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翠玉の魔術師《ヒストリア》  作者: アオルヤ
第1章 少年期編
4/8

第三話 「風紋一刀流」

 



 まず僕らが教わったのは、体の使い方。

 風紋一刀流では、自然な動きで、最大限力を引き出す。

 そんな動き方がたくさんあるそうだ。

 そのため、体の回転を使った動きが多く、


『回転流』


 とも、呼ばれているそうだ。



 そこで流派ごとに違いは有るのか…と、シルヴァが聞いたので、

 次に父さんは現在主流の、3つの流派を説明した。

 ・『風紋流ふうもんりゅう

 ・『白波流しらなみりゅう

 ・『天舞流てんぶりゅう


 その中でも、武器によって細い分流があるそうだ。

 だから、風紋一刀流は風紋流の中の、一刀流、

 ということだそうだ。



「大まかに分けると、攻防一体の風紋流」

「守り、あるいは魔術も使う剣士が使うのが白波流」

「舞うような、癖のある動きの天舞流」

「こんな感じになっている。父さんは3つとも触ってて風紋流を極めた」


 だから、お前らもとりあえず色々試して見るんだな、とまとめた。



 その説明を聞いた上で、シルヴァは


「天舞流ってつえーの?」


 と、父さんに聞く。


「天舞流は風紋流と真逆と言ってもいい」

「自然体で戦う風紋流に対して、天舞流は、初見で対応できない角度、動きで攻撃してくる」

「一概にどちらが強い、とは言えないが、やりづらい相手だ」


 なるほどな。

 天舞流は技で戦うのか…と、漠然と理解した。



「さあ、体使いがわかったら、俺が打ち込む剣を受けてみろ」


 そう言うと父さんは僕とシルヴァに、剣を構えさせた。


「1人10秒、2人で20秒持ちこたえられたら合格だな…いくぞ!」


 直後、父さんの体がぶれた。

 右から来る!

 わかって半歩引いて、左に回転しながら受け流そう、

 とした時には、僕は、空を仰いでいた。


 ドン


 背中が地面についた。

 空が青かった。


 続けざまに、ドンとシルヴァも倒れてきた。


「いたたた…」


「くっそー!1発受けられたのに!」


 シルヴァは1発受け流したそうだ。

 相変わらず運動神経がいい。


「レオン、初めてにしてはいい動きだ」

 ニヤリとする父さん。

「シルヴァ、お前は才能がある」(俺の域にまでたどり着けるかもしれないな…)


「うそ!まじ?やったー!」


 飛び回るシルヴァ。悔しい。


「へへへっ!剣じゃ俺の勝ちだな!レオン!」


「まだ、一回目じゃないか!」


 まだまだだ…。

 よし!次だ!父さんの掛け声で、起き上がる。




 ---





 こんな風にして、1日の修行はおわった。

 魔術に関しては思わぬアクシデントがあって、

 思うように勉強が進まなかったが、明日からはうまく行くだろう。

 僕はシルヴァに勝ちたい。

 追いかけるだけの背中から背中を並べられるようになりたい。

 そう、強くおもうのだった。




 ---




「今日はあなたたちの魔力総量を見るわ!」


 そう言って始まった今日の魔術の時間。

 魔力総量の測定方法を説明してくれた。


 1.はじめに水属性魔術の『ウォッシュボール』をつくる。

 2.それを発射せず手の上で、崩壊しないように魔力で維持する。


「以上よ!」


「かんたんじゃん!」


 思わずツッコんでしまった。

 さーて、どうかしらね。と言う母さん。


「じゃあ、レオン勝負な!」

「まけないよ!」


 今日も小さなバトルが始まった。



「「平静なる水の精、我が元に集いて形となせ、『ウォッシュボール』!」」


 僕らの手元に水の球が出来上がる。

 集中すると、魔力が流れて水流が出来ていることに気がつく。


「よゆうだね!」


 そう言うシルヴァの顔には汗が光る。

 僕も体内のエネルギーが、ぐんぐん抜かれるような感じがした。


 …

 結局シルヴァは15分ほどで水球の形を維持できなくなった。


 バシャッ!

 水がはねる。

「くっそー!!!やっぱ魔術はレオンの方がつよいなあ!」


 シルヴァに勝てた!

 ただ、遊びではないので、魔力がなくなるまで続ける。


 …

 さらに15分がたつ。


「おかしいわね…」


 母さんが怪訝な顔をする。


「通常なら子供が30分ももつはずないのに…レオン、あなた一体どれだけの魔力があるの」

「昨日のは全力じゃなかったの?」


 どうなんだろう。

 じぶんではわからなかった。


「わかんっない!」

「まだ続けられそうだけど、やめたほうがいい?」


 と聞くと、続けてと帰ってきた。



 …

 さらに30分ほどで僕の右手の水球は、崩れた。

 母さんは黙っているだけだった。

もう少し長くした方がいいですかね?

コメントいただけると助かります。



登場人物

名前:シルヴァリオ=ゼネス

性別:男

年齢:12歳

種族:人間属ヒューラン

夢:一流冒険者

好き:レオン、クロスナー家の人、じいちゃんばあちゃん

嫌い:親

備考

村に孤児として流れ着く。

それまでにあったことを誰にも話そうとせずにいた。

バオとロイスに引き取られて、育てられる。

二人にはとても感謝している。

運動神経抜群のレオンの兄貴分。


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