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レベル1の魔王様  作者: 猫屋敷 魂
第1章 魔族探索編

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四話 ~秘密のレシピ~

あけましておめでとうございます。

良い一年でありますように!

                    04.


「すまない。」


荒れた店内。昨夜、厄介になった食堂。木造の床に俺は頭を擦りつけ、土下座をした。


「何を言っておる。美味いといっておろう。」


謝罪先の相手。魔王様はもぐもぐ。目玉焼きを食べながら俺にそう言った。


「いや、だけどソレ何の味もしないだろ?」


そう。俺が作ったソレは何の味付けもしていない。強いて言うなら塩を少しまぶした

くらいである。何故と言えば塩しか調味料がなかったからだ。

大口叩いた割にこの程度の料理しか食べさせてやれない故の土下座である。


「昨日のシチューはどうやって作ったんだい?」


思えば昨夜のシチューは素材と塩だけの味付けと説明するには美味すぎた。

魔界特有の味付けがあるのかもしれない。なら、もう少し早く聞くべきだった。 

聞かぬは一時の恥。知らぬは一生の恥とも言う。


「ん、あ?特に何もしておらんが?普通に具材ぶち込んで。粉と魔獣のミルクでルーを

作って。煮込んで終わりじゃ。」


「それだけ…?」


「それだけゃ。」


そんな筈はない。確かにあのシチューには 旨味 があった。

把握してないだけで魔王様は自然に旨味ダシをとっていたのだ。

今の説明をよく整理するんだ。その中に情報こたえはききっとある。



「…煮込んだ?」


魔王様が教えてくれたのは一般的なシチューの作り方だった。だが、元の世界でも肉から

旨味は出る。つまり昨日のシチューは煮込まれた具材から旨味が出たのではなかろうか?

…いや。ソレだけではあの味にはならない。粉というのは元の世界でいう小麦粉

みたいなモノだろうし。ミルク…。


「モルガナちゃん。ミルクを少し貰ってもいいかな?」


「あぁ…。ただ、時間が経っておる。生で飲むのは危険じゃぞ?」


「あぁ…。そうなのか?」


「店主は腐っても保存が効く食材ばかりを遺してくれおった。ミルクも時が経てば

固まり。バターというヤツになるらしい。」


腐っても使える?


「発酵か…。」


確かにあった食材はどれも干からびていたモノばかりだった。

コレなんか干しシイタケそっくりである。というかキノコ多くないか?

そういえばシチューの具材のほとんどはキノコ類だったような…。


「そうかっ!食材から旨味をとっているのか!」


化学調味料を使った料理しかしてこなかったから気付くのに遅れた。

一流の料理人は調味料を使わない。素材だけで味を構成させると聞く。

ソレは化学調味料が主流となる俺等の世界だから物珍しく。評価が高い。

だが、この世界ではどうだろうか?


「モルガナちゃん。変な事、訊くけど。

醤油とかマヨネーズって知ってる?」


「なんじゃそれ?魔法か?」


やはりそうか。この世界での料理は旨味を素材から取る。云わば、皆がプロの料理人。

ならば元の世界で蓄えた知識が役に立つ。

物珍しいは客を呼べる。


「なんじゃ?その表情かお。気色が悪いな。」


元の世界でも偶に言われる。良いアイディアが浮かんだ時、表情に出るのだとか。


「あ?ごめん。怖がらせたかな?」


いつもは気を付けているが。幼女しかいない状況が気を緩めたのかもしれない。

この表情かおは気を赦した者にしか見せないようにしている。


「いや、怖いといか。なんじゃ。主のその表情かお。お父様に

よく似ておる。」


「モルガナちゃんのお父様? …あー。でも、まぁ。そうか。

よく言われるからな。」


言われて少し納得する。この表情かおを初めて見た者の殆どは

こう言うからだ。 


「悪魔のような笑みだって。」


「ぷっ…。」



何故かモルガナちゃんは笑う。そんな可笑しな事は言ってないと

思うんだが…?


「あはははっ。やはり、私の召喚術は成功したのじゃな!立派な悪魔を召喚出来た!

やったぞ!あはははっ!」


この表情かおを見せて笑われたのは初めてだ。

普段、仕事上で使う繕った笑みしかしていなかったせいか。何故か悪い気はしなかった。


…いや、というか今更だが。モルガナちゃんは俺を何者だと思ってるんだ?

人間に恨みを持つ人間おれを簡単に信用し過ぎではないか…?

魔王だというモルガナちゃんも耳が尖ってるのと目が紅いという事、以外。

見た目は普通の人間と何ら相違ない。まさかとは思うが

モルガナちゃんは俺を人間以外の何かだと思ってるのではなかろうか…?


「モルガナちゃん。今更だけどお互い。改めて自己紹介をしないか?」


良い機会だ。俺もこの子についてまだよくは知らない。

俺が人間だと言えば少し面倒な事になる可能性は十分にあり得る。

が、爆弾は早めに処理した方がいいにい決まってる。


前に話した俺が何者なのかという情報は省かせて貰うと

了承を得た後、少しの間を空けた。


どうやら俺も少し緊張してるらしい。短い付き合いだが、俺はこの子に

嫌われたくないと思ってるのだ。


すぅ…。


短く息を吸い、俺は口を開く。


「モルガナちゃん。改めて言うよ。俺は悪魔でも魔族でもない。只の人。

君が憎むべき対象である勇者等と同じ。   人間だ。 」


少し。シリアスな展開にしてしまいました。

次回はお互いの自己紹介になります。…多分

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