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ソウルリンカー  作者: クロネコにマタタビ
0章
3/14

第2話 End roll (2)

今回は話に人死にがあります。

苦手な方はご注意下さい。

気温は暑くてだらけそうになるのに、なんで晴香ちゃんの手は暖かいんだろうな~。柔らかいな~。幸せだな~。

などと煩悩だらけの思考をしながら帰っていると、ふと晴香ちゃんが話しかけてきてくれた。

「先輩。先輩の手って暖かいですね。私、幸せです!」

なんと、僕と同じ事を考えてくれたようだ。僕はそんな事が嬉しくて自然と顔が綻んでしまった

「僕も同じ事を考えていたよ。このままずっと手を繋いでいられたら幸せだな~って。

あっ、そう言えば髪の毛少し切ったんだね。髪留めも見たことないやつだし。とっても似合ってるよ」

晴香ちゃんは感情表現が上手なので、コロコロと表情を変えてくれる。今も少し驚いた顔をして、そして笑顔になってくれた。

「やっぱり先輩ってすごいです。他の友だちは私が言うまで気づいてくれませんでした」

「そうかな。晴香ちゃんは判りやすいと思うんだけどな。僕も他の娘だったら判らないや」

「そうですか。それはすごく…すごく嬉しいです!先輩、大好きです!!」

晴香ちゃんは自分の気持ちをこうやって言葉で伝えてくれるすごい娘なのだ。大好きって言われるとちょっと恥ずかしいけれど。

自分も見習おうとは思うのだけれども、なかなか直接伝えることはできない。僕の最近の悩みの一つだ。

「大丈夫です。先輩の気持ちはちゃんと伝わってますから!」

繋いだ手をぎゅっと握りしめてそう言ってくれるから、僕は甘えてしまうのかもしれない。


そうしてマンションの近くの通りを歩いていた時だ。

「あれ、先輩?あの子…」

「ん?どうしたの?って、危ない!!」


-- そう。この時だ。この瞬間ははっきり覚えている。 --


「先輩っ!」

公園で遊んでいた子供がボールを取りに道路に飛び出したのだ。

そして、タイミング悪く、道路を法定速度オーバーで走っているであろうトラックが近くに来ているのを見てしまった。

「くっ、間に合え!」

全ての世界がスローになる。

後のことなんて考えず走りだす。

道路の真ん中でボールを手に呆然とトラックを見ている子供を無我夢中で突き飛ばす。

“猛スピードでゆっくり近づいてくる”トラック。驚いた顔をしている運転手。手を前に出したまま立ちすくんでいる晴香ちゃん。

衝撃。そして回転。縦回転から横回転へ。地面に3回打ち付けられる。

不思議と痛みは感じなかった。いや、体中の感覚が全くなかったか。

明滅する視界。

…そして世界は元の速度に戻る。

「いやぁぁぁぁっ!」

叫ぶ晴香ちゃん

「おい!大丈夫か。しっかりしろ。今救急車を呼ぶ!」

トラックの運転手であろう人の声。

「うぁぁぁぁん!!」

子供は…良かった無事だ。

そうだ、最後にちゃんと晴香ちゃんに伝えないと。そう思い手をのばす。

「は るかちゃん。」

「先輩!」

手を握ってくれる晴香ちゃん。あぁ手が汚れてしまった。

うまく喋れるだろうか。

「い いままでありが とう」

「何をいきなり!?先輩!」

一番の目標を達成したいと思ったんだ。

「それと けふっ ごめんね。こんなわかれかたで」

「これからも一緒ですよ先輩!颯太さんっ!!」

体から血と共に生きていくための要素が抜けていくのが判る。

「ぼ ぼくの こと わすれてくれると うれし い かな」

「無理ですよ! 颯太さんをを忘れるなんて無理ですっ!!」

真っ先に考えたことはすぐに断られた。だから…言葉を伝えなきゃ。間に合ううちに。

「そっか はは そういってくれると やっぱ り う れしい な。

でも はるかちゃ んには しあわせ になって ほしいから…」

「一緒に幸せになりましょうよぉ」

力が入らない。

もう目も見えない。

でも、後ちょっとでいいんだ。

「うん ゴホッ ぼく も そのつもりだ ったんだけど ね  

 でも むり みたい だから は はるかちゃん だけでも しあわせに なって

 ケフッ だいすきだよはるかちゃ ん…… 」

「颯太さん?颯太さん!!いやぁぁぁぁっ!」



…そう。僕はあの後の記憶がない。だから死んだと思ったんだ。

もし生きていたとしても僕は半身不随なり何なりのペナルティを負って病院で寝ているはずだ。

だから今健全な体でここにいる僕は多分“転生”か夢の住人なんだと思う。



残念ながら転生モノとしては人死にはさけられないです。


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