恐怖の姉
「はぁ、学校もこれで安全じゃなくなった」
「どうした静間〜。今にも自殺しそうな顔で溜息なんてついて〜」
大地が話しかけてくる。
湯奈姉と別れた後、教室に荷物を取りに来ていた。
教室には大地がまだ残っていた。
「めんどくさい人がいたんだ」
大地が興味津々で聞いてくる。
「ふむふむ、それは誰だ?」
「湯奈姉……」
「それは湯由美湯奈先輩のことか?」
「あぁ、そうだ」
「あと先輩じゃなくて生徒会長だけどな」
「あぁ、そう……ってえぇ!? 会長!?」
危なくスルーするところだった。
今生徒会長って言ったよな?
「あぁ、本当は始業式の生徒会長の挨拶があったんだ」
「そんなのあったっけ!?」
「けど、俺の事件と紅牡里姉妹の登場で時間が潰れて無くなった」
「お前のせいか!」
大地の顔に向かって右ストレートが炸裂する。
それを大地は手がほっぺたに触れた瞬間に体ごと回転して威力を逃がす。
無駄な身体能力だな。
そして回転が止まり、
「うえ〜、はきそ〜」
自爆した。
「まぁそれは置いておこう。何でそのこと話さなかった!」
「だって静間は聞いてこなかったじゃないか。それにあの始業式の後に湯由美会長が会いに来て、「君はしーくんの友達なの?」って聞かれて、はい、て答えたら口止めされたんだよ」
大地はふらつきながら答える。
あ、机に足打った。
足押さえてかがんでる。
「そうだったのか?」
「そうなんだ」
「その言い方むかつくな」
とりあえずかがんだままの大地に蹴りを入れる。
「あうち」
ドス、ゴス、ガッシャーン。
軽く蹴っただけなのにオーバーリアクションで転がって椅子と机を倒して、最後にドアに当たりとまった。
当たったドアはわくから外れて倒れた。
「あ〜あ、し〜らない」
俺は鞄を持って教室から出る。
大地も鞄を取って机を漁る。
すると机の中からメフィが出てきた。
「机の中に入れてんなよ」
「いいじゃないか」
大地は頭の上にメフィを乗せる。
スキンヘッドだからすべるんじゃないか? と、疑問に思うが口に出さないでおく。
「これどうするんだ?」
「後で何とかさせとく」
大地が変なことを口走った。
「させとく?」
「あ、間違えた。しとくだしとく」
少し大地の言葉に疑問に思えたがこれ以上詮索しないでおこう。
そして小声で大地が危ない危ないと言ってた事も聞かなかったことにしよう。
湯奈姉の事もあやふやになり、いつも通りの会話をして昇降口に向かう。
そして靴を履き替えていると、
「遅いよしーくん!」
特徴的な呼び方で俺を呼ぶ湯奈姉の姿が目に入ってきた。
「何で湯奈姉がいるんだよ! そしてしーくんって呼ぶな!」
「だから年上にその口のききかたは何かな〜?」
殺気をチラつかせながら俺の対応をする。
「久しぶりですね。湯由美会長」
「久しぶりね古寺君」
そして湯奈姉と大地は軽く挨拶をする。
「お前恐くないのか?」
小声で大地に話しかける。
「なにが?」
大地も小声で答えてくる。
「いや、今俺に向かって湯奈姉が言った事だよ」
「別に恐くはないぞ」
「すげぇな〜」
大地と話していると、
「な〜にこそこそはなしているのかな〜?」
湯奈姉の声が後ろから聞こえてきた。
「!!!!」
俺は腰が抜けかけた。
何でかって?
だってさっきまで昇降口の入り口にいたのにいつの間にか正反対の俺の後ろにいるんだぜ。
どうやって移動したんだよ! と、言いたくなる。
言った瞬間殺されるがな。
「いや、何でもありません」
何とか体勢を立て直してできるだけ敬語で湯奈姉の質問に答える。
「あのですね〜。静間が湯由美生―――」
大地がとんでもない事を口走ろうとしたので口を塞いで黙らせる。
「私がどうかしたのか?」
「いや、どうもしません」
「ならいい、今日はしーくんと一緒に帰ろうと思うんだけどどう?」
「慎んでお断りします」
「分かった」
おぉ、分かってくれた!
怒られると思ったよ。
「つまり一緒に帰ろうってことね!」
「分かってないじゃないか!」
思わずいつも通りツッコンでしまった。
「しーくん、そんなに私と帰りたくないの?」
懐かしい鞭を鞄から取り出して聞いてくる。
その鞭はいつも持ち歩いてるのか!
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