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レベル1の魔王様  作者: 猫屋敷 魂
第1章 魔族探索編

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三十五話 ~砂漠の国 オアシス ~

                      35.


数年前。突如、現れた勇者等一向。始めは五十人前後いた人数も今ではその数は半分以下。

中でも魔力量。身体能力。贈り物(ギフト)がずば抜けていた者。

アスフォルト・ロイは常に前線に立ち、多くの魔族を葬ってきた。



ドォォォーーーンッ!!!


爆音が辺りに響き渡る。何度目か分からない。勇者、アスフォルトが壁にその身体を

強く打ちつけた音である。


「……」


しかし、アスフォルトにダメージは殆ど無い。衣服に付いた土埃を軽く払うと

無言で立ち上がる。


そんな姿が気に食わないカルマは再度、アスフォルトへ攻撃を仕掛ける。


爆炎で生まれる爆風を利用しての高速移動。カルマは全身の魔力を全て体外に放出。

ソレを炎という形に変換させ纏わせている。

故に燃える衣服を羽織っている状態が完成しているのだ。


しかし、ソレはただのパフォーマンスではない。

体外に放出した魔力を纏う事でカルマの身体能力。魔力コントロールの速さ。

その全てが大きく向上する。


つまりカルマの技は全てにおいてワンランク。レベルアップするのだ。


だから、幾ら勇者といえど初見でそのスピードを目では追えない。

いや、追う事ができても対応が間に合わない。


アスフォルトが何度も吹っ飛ばされている理由はソレだけだった。


つまり…。


「…チッ。」


爆風による高速移動から繰り広げた高速の蹴りを完璧に避けられ。カルマは思わず

舌打ちを鳴らす。


「君の動きは単調だ。もう飽きた。」


淡泊に言葉を放つと同時。アスフォルトはカルマの胸部に右手を添える。


衝撃波(インプルス)。」


「…クッ」


アスフォルトの手から繰り出されたのは掌底。ソコに自身の魔力と氣を籠めた打撃技。

その威力は言うまでもない。カルマは耐え切れず後ろへと吹き飛ばされた。


「…ッチ。ただの打撃になんつー威力だ。アイツの強さ、昔の比じゃねぇ。」


ダメージこそ軽かったがアスフォルトはまだ余裕が見えた。

つまり。ほぼ全力のカルマにアスフォルトは実力を隠して相手してるのだ。


「舐めやがって。」


頭に血が上っているとはいえカルマは冷静だった。

さっきまでのスピード任せの攻撃は既にアスフォルトには見切られている。

その事をカルマはしっかりと把握していた。

更にスピードを増しても、同じ事の繰り返し。


この短時間の間。カルマはアスフォルトの贈り物(ギフト)や戦闘スタイル。

魔力の属性。を見抜いていた。


そして導いた解は長期戦でなく短期戦。一撃で仕留める事にあると踏んだ。

だからこそ出し惜しみせず、カルマは切り札を切る。


「…命を燃やす(サクリファイス)。」


瞬間。カルマの魔力が増幅する。


「…へぇ。」


コレには無表情を貫いていたアスフォルトも一目置き、言葉を漏らした。


「嬉しそうですね。」


それまでずっと傍らにいたリオンがアスフォルトの変化に気付く。


「彼の全力には俺も全力で応えないと失礼かな?」


「ようやく抜刀なさるので?」


アスフォルトはリオンの言葉の前、既に剣を抜いていた。

その刀身は金色に光を放ち。闇夜をその光で照らす。


流動(フルーメン)…」


アスフォルトがそう口にすると剣は更に光を増幅させる。

ソレは彼の魔力が剣に注がれ、一点に集中された事を意味する。


「はぁ…はぁ…。嬉しいねぇ。奴も全力で向かい撃ってくれるってか?」


息を切らし、カルマはようやく本気になってくれたアスフォルトに笑みを返した。

ソコに数多くの怒りは勿論、あったがそんな怒り(もの)は今の彼に

抱く余裕はなかった。


カルマのこの技は文字通り。命を犠牲にした(もの)だった。

心臓から排出される魔力循環速度を上げ、魔力量の増加。身体能力の底上げ。

全てのパラメーターを外す、リミッター外しの荒業。


当然、長くは持たないし。常人では発動した時点で死に至る意味のない禁術。

全てが頑丈で、特殊体質である竜人(カルマ)だから出来た芸当だった。


竜神の怒号(ワイバーン イーラ)ッ!」


カルマは身に纏う全ての魔力を掌に収縮し、ソレをアスフォルトに向けて放出した。


神王の一閃(ケラウノス)


対してアスフォルトは剣に籠めた全ての魔力と氣を掛け合わせた大技を繰り出す。


両者。全力と全力のぶつかり合い。

光の斬撃と灼熱の炎。


その二つはやがて衝突し、衝撃波で辺り一帯は吹き飛んだ。



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