楽しいことはすぐに終わる
前回の少し続きかな?w
では本編にどうぞ〜。
「あ〜、面白かった」
ピ〜ンポ〜ン、ピ〜ンポ〜ン、ピ〜ンポ〜ン、ピ〜ンポ〜ン。
本を読み終えたと同時にチャイムがなった。
しかも連続でなっている。
時刻は4時30分前だった。
こんな早くあいつらが来るはず無いしな〜。誰だ?
とりあえず玄関に向かう。
その間ずっとチャイムがなっている。
「はいは〜い。今出ますよ」
途中からもうピピピピピピピピピピピピっと連打されているっぽい。
「うるせぇ! 連打しなくても聞こえてる!」
鍵を開け、玄関のドアを引きながら叫ぶ。ドアの前には大地、神流、勇、留美、川村、鈴原、麗、葛原、葛原の友達一名の順で立っていた。
「や〜、静間ちゃ〜ん。昨日ぶり〜元気してた〜?」
大地がいつものように挨拶してきたので鳩尾を殴って沈める。
これで数分は静かだ。そしてこいつ何手に袋持ってんだ?
「こんばんは! 静間! 師匠大丈夫ですか?」
神流が挨拶をしてから大地を心配をした。
あまり心配してるように見えないな。
「よう静間。何鍋するんだ? 腹を減らしてきてんだぞ」
勇はそうとう腹が減っているようだ。
心なしか少し目つきが怖い。
「静間こんばんは〜! 郁もよんじゃった!」
留美はいつもどおり明るい声で挨拶をする。
その明るい声で勇をなだめてほしい。
「こんばんは。留美様にお呼ばれされてきました」
挨拶をしたあとに丁寧なお辞儀をする。
いつの間に留美と仲良くなったんだろう。そして何で今日も着物なんだろうか?
「こんばんは森下君。なぜか塾の帰りに川村さん捕まってしまった」
鈴原は少し不満そうにしていた。
捕まったなら逃げればいいのに何で逃げないんだろう。
「こんばんはっす」
麗が不良っぽく挨拶をする。
無理に「っす」つけなくていいんじゃないのか?
「こんば、んは。静間、君」
いつもの調子で挨拶をする。
もう皆に慣れたのかな?
「こんばんは森下さん。零奈の友達の田津羽芭知琉です」
葛原の友達の女子は田津羽芭知琉と言うらしい。
少し太っているように見えるがそれを気にさせないような何かを持っている人に見えた。
それは何か分からないけどな。
「あいさつもすんだことだしとっとと入れ。さすがにこの人数が広場にたまってると人に迷惑がかかる」
大地達は階段と広場にぎりぎりでたまっているため上り下りする人が上れないのだ。
「わかったよ」
大地を先頭に皆靴を脱いで家の中に入ってくる。
「お前等二人靴そろえろよ」
二人ほど靴が別の靴にのっている。
「何!? 誰だ! それは!」
「誰なんです!」
「お前等だ!」
うるさい奴等を家から蹴り出す。
その二人は分かってると思うが大地と神流だ。
さすが弟子というとこか同じ事を考えている。
大地はそのまま行動するが神流はあまりしない。
まぁだからと言って加減はしないがな。
家から転がるように飛んでいった二人は向かい側の家のドアにあたった。
向かい側は幸い人は住んでいないので苦情は来ないだろう。
他の部屋からの苦情は知らんけどな。
さて、こいつら面倒だけど部屋まで運ばないとな。
そう思い大地と神流の足を引っ張って引きずって行く。
「勇〜、手伝ってくれ〜」
「あいよ静間」
勇が出てきて大地の右足を引っ張って行く。
やっぱり引きずるんだな〜と、思いつつ神流を引きずる。
「台所まで運んでくれ」
「あいよ。でもこれ運んでないよな」
勇が引きずりながら言う。
「別にいいじゃん。大地なんだし」
「そうだなっと、ここでいいな」
勇が台所の床に大地を片手で持ち上げて投げる。
相変わらず凄い力だ。
「よっと」
神流を滑らすように台所に入れる。
「とりあえず鍋出さないとな〜。皆来るのもう少し遅いと思ってたよ」
「ごめん、なさい。静間、君」
誰に言ったでもない言葉に思いがけない人から答えが帰ってきた。
「あぁ、まぁ別にいい。それに葛原が謝る事じゃない。考えたのどうせ大地あたりだろうしな」
それだけ言って俺は洗い場に向かう。
鍋はここだったっけかな?
棚の戸をあけて探す。
なかなか見つからないな〜。
鍋なんてここ最近食べてなかったし奥のほうか?
2〜3分あさってやっと見つけた。
「あったあった。ガスコンロは確か冷蔵庫の上だったな」
その間皆は話をしたり俺の部屋をあさったりしていた。
あさってた奴二人は鳩尾に一発づつ重いのを食らわせておとなしくさした。
洗い場から出て鍋を台所の机の上に置き、冷蔵庫の上にあるガスコンロをとる。
これで後は適当にしてればいけるだろう。
「とりあえず皆しゅうご〜う。そして席について〜」
皆集まってきた。
結構ぎりぎりだなこりゃ。
俺を合わせて10人もの人が台所に集まっている。
あと2人来れば確実に死ぬだろうな。
来ないからいいか。
そして皆は長方形の机に用意された席に着く。
4人、2人、4人、2人で座れるようになっている。
なぜこんなに広いかというとお母さんに聞いてみると、
「この大きさいるような気がして」
だそうだ。
今はそれはありがたい。
席は俺が2人座れるとこに1人で座り、俺の右側、近くから順に神流、大地、勇、麗と座り、そして左に、零奈、田津羽、留美、鈴原と座っている。
残り一人の川村は俺の向かい側に座っていた。
「とりあえず何鍋にするかだが皆何か食べたい鍋あるか?」
簡単に聞いてみる。
「チゲ鍋〜」
「俺も師匠と一緒で」
と、大地と神流。
「寄せ鍋がいいな」
「留美と一緒の寄せ鍋」
と勇と留美。
「キムチ鍋が食べたい」
「俺もキムチ鍋でいいっす」
と、鈴原と麗。
残り三人は、
「べつになんでもいいです」
「おいし、いの、が、いい、な」
「私も零奈と同じです」
と言う。
「何であんたが私と一緒の選ぶのよ!」
「別にいいじゃないか」
鈴原と麗が言い合いを始めた。
無視しよう。
それよりまず決めなくてはいけないな。
3個に分かれた。
「キムチ無いからキムチ鍋は無理な」
だけどそのうち1個は材料が無いため作れなかった。
鈴原はひどく落ち込んでいた。
そんなに辛いの好きなのか?
まぁいい、早く進めないとなんだか勇が怖くなってきた。
勇の空腹メーターがどんどん上がっていってるみたいだ。
「面倒だからジャンケンしろ」
言った直後、大地と留美が前に出てきた。
本当にジャンケンで決めるらしい。
「できるだけ早く負けろよ」
大地にささやく。
「そんなに負けてほしいか!」
いきなり叫びだした。
「うるさい。とっととジャンケンしろ」
俺は大地を殴る。
今回は加減した。
気絶されても面倒だし、のたうちまわられてもうざいだけだ。
「はいはい」
大地は軽い返事をして留美と向き合い、ジャンケンの姿勢になった。
どんな姿勢かと言うと、両者腰のところに手を持っていき、その手をもう片方の手でつつみこむように握っているのだ。
「じゃんけんで、ほ〜い」
二人同時に手を出す。
留美、パー。
大地、グー。
「留美の勝ち。よって鍋は寄せ鍋きまりました」
パチパチパチ〜。
拍手が少しだけ聞こえてきた。
「材料はこんなもんでいいか」
冷蔵庫から大量の野菜と肉を出した。
洗い場に行き包丁を取り出して、
「さて、作るか」
野菜の皮をむいて適当な大きさに切っていく。
「何か手伝うことあるか?」
勇がやってきた。
「そうだな、だしをたのむ」
「分かった」
鍋に水を入れた後に、ダシ昆布とかを入れ、ガスコンロの上に置いて火をつける。
「どれくらい待てばいいんだ?」
腹を押さえて聞いてくる勇が聞いてくる。
他の皆は適当に話をしている。
「水が沸くまで喋ろうぜ」
そう言って俺も話しにまざる事にした。
「野菜はもういいのか?」
「もう切り終わったよ」
それから数分、鍋の中の水が沸くまで話した。
グツグツグツグツグツグツ。
「沸いたし食材入れるか」
俺が野菜と肉を鍋の中にバランスよく入れていく。
「うぉぉぉぉぉ! 肉食わせろぉぉぉぉ!」
そして4時50分、大地の絶叫とともに戦いが始まった。
「とりあえずうるさい」
大地を沈める。
そして俺も戦いに参加した。
戦いは凄まじかった。
神流がとろうとした肉を勇が奪うようにとり、奥に行けば鈴原と怜が肉を取り合い争っていた。
醜いな〜。
そして俺の前で葛原は肉を普通に食べていた。
肉どうやってとってるんだっと思ったら、田津羽凄いスピードで肉をとって葛原の受け皿に入れていた。
友情って奴か? っと、あんまり傍観してたら肉がなくなるな。
「つうか皆肉ばっか食ってないで野菜も食えよ〜」
とりあえず注意してみても全く無意味だった。
まぁいいや。俺も腹減ったし食べよう。
箸を鍋に伸ばすもののなかなか肉を取れなかった。
否、取ったと思ったら神流と勇に邪魔をされる。
くそ! こいつら人がせっかく招いたって言うのにこいつら遠慮無しだな!
そう思っていると、
「ん?」
受け皿に肉が入れられた。
「あげ、る」
声のしたほうに向くと、葛原がこちらを見ていた。
どうやら葛原が入れてくれたみたいだ。
やはり葛原は優しいな。
「あぁ、ありがとな」
俺はお礼を言って肉を食べる。
そんなことを数十分続けていたら野菜と肉が全部切れた。
あんなに買ったのにもう無くなったか。
さっきまで騒がしかったが、食材が切れたと分かって静かになった。
「よし! 最後はご飯入れて食うぞ!」
俺がそういって炊飯ジャーの中のご飯を全部鍋の中に入れて少しまぜる。
それから茶碗を取り出してから残り汁を吸ったご飯を入れて配った。
「あ〜食った食った」
大地が茶碗を置いて腹をおさえた。
「本当に遠慮無く食ってたからな」
俺が軽く言う。
「気にするな」
皆が会話に参加する。
「上手かったな〜」
「ごちそ、うさま、でし、た」
「ごちそうさまでした」
「ごちそうさま〜」
皆食べ終わって話始めた。
「よし、片付けるから勇と大地と麗、手伝え」
タイミングを見計らって3人を呼ぶ。
「何で俺が〜」
「分かった」
「分かったよ」
大地は文句を言ったが後の二人は軽く承知してくれた。
腹いっぱいで機嫌がいいのかもしれない。
大地を残し洗い場に行く二人。
「大地、今腹を殴ればどうなるだろうな?」
笑顔で残った大地を脅す。
腹がいっぱいの時に殴られれば相当きついだろう。
「分かった」
大地はすぐに洗い場へと行った。
俺は鍋と茶碗を持って洗い場に行く。
「お前等すげぇな。野菜全部消えてしまったじゃないか」
茶碗を洗いながら話しかける。
「静間のせいででおくれたがな〜」
反省してないもよう。
「悪いな。腹が減りすぎてて人格が変わってしまったようだ」
勇ってこんな危険人物だったんだ。
「すまねぇ。鈴原がつっかかってきたもんでつい」
リーゼントとスキンヘッドが洗い場に立って食器を洗ってる風景というのは何か変な感じだ。
「大地以外は別にいいさ」
「ひでぇ! 差別か!」
「だってお前反省してないから」
パチーーーーン!
大地の頭を軽く叩いただけでいい音が鳴った。
「いい音なるな〜」
もう一回叩こうかと考えてしまった。
「それはそれとして片付けも終わった戻るか」
「どれはどれなんだ?」
麗が聞いてきた。
「気にするな」
台所にもどって勇が時計を見て、
「うわ! もう6時かよ。そろそろかえらないとな」
勇の一言で皆帰ると言い出した。
「じゃぁまた明日な〜」
「お邪魔しました〜。師匠まってくださいよ〜」
「7時50分に明日迎えにくるからそれまでに起きてろよ」
「ばいば〜い静間」
「そろそろ私も帰ります。お邪魔しました」
「俺も帰るとすっかな」
「私、も、帰る、ね。おじゃま、しまし、た」
「私も帰りますね。零奈を送らなければなりませんから」
「じゃぁね、森下君。明日は遅刻しないように」
大地、神流、勇、留美、川村、麗、葛原、田津羽、鈴原の順で皆帰っていった。
皆出て行った後は、さっきまでと違い、静かだった。
家の鍵を閉め、お風呂に入って寝る事にした。
今日はいろいろと疲れたが、その分楽しかった。
こんなに楽しくご飯を食べたのは久しぶりな気がした。
いや、実際久しぶりだった。
俺が中学にあがると同時に兄は高校に通うのを楽にするため高校の近くのアパートに引っ越した。
そしてお母さんは俺と兄の学費と食費を稼ぐためにいろんな仕事をしていたため家にはあまり居なかった。
「あ〜、暗いのは俺には似合わん! 風呂入ってさっぱりするか」
そしていつものように風呂に入ってから眠りについた。
多分今回はうだうだだと思います。
すいません。
今度から気をつけて書きたいと思います。
これからも末永くお願いいたします。