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翠玉の魔術師《ヒストリア》  作者: アオルヤ
第1章 少年期編
3/8

第二話 「少年と剣」

 


 目の前にあったのは、

 幹に大穴をあけて、真っ二つになった木。

 そしてさらに、木から5m程遠いとこのにある大岩。

 僕は唖然とした。

 目の前の木が、こちらに向かって、倒れてくる。


「危ない!」


 シルヴァが叫んでいる。

 だが、足が動かない。

 木がまさに僕に迫ろうという時ー



「ー『クロノ、ダウン』ー」



 木は僕の眼前で、止まった。


「すっげー!今の上位属性の空間属性の魔術だよね!?」

「それにそれに、レオンの魔術すごい威力だった!」


 シルヴァは興奮してまくしたてる。


「シルヴァ、レオン怪我はないわね!」


 そんなシルヴァを無視して母さんが言う。


「はい!先生」


「うん、大丈夫」


「話の続きは、お昼ご飯を食べながらしましょう」


「魔力相当量使ったことだしね」



 お昼ご飯はパンに、スライスしたタマネギと、ハムと、チーズを乗せた、サンドウィッチだった。


「ノーラさんはすごい魔術使うし、レオンも俺より凄かったな」


 そう、少し拗ねた顔で言うシルヴァ。

 それに対して母さん


「シルヴァ、あなたも間違いなく天才よ」


 だだ…、と続く


「シルヴァは100人に1人の天才。レオンは10000人に1人の天才だということかしらね」


 そう言って、僕らの頭を撫でる。

 正直どれくらいすごいのかわからないけど、

 シルヴァに勝てたことが嬉しかった。


「シルヴァ、魔術は僕の価値だね!」


 ニイッと笑う。

 シルヴァも拗ねたふりをするが、笑う。


 そんなことを話しながら、サンドウィッチを食べていると、

 ラウスが森から帰ってきた。


「ノーラ!レオン!大丈夫か!」


 ドタドタっと、駆け込んでくる父さん。


「あら、あなたどうしたの?」


「庭の木がぶっ倒れてたから、盗賊にでも襲われたかと思ってな」


 僕が倒した木のことのようだ。


「それならーー」



「レオンがか!?」


 父さんも驚いてるようだ。


「子供の魔術って域じゃなかったぞ!?」

 もぐもぐ、とサンドウィッチを食べながら言う父さん。


「そうかー、レオンがかー」


 なにやら、ニヤニヤ笑う父さん。


「あなた、顔がにやけてるわよ」


 という母さんも笑ってる。


「ラウスさん!午後は剣を教えてくれるんだよな!」


 そんな空気をぶち破ったのはシルヴァ。

 父さんは、そっだったな、と僕らに向き直って言う。


「よし、飯食ったら俺についてこい」


 そう言うと、父さんは家を後にした。




 ---




 修行は村はずれの空き地でやることになった。

 ここミール村は、北東にあるラニア王国と南にあるガロン王国の領境にある。

 貿易商も多く通り、農産物や魔物の毛皮を両国に売れるので、比較的裕福な村だ。

 村の家は30軒ほどで、1軒1軒が広く土地を使っているので、村の面積は広い。

 村のみんなは当然顔見知りで、僕らが空き地に行くまでにも、

 肉屋さんや酒屋さん、それからシルヴァのお爺さんのロイスさんにあった。


「おう、なんでぇてめーら!今日も森に行くんか?」

 地親族ドワーフのロイスさんが加治場から出て来た。


「あ、ロイスさんこんにちは!」


 僕が答える。


「じーちゃん…おどろくなよ?なんと俺ら今日から、剣の修行すんだ!」


 シルヴァは早くも、自慢をしている。


「はっ!しなねぇ程度に頑張んな」


 憎まれ口をたたくロイスさんだが、表情は裏腹に楽しそうだ。


「あいよ、じーちゃん」


 シルヴァとロイスはパンっと手と手を叩いた。


「じゃ行ってくる!」


 そう言ってその場を後にした。




 ---




 空き地に着くと、先に出ていた父ラウスが居た。

 地面には2本の木製の剣、そして父さんがもう一本、木製の剣を持つ。


「きたか…」


 いつもとは違う雰囲気。

 ピリリとするような、張り詰めた雰囲気。



「知っての通り俺は風紋一刀流の剣士だ」

「かつては『風帝剣』なんて呼ばれてたが、お前らに教えるの勿論、風紋一刀流だ」

「まずはどんなことが出来るか見せてやる」


 そう言うと父さんは木剣を構えた。

 そして、近くにあった岩に向かって、横なでに一閃。

 流れるような動きだった。

 岩は4枚にスライスされていた。



「「すっ…げっー!!!」」


 驚いた。

 一太刀で3回の斬撃を行ったのだ。

 しかも、木剣で岩をいともたやすく、スライスだ。


「驚くだけじゃダメだぞ?今からこれをお前らにやってもらうんだからな」


「本当に俺、これ、出来るようになる!?」


 シルヴァが食いつく。


「やる気と、才能…だな」


 母さんと同じことを言っている。

 よし、僕も頑張ろう。


「シルヴァ、はいっ」


 僕は落ちている木剣を拾って片方をシルヴァに渡す。


「サンキュ!」


 受け取ったシルヴァが、ぶんぶん、とふりまわす。



「よし、いいか、まずは心構えからだ」

「俺の剣は風紋一刀流の名を背負っている」

「下手な事は出来ないんでな、本当にやる気があるやつだけがやれ」

「ダメなら今帰ってもいい」


 そう言って僕らを見る。

 僕も、シルヴァも覚悟は決まっている。


「いいな、厳しくやるぞ、音を上げるなよ」

「それじゃあ始める、先ずは剣がどういうものか学ぶ」

「レオン、剣とはなんだがわかるか」



 剣。

 うーん。武器ってことしかわからないな。


「戦う…武器?」


「違う…、剣とはな護るための武器だ」

「己の命、プライド、大切な人を護るために使え」

「相手を踏みにじり、奪い取るために使ってはいけない」


 いいな、と僕らに言う。


「剣を持て」


 僕らは木剣を手に持つ。


「レオン、昨日言ったよな、その重みが剣の、戦いの重さだ」

「シルヴァもいいか、剣を持った瞬間から切った物の全てを背負う覚悟を持つんだ」

「それが戦うってことだ」


 昨日の父さんの言葉は、ふざけてたわけじゃないのか。

 全てを背負う覚悟。

 まだ、よくわからないや。




 こうして僕らの剣の修行は始まったのだった。


登場人物


名前:ラウス=クロスナー

性別:男

年齢:25

種族:人間族ヒューラン

職業:村の警護、森の安全管理

好き:ノーラ、レオン、村の人たち、酒、女

嫌い:権力、貴族

備考

14歳で家を出て以来、冒険者として世界中を飛び回った。

《風帝剣》の二つ名を持つほどの剣の達人。

バカみたいに強いが、女の人に目がない。

なお、ノーラには知りに敷かれている。



名前:ノーラ=クロスナー

性別:女

年齢23

種族:人間族ヒューラン

職業:村のお薬屋さん

好き:ラウス、レオン、シルヴァ、その他村の人たち

嫌い:夫の女癖

備考

元貴族の娘。

家族といざこざがあって家を出、冒険者になる。

魔術に関しては恐ろしいほどの才能を持ち、

世界に使える人が何人も使えない魔術もある。

息子には出来れば安全な暮らしを送って欲しいと思っている。

なんだかんだ言って、ラウスが好き。



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