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レベル1の魔王様  作者: 猫屋敷 魂
第1章 魔族探索編

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二十三話 砂漠の国 ~オアシス  潜入~

                    23.


魔族の総人口は不明とされている。コレは旧魔王ですら知らない。魔界に住んでいた人口数は

数千名だったが、魔界にいなかった魔族もいた。ゆえにこの世に魔族がどれ程いるか。

その確かな数字を知る者はいなかった。



「良かったのぉ?地図、渡しちゃってぇ?」


時刻はすっかり夕刻を迎え、夜が近付いていた。

街は昼間程の賑わいは無く。閉めている店もチラホラと見える。

俺達は店を出て、今は聞いた情報を頼りにとある場所に向かっていた。


「アレはただの地図だ。」


言って、リュックから攻略経路・・・・が示されてある地図をロデー等に見せる。


「あぁ。なるほどぉ。」


そう、俺が彼等に渡したのは蟻の砂漠。極寒の地。迷路の洞窟。魔獣の森。

ソレ等、攻略経路が示されていない地図。つまり役には立つが、時間が掛かる地図だ。

それでも人間にとって、形あるマップは希少なのだろう。


「まぁ、交渉の材料はまだあったんだけど。一番、安く済んで良かったよ。」


マップが出回ってる可能性もあった訳だ。そうであったらこっちの攻略マップを渡す手筈

だった。

どのみち、全人類を魔界に呼ぶ事にしている。ソレが早いか遅いかの問題だ。

とはいえ、このマップを今。渡すのは俺も良い気はしない。


「ところで、そいつ等の情報は信じていいのか?」


地図を渡したのが気に入らなかったのだろう。モルガナちゃんの不機嫌そうな声が耳に痛い。


「まぁ、行ってみない事には分からないけど。嘘をついている様には見えなかった。」


嘘を見抜く目はそれなりに肥やしてきた。あの二人の会話や仕草に不審な点は

見受けられなかったし、信用してもいいだろう。


「でも、不思議だよねぇ。その二人、国兵だったんでしょ?ならどうしてソイツ《・・・》を

捕まえなかったんだろぉ?」


「あー、それなんだが。正確には捕まってるんだと。ただ、性格に難があるらしく

買い手がいなかったとか。その癖、丈夫なもんだから拷問にも飽きられて今は

地下牢に幽閉されてるらしい。」


俺が聞き込みに対し、二人に提示した条件は一つ。

会話が可能な魔族であう事だ。


「ふーん。牢屋って私達も入れるのぉ?」


「この許可書を見せれば入れるらしい。今日限りの使い捨てだけどね。」


許可書には抜かりなく。今日付けと書かれてある。その下には、リオン・アヴァネルア。と

記載された署名。あの二人であの少年の方が権力は上らしい。


「で、主は何を考えておるのじゃ?まさか、本当に話すだけなのか?」


もう、短い付き合いではない。モルガナちゃんも俺の思考を読むのに長けてきた。

勿論、会話をするだけに大事な地図を渡す訳がない。


魔界を出た目的は。二つ。

一つは人間の街を見ること。もう一つは魔族を魔界へ連れて行く事だ。


「モルガナちゃんもだいぶ、俺の事を分かってきたね。」


「ばっ!そんなんじゃないッ。…ただ主がそれだけに大事な地図を渡したとは考えたく

なかっただけじゃ。」


やはり、地図を渡したのはかなり気に食わなかったらしい。

アレは魔族が犠牲を払って書き記した地図だ。当たり前か…。


「大丈夫。それ以上の価値にはするつもりだから。」


だから、安心してと。俺はモルガナちゃんの頭を撫でた。


と、そうこうしてる内に目的地に到着した。


「間近で見ると大きいねぇ。」


ロデーはそう言って、目前の王宮を見上げる。


「何者だッ!ココは一般の者が近付いていい場所ではないぞ!」


お約束の台詞を門番の二人が浴びせてくる。

俺は貰った書類を見せる。

二人は書類の署名を見ると、態度を急変させた。

やはり、あの少年はこの国で大きな権力を持つ者らしい。


その牢屋は王宮の中にあるらしい。長い階段を降り、ようやくソコに辿り着いた。


「では、私はココにいますので終わったらお声掛け下さい。」


看守の者はそう言うと、数キロ離れた場所で足を止める。


「どんな奴なんだろうねぇ?」


ロデーのおっとりした声はぶれない。


「少なくともこんな所に一人で監禁されてんだ。只者じゃないのは確かだと思うけど…」


「……」


ロデーとは対比で俺もモルガナちゃんも緊張している。それもその筈。

目前の牢から放たれる異様な空気は明らかに常人ではない。

まだ、暗くて中は見えないがとんでもない奴だというのは感じ取れた。


ザッ。


牢前まで来たが中にいる男は何十もの鎖に撒かれ、身動きという動きがとれない

状態だった。

体は痩せこけ、赤い髪は伸びきっている。

長く、ココに監禁されているのだ。


「あ、あの?俺達、魔界から来た者なんですけど少しお話できませんか?」


看守に聞こえぬ様、声に配慮を忘れない。


「…魔界だと?」


小さな声が聞こえたかと思うと。それはいきなり大きな笑い声へと変わる。


「ははははッ。面白いッ!面白いなぁッ!」


衰弱してるとは思えない程の大きな声。そんな男の顔がゆっくりと上がった。


「なぁ、お前等。俺をココから出せよ。」


その男はびっくりするくらいの美しい顔でそう言った。



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