パーティーが始まる前に
「あ〜、昨日は結局眠れなかったぜ〜。だけど不思議と疲れが無いのはなぜだろうか? まぁそんなことどうでもいいや」
日曜の朝9時、昨日は寝れずに一晩中今日することを考えていた。
考えていた内容は今日の鍋の事だ。
何鍋を作ろうかと一晩中悩んでいた。
もしかしたら夢の中で考えてたのかもしれない。
そして結論がこれだ。
「まぁ皆が来てから考えよう」
鍋は後回しにした。
そうだ、まだ勇と留美誘ってないな、ついでに神流も誘うか。
飯を食いながら頭の中でどきどきわくわくしながらいろいろと考える。
雰囲気が遠足前の子供と言う所だろう。
「鍋の材料買いに行くか」
鞄を取り立ち上がる。
そして重要なことに気がついた。
「着替えなくては」
そう、まだ俺はパジャマのままだった。
「今日はどうするかな〜」
タンスをあさる。
「これだ!」
掴んだ服を思いっきり引っ張って取り出した。
「…………」
そしてその取り出した服を見て数秒フリーズした。
なんだ? この服は?
服の模様は白と赤の縦じま、しかもズボンと帽子まである。
ズボンと帽子も一緒の白と赤の縦じまだった。
帽子はパーティーとかで使いそうなトンガリ帽子だ。
「何で食い倒れ人形の服がここにあるんじゃ!!」
フリーズから治ると同時に俺は叫んだ。
しかも丁寧に眼鏡まである。
お母さんか? いや、お母さんがこんな服買うわけがない。なら誰が?
頭の中で話し合う。
そして結論が決まった。
「あいつか!」
ピリリリ! ピリリリ!
叫んだ同時に携帯に電話がかかってきた。
画面に大地と表示されていた。
電話を取る。
『よ〜静間〜。今日の鍋パーティーは――』
「お前だな?」
最後まで言葉を言わさずに質問をする。
『な、何のことだ〜?』
「俺の部屋のタンスに変な服を入れた張本人だ」
『さ〜、食い倒れの服のことなどしりませんね〜』
「おまえじゃねぇか!」
『な! 何で分かった〜!』
大地がめちゃくちゃ動揺する。
「俺まだ服としか言ってないわ!」
『HAHAHA! ばれちゃぁしょうがない! 犯人は俺だ!』
アメリカ人っぽい笑いをしながら認める。
「その笑いむかつくな〜」
『気にするな! それと今日の鍋パーティーは何時からなんだ?』
「まぁそれはおいとくとして、今日持って帰れよ」
『分かったから今日のパーティーの時間は?』
「5時くらいに集まりはじめればいい」
『分かった。じゃ〜な〜』
大地は最後にそれだけ言って電話を切った。
「はぁ〜〜〜〜」
ため息が自然と出てきた。
大地との電話は疲れるな〜。
「これにするか」
電話から10分くらいして、時間は10時をすぎ、そこでやっと服が決まった。
服とズボンは昨日と同じような感じになった。
着飾ってもしょうがないしな。
ん? 男が着飾るってへんか? まぁいいや。
「さ〜てと、さっさと買い物に行くか」
買いすぎには注意するか。
鍵を閉めて家を出て、それから歩いて駅に向かう。
新しく自転車買わないと疲れるな。
歩きながら考える。
11時、商店街前到着。
少し遅くなったがいつもの商店街に着いた。
電車がトラブルでつくのが遅れたぜ。こんなことがあるから自転車あったほうがいいな。
まずは野菜を買って、次に肉を買うとするか。
八百屋に足を向けた。
11時20分、八百屋前。
「八百屋のおっちゃ〜ん」
いつものところにおっちゃんがいないので呼んでみる。
「はいよ!」
筋肉質なの体に頭にはハチマキ、冬なのにまくって肩まで上げたそで、腰に八百屋と刺繍されたのれんみたいな腰マキをした40後半くらいの男が出て来た。
「お、静間の坊主じゃねぇか! 今日はおつかいか? 偉いな!」
声を張り上げてしゃべる。
よくここに来るのでおっちゃんとは顔見知りだった。
「おっちゃんうるさいよ」
おっちゃんの声はかなりでかい、客寄せをするのには最適だが普通に話すのは疲れる。
「おっちゃ〜ん、大根3本」
買い物袋をさげた主婦らしい人がおっちゃんを呼ぶ。
「まいど! 360円だよ!」
おっちゃんの声が響く。
それにつられて他の主婦達も寄ってくる。
お昼ご飯の材料でも買いにきてるのか?
そんな事はいい、俺も早く買わないと売り切れるな。
おっちゃんともう少し話したかったが急がしそうなので買うものだけ買って後にする事にした。
簡単に1200円分ぐらいの野菜を買った。
「おっちゃ〜ん、また今度ね〜」
「おう! また今度な坊主!」
最後におっちゃんの声を背中が背中に聞こえた。
12時30分、家の中。
案外早く帰って来れたな〜。
ジャンパーを脱ぎ、俺の部屋の机に向かって投げる。
さて、5時まで何してようかな。
布団の上にあおむけになってこれから5時までの事を考える。
ぐぅ〜〜。
その時、腹の中虫がなった。
そういえばもう1時ぐらいだったな。お昼ご飯にしよう。
そう思うと、むしょうに腹がすいてきた。
今日は何を食べるとするかな。
布団から立ち上がり部屋をでて廊下を歩き、台所に向かう。
冷蔵庫の中を見る。
冷蔵庫の中は、昨日買った野菜と肉、そして今日買った野菜と肉が大量に入っていた。
今日は晩の鍋パーティーがあるから少なめでいいか。
そう思い、卵と納豆を取り出す。
今日の昼飯は納豆卵かけご飯でいいや。
お茶碗を取り出して卵と納豆を入れ、かきまぜる。
そして納豆についていたからしと醤油を入れ、さらに泡がでるまでまぜる。
そして最後に白いご飯を入れて、さらにまぜてまざれば完成!
これが納豆卵かけご飯の出来上がり〜。
ふぅ、いい仕事したぜ!
スプーンを取り出して食べ始める。
納豆卵かけご飯はうまいぜ〜。だけど口がべたつくのがダメだな。
どんどんとお茶碗の中のご飯が減っていく。
そしてものの5分で食べ終わる。
さて、食べ終わったし食器洗いをするか。
お茶碗とスプーンを持って流し台へ向かう。
簡単に洗うか。
洗剤を取り出してスポンジに付ける。
それからよ〜く手で揉み泡立てる。
程よい量になったらそれで食器を洗い始める。
数分後、食器は全部洗い終わった。
元々が少ないので楽だったな。さて、後数時間何しようか?
ここまで早く終わるとは少し予想外だった。
「暇だな〜」
今は自分の部屋で布団の上で寝転がってくつろぐ。
どきどきわくわくしすぎて5時まで待ち遠しいぜ。
そうだ! 最近買ってまだ読んでなかったラノベでも読もう。
そう思って本棚にある、ブックカバーに包まれた小さめの文庫本を取り出し、読み始めた。
だいたい2時間半位で読み終わるだろう。
そう思い、布団にうつぶせに寝転がり、本を開いた。
内容は、異世界に使い魔として召喚された少年の苦悩の使い魔生活を書かれた本だった。
それから4時25分まで、本を読んでいた。
今回は少し短くなってしまいました。本当は今回パーティーが始まってるはずなのですがなぜか次話に予定変更になりました。期待してたかたはすいません。してなかった人にもすいません。では、次回のパーティー編であいましょ〜(何故最終話チック?