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第一章 紅色の虹⑤


うーん、ここは?

真っ暗で…動けない…


「ん?」

両腕に違和感を感じ目を開ける


その腕には

漆黒の鎖が巻きついていた!


「なんじゃこりゃ!?妹は!?あと紅亜!」

身動きが全く取れないのでその場で叫ぶしかない


「クク…目が覚醒()めたか…」

「!? 誰だ!?」


眼前の闇の渦の中から黒衣を羽織った一人の男があらわれる


「そう慟哭()えるな…すぐにお前は真実を知る…」


なんだこいつ…言い回しがアレだぞ…

漆黒のフードを外したその顔は


俺だった。


「俺ぇええええええええええええ!?」

「煩いぞ貴様。俺の真銘(まな)は…そうだな、プルートとでも言っておこうか」


やめて!俺の顔でイタい台詞を言わないで!

クソ恥ずかしい!こういった事は中等部で卒業したのに!


「お前は一体なんなんだ!?俺をどうするつもりだ!」

「お前は力が欲しいと願った。俺はその願望(チカラ)が具現化された存在…ゆえにお前の体を貸してもらっている。」


確かに願ったけど…闇の人格が欲しいなんて願ってないぞ?


「見てもらった方が早いだろう。」


プルート(?)の手の上から黒いオーラが伸び外の様子らしきものが映しだされる。


○◇□☆□◇○


「何よ…この竜力は?」

「わかりません、ただ兄さんは蒼い風の竜力を持っています。少なくとも『兄さん」という存在では無いです」


目の前の空斗は漆黒の竜巻を纏い

幽黝竜を見据えている。


「クク…忌まわしき邪なる竜よ…この俺が滅してやるから覚悟するかよい…」


「あと、兄さんはこんな台詞いいません。」

「ごめん、あいつのことさらに嫌いになったわ」


ああ!ただでさえ低い俺の好感度が!

違うの!そいつは俺じゃないの!


俺の心の叫びなど聞こえる訳もなく

幽黝竜の口腔の闇の竜力が放射される!


「兄さん!」

「効かんなぁ!」


漆黒の竜巻が一瞬にして巨大化し

漆黒のブレスを呑み込んだのだ


「吸収した…?」

紅亜が呆然と呟く。

「竜力を吸収するなんて…そんなことあり得ないです!」


漆黒の竜巻をその腕に纏わせ幽黝竜に突撃し、いともたやすくその強靭な甲殻を打ち破る!


「言動はアレだけど、竜力はすごい…」

紅亜が歪んだ感心をしている。

お前はもっと素直になれよ…


腕甲を打ち砕かれた幽黝竜は翼を広げて空高く飛翔し、空の彼方へと消えてしまう。


「逃げたの…?」

「竜力反応は遠ざかっているので多分…」


○◇□☆□◇○


「…なぁ、逃げたんなら身体返せよ」

「あぁ、そうだな…」


○◇□☆□◇○


ッゴゥッ!


突如として空斗の漆黒の竜巻が大きくなる!


「ちょっ!?アンタ!もう竜はいないわよ!?」

「これは…暴走?」


○◇□☆□◇○


「ってどういうことだよ!?」

「あれ?っかしいな?」

頭を掻きながら呟くプルート


「あー、あれだ


慣れない竜力をいきなり使ったから身体が耐え切れてなく暴走してるんだ。」



○◇□☆□◇○


「この竜巻…周りの竜力を…吸い取ってる…?」

膝をつきながら呻く天音

「虹原さん?」


ふと横をみると紅亜が倒れている


「虹原さん!?大変、回復を…!

治癒(ヒーリング)(ブライト)


あれ?」


紅亜は倒れているが、様子がおかしい


「…んぅっ、ふぁ、んっ…」


まぁ、


端的に言えば


股を抑えて喘いでいる。


「ちょっ!?虹原さん!?何おまた抑えて喘いでるんですか!?兄さんの物語を発禁モノにしたいんですか!?」


あまりにも予想外の出来事にキャラのブレたツッコミをする天音


「ちがぅ…ッ…の、何か…ここからッ…ふぁっ、竜力が流れっ…」


息も絶え絶えに言葉を紡ぐ紅亜


「竜力が吸い取られてるだけ…?


…とりあえず兄さんを止めましょう」


漆黒の竜巻に向けて手をのばす天音


瞬間睡眠白光(スリーピングホワイト)!」


一瞬にして漆黒の竜巻が消え去り

その場に倒れ伏す空斗


「私の最高クラスの睡眠魔法…

効いてよかったです…」

「っ…はぁ、助かった。」

「とりあえず学園に戻りましょう…」

続く!


なんとか最初の危機を回避した三人

とうとう学園に入学する空斗

新たなる出会いと戦いが幕を開ける!

次回第二章 氷に閉ざされた街

近日公開予定

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