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はじまり

雨が止まない。今日は1日天気悪い。

アキラの誕生日だから盛大に祝おうとホールのケーキを用意したのに。

携帯が震えた。おそらくラインだ。

見てみるとアキラから遅れるというラインの通知だった。

私とアキラは幼なじみである。

めちゃくちゃ仲は良いが付き合ってはいない。

そういう微妙な立ち位置である。

コーヒーを入れてゆっくり待つことにした。

また携帯が震えた。今度は電話である。

「もしもしアキラ?」

無言である。

確かにアキラからの電話なので人違いということはない。

「アキラ?」

「俺はガイラ、はじめまして、あんたが源真依だな」

「誰?ふざけてんなら切るよ?」

小さくか細いアキラの声が聞こえた。まさか何かしらの事件にアキラは巻き込まれたのか。

「あんたアキラに何したの?警察呼ぶよ」

ガイラという男は嘲笑う。

「あんたはパラケルススの生まれ変わりなんだよ。わけわかんない話だろうが。とりあえず聞けよ?パラケルススはわかるか?」

わかるわけないだろ。誰だよそれ。

「アキラは無事なの?」

「おい、話を遮るな。次やったらアキラの指を一本ずつ折るぞ」

「パラケルススはわからないです。すみません」

「錬金術の創始者と呼ばれた人物だな。それがあんただ。生まれ変わりの時に記憶の全てを別の場所に保存してある。その記憶とあんたの肉体が一緒になった時あんたは世界を手に入れることが出来る」

「私は世界なんて入りません。お願いします。アキラを返して下さい」

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