お約束は守らないと
「1年1組の森下静間君、1年1組の森下静間君」を「1年A組の森下静間君、1年A組の森下静間君」に修正
勇の身長は180位で、かなりでかいのにたいし、留美の身長は150位でかなり小柄なので、留美は勇にぶら下がってる様になっている。
勇と留美は大地の幼なじだ。
中学の時に大地と一緒に友達になった。
勇と留美はいつも二人で行動している。
いまでは勇と留美は付き合ってるのだが、中学3年まで二人は両思いなのに付き合ってなかったので、俺と大地でいろいろな手をくしして二人をくっつけたのだ。
まぁその話は別の機会にしよう。
あれこれ考えてる内に勇と留美がこちらに気がついたようだ。
「大地と静間み〜っけ!」
元気な声をあげて留美は俺達を指差した。
今日も元気だな〜っと俺は思っていると、
「こんな寒い所にお前らよく来るな」
勇がいつの間にはしごを上ったのか横から声をかけて来た。
勇は登ってすぐにポケットに手を入れた。
「いいじゃん、俺達の勝手何だし」
「そうだそうだ〜、俺達の勝手だ〜」
俺の言った後に大地が間延びした声で俺の言葉を繰り返した。
「お前らの勝手で俺達が探し回されたのか」
勇はすこしがっくりした様子で言った。
「ん? 何か用事か?」
「あぁ、正確に言うと静間、お前に伝言だ」
はて、俺は今週何かしたかな?
俺はそう疑問に思った。
「誰だ?」
「辻川先生、「とっとと図書室に来い! 図書委員!」っだそうだ」
勇は声色を真似て言った。
「何!? もうそんな時間なのか!」
俺は残りのパンを口に放り込み、屋根から飛び降り、
「伝言ありがとな!」
俺は礼を言ってから屋上の出入口から出て、おもいっきり走って行った。
「忙しい奴だな〜」
残った大地達がそう呟いた。
二階まで階段を一気に駆け降り、廊下に出てからさらにスピードを上げた。
突き当たりを一気に曲がろうとした瞬間、不意に角から少女が出て来たので止まろうとしたらワックスが予想以上に塗ってあり、おもいっきり転んでしまった。
「いって〜」
「あうっ」
俺は手をついて立ち上がろうとしたら下から声がした。
何だ? この床やけに柔らかいな。
俺はそう思って手を動かすと、
「ひゃう」
さらに声がした。
俺は恐る恐るしたを見ると、そこには少女が倒れていた。
俺より20位低いかな?っと、俺は思った。
俺は自分の手の場所を確認すると、手は少女の胸辺りに置かれていた。
「うおわ!」
俺は転がるようにして立ち上がった。
結構大きかったな〜って、いかんいかん!
その後に少女も立ち上がった。
少女は顔を赤くし、目に涙を溜めていた。
「すっすまん! 悪かった」
俺は急いで謝った。
「いえ! 私が悪いんです!」
少女は頭が膝につくんじゃないかと思うほど頭を下げた。
健気そうな子だな。
「いや、俺が走ってんだから俺の方が」
とりあえず俺のほうが悪いので謝ろうとしたら。
『ピンポンパンポ〜ン。生徒のお呼び出しです。1年A組の森下静間君、1年A組の森下静間君、今すぐ図書室まで来て下さい。出ないと僕に酷いことがおきますよ!! ピンポンパンポ〜ン』
俺の言葉が最後まで言う前に俺を呼び出す中野先生の悲惨な叫び声の放送が流れた。
うわ……コレは急いでいかないとやばいな。
「やっべ!早く図書室行かないと中野先生が殺される! この件は俺が全面的に悪かった! それだけだ! じゃぁな!」
俺は謝ってからまた走りだした。
残された少女は、
「森下……静間……」
っと、俺の名前を呟いていたのだが俺はこの時走っていたので知らない。
「すいません! 遅れました!」
俺は図書室に着いてからすぐに謝った。
だが、図書室には辻川先生が鬼のような形相で待ち構えていた。
「森下! お前は図書委員を何だと思ってるんだ!」
図書室に辻川先生の怒声が響いた。
この先生の名前は辻川朱美先生。
ついでに言うと29歳独身で現在恋人募集中である。
性別は女性。
この辻川先生は、外見はモデル並なのだが、性格が相当悪いので男がなかなか寄って来ない。
しかも先生の理想の恋人は、金持ちで美形と言う凄まじい願望まであるので、寄って来た男はすぐに先生の本性を知り離れていく。
先生は今月で30なので、そうとう焦っている。
そして皆の感想は、
「性格さえ良ければ」
っである。
惜しい人だ。
「まっまぁまぁ、抑えてくださいよ。辻川先生」
この先生の名前は中野亮先生
年齢は25歳だが、見た目より少し老けて見られる。
性別は男性。
いつもびくびくというかおどおどしているが、何でも聞いたことは答えてくれる物知りな先生。
この先生は結構人気がある。
理由は、
「後ろから大きな声をかけたら凄くびっくりするからおもしろい」
だそうだ。
ま〜なんだ、生徒の玩具的存在。
……なんだかエロいな。
気にしないでおこう。
中野先生がおどおどと辻川先生をなだめる。
「むっ、仕方がない。今日の所は許してやるわ。でも今度また遅刻すれば……」
そこで辻川先生は言葉をきり、図書室から出ようと出口に向かって歩いた。
「つっ辻川先生!? 何をする気ですか!?」
中野先生が聞いた。
「それはしてからのお楽しみだ」
辻川先生は一度振り返りそれだけ言い残すと、本当に図書室を出て行った。
出ていくときさりげなく俺を睨んでいた。
うっ、怖い……
さて、うるさい辻川先生も去った事だし気を取り直して本を読みながら仕事でもするか。
そう思っていると図書室の扉が開いて大地・留美・勇の順で入ってきた。
「仕事してるか〜静間」
「静間呼び出されてたね」
「せっかく伝言したのに何遅れてんだよ静間」
うるさい先生がいなくなってやっと静かになったと思ったら、別の意味でうるさい3人組がきた。
勇と留美は大地から離れて本を探すため二人でまわっている。
この学校の図書室はなかなか広く、本の種類も豊富なので、俺はよくここをよく利用する。
そのかわり本の場所を覚えないと、探すのが面倒なのだ。
大地は俺の横の椅子に座った。
「何か面白い事おきないかな〜」
大地は暇そうに言った。
「おこすのはいつもお前だろ」
「だって考えるの疲れるんだもん」
「語尾にもんを付けていいのはかわいい女子だけだ」
俺は呆れた。
「まっ、これでしばらくは静かで安心だな」
俺がそう言った直後大地が立ち上がった。
「あっ、そうだ」
何か思い付いたようだ。
嫌な予感がする。
俺に関係がない事を祈ろう。
「静間」
大地が俺を呼んだ。
「なっ、何だよ」
俺を呼ぶ声が真剣なので、俺は身構えた。
「葛原に告白しろ」
え? こいつ今何言った? 葛原に告白しろってか?
俺は自分の耳を疑った。
「だから葛原に告白しろって言ってんだ」
大地がもう一回言ってきた。
ゴンッ
俺はグーで大地の頭を殴った。
「いってぇ」
大地は頭を押さえてうずくまった。
そして立ち上がり、
「何すんだよ〜」
「お前が変な事言うのが悪い」
「変な事って葛原に告白しろって事がか? それの何処が変な事ってんだ? クックックッ」
にやつきながら大地が聞いてきた。
「分かって聞いてるだろ」
「うん! 分かってるよ!」
大地は満面の笑みで言い切った。
はぁ、こいつと話すの疲れてきた。
図書室にいる生徒達の視線が痛い。
「でっ、告白するのか?」
「するわけねぇだろ」
黙らせるためにデコピンをはなった。
「いて」
『キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン』
昼休みの終わりのチャイナがなった。
「さて、図書室から出るか」
俺はさっきの話をなかったことにするために声を出してから席を立って図書室の出口に向かった。
「そだな〜」
大地も席を立って俺の後についてきた。
作戦成功。
「静間、次の授業って何だっけ?」
歩きながら大地は俺に次の時間割を聞いてきた。
「社会じゃね。まっ、次の授業はサボるからどうでもいいがな」
「社会か!」
大地はもの凄く喜んだ感じに言った。
大地は歴史がかなり好きなので、社会のテストはいつも100点と言う驚異の成績だった。
それ以外のテストの点も70点以上の点数を出しているのが大地のすごい所だ。
「そろそろ走らないと間に合わないんじゃないのか?」
「俺に聞くな。サボるって言ったろうが」
「そうか。じゃ、走るは」
大地はそれだけ言うと走り出した。
大地が走り去った後、俺は何処に行こうか考えた。
寒いが屋上にでも行くかな。
多分先生もさすがにこんな寒いのに屋上に居るとは思わないだろう。
思いたったが吉だな。
俺は屋上に足を向けた。
一応授業中だから教室の前を通るのはまずいよな〜、だがもう通ったしまぁいいか。
俺は最後の階段を上り終わったその時、
ガチャンッ
屋上の出入口が閉まる音が廊下に響いた。
「サボりか? 悪い奴もいるもんだ」
お前もだろ! と、突っ込まれるような事を呟きながら俺は出入口を開けて外に出た。
太陽が目に入り眩しかった。
俺は目の上らへんに手をかざした。
「誰です?」
後ろの方から少女の声がした。
振り返ったが、そこには誰もいなかった。
あるのは出入口だけだ。
「上です」
声の言うとおりに上を向くと、そこには着物を着た少女が出入口の屋根に座っていた。
日本人形?
一瞬そんな考えがよぎった。
とりあえず誰でココで何をしているのか聞いてみることにした。
「お前は誰? 学校で和服着て何をしているんだ?」
「川村郁、明日ここに転校してくるから下見に来たの」
川村郁と名乗った少女は、屋上出入口の屋根から飛んで降りてきた。
タンッ
体重を感じさせない音が鳴った。
「では、私はコレで失礼します」
少女はそう言ってドアを開けて去って行った。
名前教えるの忘れたな〜。
そう思ったが、すぐにどうでも良くなった。
俺は出入口横のはしごを上った。
さてと、寝るか。
上り終わってから横になって目をつぶった。
『キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン』
チャイムの音で目を覚ました。
いつの間にか眠っていたようだ。
今何時だ?
そう思い俺はポケットから携帯電話を出した。
時間は5時だった。
5時か。
4時間も寝ていたようだ。
通りで空が暗くなり始めているわけか。
「そんな細かいことはいいや、鞄とってとっと帰るか」
細かくは無いだろ!っと、突っ込まれそうな事を呟いたが周りに突っ込んでくれる奴がいないから別にどうでもいい。
教室に向かった。
教室は屋上に通じる階段のすぐ横にある。
なのですぐ着いた。
教室のカギはまだ開いていたので入っていった。
開いていなかったら職員室までとりに行かなくてはいけないので、開いていてよかった。
教室の中は暗くて、少し不気味だった。
俺は早く鞄をとって帰ろうとしたら、
ガタン
何かが動く音がした。
一瞬心臓が止まるかと思った。
ガタン
また何かが動く音がした。
恐怖を押し殺しながら恐る恐る、そちらに向くと、
「わ!」
「ぎょ!」
思わず叫んでその場に座り込んでしまった。
「あははははははは、「ぎょ!」だって! おもしれ!」
俺を脅かしたのは大地だった。
大地は笑いながら走り去っていった。
追いかけようと思ったが腰が抜けてしまい立ち上がれない。
殺す……絶対明日で殺してやる……
そう俺は堅く心に決めた。