第二章 氷に閉ざされた街の主③
お久しぶりです。
二ヶ月ぶりの更新となります。
できれば前話から読んでくださいな。
「なんであんたがここにいるのよっ!?」
突如現れ、いきなり怒鳴りつけてきたこの少女は虹原紅亜!
「それはこっちの台詞だろうが!」
対抗して怒鳴りつける俺!
「この、変態覗き魔がっ…!
ここで会ったが100年目!殺す!」
左手に炎の球体を生み出し臨戦態勢に入る紅亜
や、やべえ!また焼かれる!?
「焼き鳥になりなさいっ!」
炎の球体が俺目掛けて投擲される!
…
…あれ?熱い感覚が無いぞ?
「あー、虹原…教室内での竜力の使用は禁止の筈だが…?」
あの気だるげな先生が一瞬で距離を詰め、腕に付いた盾の様なもの…おそらく竜体変幻だろう
それで意図もたやすく紅亜の炎をかき消してしまった。
しかもそのダルそうな目には威圧感で満ちていて紅亜もたじろいでいる。
「てか、お前ら知り合いだったのか。だったら話しは早くて済む。
とりあえず全員席着け。」
教壇に戻って机の中を漁り始める先生。
「な、なぁ天音。あの先生何者だ?
紅亜の炎を簡単に受け止めちまったが…」
ヒソヒソと天音に先生について問う。
「先生ですか?
学園長と同じ上位竜力、通称『龍力』の使い手ですよ。
抗盾龍…あらゆる攻撃に耐性を持つ腕甲を竜体変幻をもつ防御系の力ですね。」
それはすごい。あの気迫も龍の威厳って奴か?
「お、資料あった。
んじゃ、朝のホームルーム始めるぞ〜。」
ふだんあんなにダルそうな先生がなぁ…
「んでだが、この学園付近にある『氷に閉ざされた街』のことは皆知ってるな?」
この学園に来る前にある程度の予備知識はつけておいたので、この位のことは知っている。
フェリシア学園の近くには『エリーゼ』という大きな街がある。
そこが数ヶ月前に突如現れたドラゴンに一晩で制圧されてしまったのである。
街の自衛隊や軍隊では全く歯が立たずにあっという間に、そのドラゴンの竜力の氷で街ごと封じ込まれてしまった。
それ以降エリーゼは『氷に閉ざされた街』と呼ばれている。
「竜魔干渉による凍結が学園付近のエリアまで侵食してきてな…
警戒レベルを引き上げて、学園で対処、まぁ討伐することが正式に決定した。」
ん?嫌な予感がするぞ?
「道の確保と主の竜討伐をウチのクラスが担当することになった。
まあ何故かウチのクラスは神竜能力使いの七人のうち三人が居るからな。仕方ないな。
主竜討伐が神竜能力使い三人。
道確保と道中の雑魚ドラゴンの討伐は他のクラスメイト全員だ。」
ま、妥当だろうな。うん。
つーことは俺は道確保隊か?
「あ、天神兄。お前は天神妹と一緒に行動しろ。実戦から始めた方が育ちがいいからな。」
ファッ!?
「ちょ、ちょっと待ってください先生!!」
案の定だが紅亜が反論を挟む。
「一億万歩譲って天神天音と組むのは良しとするわ!
だけど命の危険があるのに戦闘素人の変態と組むのは反対だわ!
戦闘中にドサクサに紛れて変態行為に移されたらたまったものじゃない!」
さ、散々な言われようだ…
「失礼なことを言わないで下さい。
兄さんの実力はファントム・レイスとの闘いで虹原さんも理解しているはずですが?」
すかさず天音がフォローを入れてくれる。
紅亜もぐっ…と言葉に詰まっている。
「決まったな。
出発は午後からだ。それまでは確実ブリーフィングやミーティング。もしくは竜力をいつでも使えるようにしておけ。」
そのまま教室を後にしてしまう先生であった。
☆○□◇□○☆
とりあえず主竜討伐隊としてのブリーフィングをすることになり、
俺、天音、紅亜で集まる。
まぁ、紅亜は集まるというか話だけ聴くとでも言いたげに隅っこに居座っている。
「そいや、三人って言ってたけど
あと一人って誰よ?」
ふと思った事を天音に尋ねる
「あ、そういえばそうでしたね。
というかそろそろ来ると思いますよ?」
「そろそろ来るとは?」
天音がそこです。と空を指さすと
空間に穴が空く
そこから可愛らしい少女がひょっこりと顔を出す。
「あ、おはよぉ天音ちゃん〜」
間延びした声で挨拶をする女の子。
「月詠さん、遅刻ですよ。」
それを見て、普通の対応をする天音。
いやいや、ちょっと待とうか。
空間に穴が空いてるんですが!?
どこから突っ込めばいいのよ!
「紹介します。学園内第五位の神竜能力使いである、月詠優姫さんです。優姫さん、この人が私の兄で新入生の天神空斗です。」
「あぁ〜よろしくねぇ。きみがそらと君かぁ。」
うん。そんな穴から猫みたいな顔で挨拶されても…
てかこんな娘が神竜なのかよ!?
しかも5位…紅亜より上なのか。
「いま失礼なこと考えたでしょ。」
氷のナイフを俺の首筋にあてる紅亜。
ヒィ!何故わかったし!
「あ、あ!そうだ!
月詠さんはどんな竜力使うんだ!?」
話を逸らすために月詠さんに話を振る
「優姫でいいよ〜
私の力は創神竜。あらゆるものを簡単に創ることができる力だよ〜」
それって凄くね!?
てかチートだろ!
「ただ、この娘想像力が壊滅してるのよ。
優姫、スグに剣を創り出して。」
「ふぇ!?ちょ、ちょっと待って!」
紅亜が話に入ってきたと思えばそんな事を優姫にふる。
すると虚空に靄がかかり、そこから一振りの剣が落ちてくる。
俺の目の前に。
「ぎゃああああああ!」
咄嗟に回避する俺!
いきなり殺されるとこだった!!
「この剣見てみて。」
床に刺さった剣を抜き俺に見せてくる紅亜。
剣を改めてみると…
見た目は剣だ。かなり業物であることが素人目で見てもわかる。
しかし、なんで先っちょがフライ返しになっているのだろう…
なるほど。確かに咄嗟の想像力というか発想力が壊滅していることが理解できた。
「ゆっくりやればやれるんだけどなぁ…」
うーん、と唸る優姫。
「まあ、これでも竜力自体は紅亜さんより上なんですけどね。」
チクリと棘のある言い方をする天音と言い返せず言葉に詰まる紅亜。
「な、なによ!あんただって直接的な攻撃力無い癖に!人のこと言えるの!?」
「それでも私は3位ですが?」
ぐっ…と再び言葉に詰まる紅亜。
そのあともこの二人は喧嘩を続けていた。
こんな調子で大丈夫なんかね…
そのまま出発の時間である正午になってしまった。
続く!
とうとうダンジョン化したエリーゼの街へと進軍!竜の魔氷が空斗を襲う!?
次回!第二章 氷に閉ざされた街の主④
乞うご期待!!