第一章 紅色の虹④
決着がついた。
俺たちは学園へ向かうため、妹の運転する竜力で動く車に乗って移動している。
「だからさぁ、ごめんって」
「ぶっすうううううううう…」
此奴は俺のせいで負けたと思っているらしく
車に乗ってから口をまったく聞いてくれない。
「ま、どちらもまだまだ修行が足りないと言う事ですね。」
うぅ、妹が手厳しい…
「てかお前、竜力動車いつ運転できるようになったの?」
「この学園では竜力動車の運転方法の勉強は必修科目ですからね、この学園に所属してる生徒達は全員運転できるはずです。…勉強していれば、の話ですが。」
チラりと紅亜の方を見る天音。
「…お前もしかして…運転できないの?」
「ふあっ!?ううう運転くらい!出来るに決まってるれみょっ!?」
とんでもない噛み方しやがった。
こいつ…確信犯か!
「てか!あんたもできないでしょ!そうでしょ!そうだと言いなさいよバカ!」
「いや、俺この学園今日来たばっかだし…」
「ほら出来ないじゃない!バーカバーカ!」
くっ…うぜぇ…!
「お前だって運転出来ねぇじゃねぇか!俺より先輩のはずの紅亜さんは何故運転出来ないんですかねぇ!?バーカバーカ!」
「うるさいうるさいうるしゃい!バーカバーカ!」
俺と紅亜の小学生のような喧嘩が始まる。
しかも、こいつまた噛みやがったし…
「あの…お二人共、煩いですよ?即刻叩き降ろしますよ?」
出たー!天音さんのMK2(マジでキレる二秒前)!
「あ、すみません….実の兄を落とすのは勘弁して下さい…」
シートの上で土下座する俺。
「こいつが悪いのよ!あたしは悪くない!」
シートの上で悪態をつく紅亜。
「はぁ…」
溜息をつき、運転のため前を向いてしまう天音。
しばらく森の中を走る竜力動車。
てかこの竜力動車、オフロードタイプだすげぇ。
ふと、ピリッとした空気が車内に走る
「…!? 高竜力反応…?」
「はぁ?こんな森の中に?何かの間違いでしょ、早く帰るわよ、お風呂入りたい。」
「いえ、この反応は人のものではありません…まさか!」
突如急発進をする竜力動車!
「どっ、どうした天音!?」
「明らかに人の竜力値を超えています!これはやはり…」
窓から上を見る俺と紅亜。
そこには-----
空を覆い隠す闇の翼
空間をも断ち切りそうな歪な顎
森を両断しそうな鋭さをもつ爪
「お前っ…これ!言うなれば!古に伝…」
「ドラゴンじゃない!」
紅亜に決めゼリフを潰された…
「しかもこれは、危険レベルSランクの幽黝竜ファントム・レイス…!まともに戦える相手じゃないです!逃げますよ!しっかり何かに捕まっていてください!」
「Sランクって…なんでこんなところに…」
こちらは車、相手は空を飛んでいる。
まったく離すことが出来ていない!
「虹原さん!ドラゴンに目くらましをお願いします!」
「分かったわ!耳と目を塞いでなさい!」
おお!二人が協力した!?
今晩は雪だな!
「閃光爆音弾!」
紅亜が光輝く球をドラゴンに向けて放り投げる!
って…ゑ?
辺りに撒き散らされる轟音と閃光!
「うわぁあああああ!目が!目がぁああああああああ!?ついでに耳がああああ!?」
「やった…!?」
はい、無視ですか。
わかってましたけど。
明らかに真っ直ぐこちらに突っ込んてくる漆黒の竜。
「って、効いてない!?」
「あれほどの光量を受けて…」
ドラゴンが咆哮し、黒い霊が無数に放たれる!
「ん?以外としょぼい攻撃…」
ふわ〜っと飛んできた霊が近くの岩山に触れる。
霊が急激に膨張し岩山もろとも大爆発を起こす!
「しょぼくねぇ!?以外とエグい!」
「ちょっと!?あれ数百は出てるわよ!?」
「わかってます…!」
天音の苦労虚しく、漆黒の霊が車に触れてしまう
あぁ、俺、死んだのか…
「…瞬間移動魔法陣起動!」
「っぶはぁ!?生きてた!」
天音の竜力によって九死に一生を得る。
しかし幽黝竜がこちらの居場所を理解しているかのように飛んでくる。
口腔には漆黒の竜力が集まっている!
「あれは…ブレス…!?」
「さすがに私の竜力でも防ぎきれません…!」
悲鳴に近い声を出す二人
死ぬ…
俺も…
紅亜も…
愛しいの妹、天音も…
嫌だ…
妹を…
皆を護れる力が…
「欲しい…!」
そう叫ぶと幽黝竜の漆黒の竜力が自分に流れ込んでくる!
「に、兄さん!?」
「あんた!何を…!?」
女の子を護れなくて…
何が男だ!
自分の影から風が巻き起こり始め
俺の体を漆黒の竜巻が包み込む!
「あああああアアアアアア!」
-------目覚メヨ、冥天竜---------
続く!
冥天竜の力が覚醒した空斗vs幽黝竜ファントム・レイス!
極限の戦いは予想外の方向へ!
次回 第一章 紅色の虹⑤
近日更新予定!