹熊潤也。
黒いスーツ、黒い靴、そしてさっき言った通りスキンヘッドにサングラスをかけているのでその姿はま
るでヤ○ザだ。
何でこんな人が先生なんだろうっとたまに真剣に思う。
出身地は北海道、なのに大阪弁、本当に変わった先生だった。
「お前らそんなに話したいんなら廊下になっとれ!」
!!
廊下になっとれ!?
こっこれは言うべきなのか……、言った後の先生が怖い。
大地が、
「先生! 廊下になっとれって何ですか!」
と、大声で言った。
教室にいる生徒の半分が爆笑、半分が英雄と大地をたたえた。
「いっ言ったとうりの意味や」
うわ! 苦しいのがわかってるがそのまま通そうとしてる!
「どうすればいいんですか! 実際にして見して下さい!」
さらに教室中に笑いと歓声が沸き起こった。
「うっ、もうえぇ! お前ら廊下に立ってろ!」
「「は〜い」」
俺と大地は廊下に出た。
大地が廊下に出たときに「勝った」っと呟いた。
どう勝ったのか気になるが聞かないことにしよう。
「そういえば今日転校生がきたんだが知ってるか?」
廊下に立ってて数分、突然大地が話しかけてきた。
「知ってるよ。着物着てたな」
「ほぅ、もう知っているのか」
「昨日屋上でサボる時に見た」
「そうか」
「そうだ」
「そう言えばまだ神流来てないな」
「まだ来てないのか?」
浅月神流。
性別は男。
クラスメートで遅刻と居眠りの常習犯。
昔の俺みたいな奴だ。
まぁそのおかげで神流とは知り合えたもんだけどな。
別の理由も少し歩けど。
成績は俺が中の中とすると、神流は中の上、授業を聞いてるのに神流の方が上である。
顔はいいが性格がなんと言うか〜、大地に似ている。
俺の中でのあだ名は大地2号だ。
「それにしてもねみぃな」
大地がどんどんと話題を変えていく。
「あぁ、そうだな〜」
しばらく話していると大地が、
「あ〜、神流が来たみたいだ」
と、言った。
耳を済ましてみると、タッタッタッタッタッ、と階段を駆け上がる音が響いてきた。
「本当に神流か?」
「絶対そうだと思うぜ〜、最近この時間に登校してくるからな〜」
「そういえば2時間目の途中によく来てるな」
神流が3階まで上って来たようだ。
「よう」
「よう神流」
神流は俺達に気がついて挨拶を返した。
「おはよ〜、静間と師匠」
神流は大地のことを師匠と呼んでいる。
理由は入学式の事件がきっかけだ。
あの事件の後すぐに神流が弟子入りしにきたらしい。
何を習っているのかは俺は知らない。
知る気は無いけどな。
何か怪しいことをしてるらしい。
「師匠達が廊下に立たされてるって事は国語か?」
「なぜ俺が立たされていると国語なんだ?」
俺は少し怒りながら言った。
「廊下に立たせる先生が国語の笹熊先生だけだから」
「そう言えばそうだったな」
神流はよく居眠りをしてるの見つかって廊下に立たされてたな。
「で、師匠達は何をやったんだ?」
「大地が黒板消しトラップを仕掛けやがったんだよ」
「あぁ、だから髪の毛が少し黄色と白いところあるのか」
ドサッ
隣で何かが倒れる音がした。
「てか当の本人は寝てるしな」
横を見ると大地が横になって寝ていた。
さっきの音は大地が倒れた音らしい、あの音から見て結構な衝撃があったと思うのだがそんなもの無いかのように眠っている。
蹴って起こそうかと考えていると、
『キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン』
チャイムが鳴った。
「う〜ん、よく寝た!」
大地が大きく体を伸ばして立ち上がった。
「お前倒れたのによく起きなかったな」
「寝てなかったし」
「寝てなかったのかよ!」
「お前を脅かすために寝たフリをしていたのだ!」
「さすが師匠」
「神流意味わかんねー事に感心するな!」
「廊下で大声出すとうるさいよ〜」
大地がそれだけ言うと逃げていった。
いつの間にか廊下には授業を終えた生徒が出てきていた。
半分くらいの生徒が俺を見ていた。
「くそ! 逃げやがって!」
大地は人ごみに紛れてもうそこにいるか分からなくなった。
また逃げられた! まださっきの分も終わってないのに!
「大地!! 出てきやがれ!!」
俺の叫びが休み時間の校舎に響き渡った。
そろそろ本格的に恋愛要素入れないとな〜w
でもまだしばらく新しい奴出したいし〜
まぁいいや!w
後々考えよう
感想よろしくです〜w