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翠玉の魔術師《ヒストリア》  作者: アオルヤ
第1章 少年期編
5/8

第四話 「親心、子知らず」

 ---




 息子のレオンが6歳になった。

 前々から教えようと思っていた、魔術について教えるこのにした。

 せっかくだから仲のいいシルヴァも一緒に教える。

 ラウスはラウスで剣術を教えるそうだ。


 彼の腕はは確かだ。

 あちらのことは任せて、私は魔術に専念しよう。



 初めは知識だ。


 魔元素8属性

 下位:土 火 水 風

 上位:空間 無 光 闇


 これはレオンやシルヴァでも分かった。

 ただ、やはり特殊魔術は詳しく無いようだった。

 それも当然か、シルヴァといえど12歳、レオンに至っては6歳なのだから。


 特殊魔術。

 これは魔元素8属性とは、性質も、使い方も全く異なる魔術だ。

 私が知りうる限りでは、


 回復術 神術 封印術 結界術 召喚術 従魔術

 が特殊魔術に当たる。


 回復術は使える人が多いが、

 封印術や従魔術は使えるだけで、多くの人から尊敬を集めるだろう。


 いつかはレオンも、私のような魔術師になるのだろうか?

 まあ、やってみないとわからないわね!



 ということで、レオンとシルヴァの二人に

 下位属性下級魔術『ロックシュート』を撃たせてみる。

 私が見本を見せると、二人は喜んだ。

 だが、このくらい二人なら、今日中にでも使えるようになるだろう。



 初めにシルヴァ。


 彼はスポーツ万能な上、頭も切れる。

 きっとうまくやると思った、今日中に使えるようになるだろう…と、


 しかしそれは、甘い推測だった。

 彼は詠唱有りではあるものの、見事なまでの『ロックシュート』を1発で決めた。


 本格的に魔術師に向いていると思った。

 彼なら3年いや2年本気で鍛えれば、あるいは。



 そんな事を考えていると、

 レオンが『ロックシュート』の詠唱を始める。

 彼の手元には恐ろしいほどの、魔力マナの放流が起こった。



 ー魔力マナの暴走ー



「危ない!」


 このままじゃ魔力に飲まれて、大怪我をする。

 そう思い、結界術でレオンを包もうとした。


 だが、実際は違った。

 それは正常な魔力の流れで、

 それこそ力を上手く使えていないが、

 コップにバケツの水を移そうとするようなものだった。



 魔術が放たれる。



 バコオオオン!!!



 大きな音を立てて木が真っ二つになる。

 レオンの魔術は、そんじょそこらの魔術師以上のものだった。


 倒れてくる木。

 レオンは動かない。動けないのか?

 ともかく、危ないので時空魔法の『クロノダウン』で止める。



「すっげー!今の上位属性の空間属性の魔術だよね!?」

「それにそれに、レオンの魔術すごい威力だった!」


 シルヴァは楽しそうに言う。

 上位魔術を使ったらお腹がすいた。


「話の続きは、お昼ご飯を食べながらしましょう」


 そう言って、その日の魔術の授業は終わった。




 ---




 今日は、この間気になったレオンの魔力総量を調べることにした。


「今日はあなたたちの魔力総量を見るわ!」


「下級魔術の『ウォッシュボール』をつくって、できる限り維持しなさい!」



 子供たちから、やれ簡単だと声があがる。

 しかし実はこの方法は実にわかりやすく、魔力の総量を測れる。


 2人はせいぜい15分と言ったところだろう。


 …

 予測道理、シルヴァは15分で『ウォッシュボール』の形を保てなくなった。

 十分な魔力だと思う。

 ここから訓練をすれば、ぐんぐん伸びることだろう。


 ここまでは予想道理だった…




 15分、まだレオンの魔力は尽きない。




 30分、まだだ。




 60分経過したところで、ようやく魔力を使い切ったようだ。



『ロックシュート』の件以来、レオンに魔術の才能があるのは分かっていたが、

 これは理解の範疇を超えていた。

 もりかしたら、彼の魔力は鍛えればそれこそ無尽蔵になるかもしれない。


 息子ながらに、軽く恐怖を覚えた。




 ---




 今日のは流石に驚いた。

 しばらく私が、魔術の基礎を徹底的に教え込んで、

 それで、まだ魔術を学ぶ覚悟かあれば、彼女の元に送ろう


 あ、ラウスが黙って無いかしら。

 彼も風紋流の剣士にするんだ、って意気込んでたものね。

 まあ、いざとなったら言いくるめてしまいましょう。


 ふふふっと笑って

 ペンを執る。


 私は一足先に彼女に向けて手紙を書くことにしたのでした。


もうそろそろヒロインが出てきます。

そしてシルヴァとレオンの生活にも変化が…

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