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レベル1の魔王様  作者: 猫屋敷 魂
第1章 魔族探索編

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十話 ~集会~

                     10.


魔王によって命を奪われた者は多かった。ソレは何も国兵や騎士だけではない。

勇者も何人も犠牲となっていた…。


「スネーク、久しぶりぃ。元気だったぁ?」


長い廊下を抜け、広々とした部屋に案内されたイヤーは既にいた

かつての仲間に明るい声を発した。


「ラヴィットは相変わらずやね。引退してからまたアクセサリー増えたんやない?」


そう言ったのは黒髪ショートの小柄な女性だ。目が細く、腰に差している剣も

細い。彼女の持つレイピアを目で追える者はこの世に多くないだろう。

彼女のもまたかつて勇者と呼ばれた一人。名をスネーク・ヤマカと言った。


「スネークは変わらないねぇ。もう闘わなくていいんだからもっと

おしゃれしたらいいのに。スタイルいいんだし勿体ないよ!」


「知っとるやろ?私の仕事。」


ヤマカは細い目を更に細め、薄く笑ってみせた。


「まだ、やってんの殺し屋の仕事?魔王討伐の報酬で脱退

出来なかったの?」


「まぁ、出来ん事もなかったんやが。性なんやろな。退屈なんや、普通ってのは。」


二人の間に少しの沈黙が流れる。


「…死なないでよ。」


イヤーは短く。そう伝えた。


「誰に言っとるんや。」


かつての親友は二人。何も言わず、静かに笑う。

そんな姿を遠目。イヤーと共に来訪したキングは眺めていた。


…何、話してるんだろ?てか、来てるのは全員じゃないんだ。

もう少ししたら来るのかな?


長い廊下を抜けた先。ただっ広い部屋にはかつての仲間が五名いた。

キングも挨拶だけは既にすませてはいたが、この性格。

世間話に華を咲かせ、盛り上がる事はなかった。

ゆえに来て早々。壁際で皆の行動を観察していたのだ。


ギィィ…


皆の視線が開けられた扉に集まる。


「やぁ、勇者諸君。急な集会で申し訳ないね。」


頭に王冠。指には指輪。赤いマントといった風貌で登場したのは何を隠そう

この宮殿の主。アイアン王であった。

今年で五十を迎えるというのに見た目は二十代と言っても通用するレベル。

国民からは若返りの魔法を掛けて貰ったのでは?と噂されていた。


そんな王は中央を堂々と闊歩し、短い階段を上る。


「はぁ、来たのはコレだけか。」


玉座に腰を下ろし、部屋を一望した王は短い溜息を吐いた。


「まぁ、いい。約束の時間だ。今いる者等に伝えるとしよう。来てない奴等には

私が追って連絡する。」


「王様ぁー。ボクが皆を呼んできましょうかぁー?」


そう言ったのは、小さな子供である。大きな瞳に栗色のショートヘアーが似合う少年は

勇者の中でも一に幼く。だが、誰よりも頭が良かった。


「僕なら数分あれば皆の位置を特定できるし。転移魔法でサッと行って

パッと連れてきますよ?」


コレが本当に出来るからこの少年は恐ろしい。口には言わないが

この場にいる全員がそう思っていた。


「いや、いい。そんな事をしたら私が嫌われてしまう。残りのメンバーには

さっきも言ったが、私が文でも送らせる。」


「はは…。王様は相変わらず、優しいねぇ。分かったよ。」


少年は愉快に笑い。王の意見を素直に聞くと一歩下がった。


「さて、では話そうか…」


王の目が変わる。先ほどまでの空気が若干、重く。皆に緊張が走る。


「今日、集まって貰ったのは他でもない。また勇者諸君に力を借りたいのだ。」


ココにいる皆は既に勇者を引退し、それぞれの生活をしている。

集まって顔を見るのも久しぶりだった。そんな勇者等が集められたのだ。

その言葉に対しては皆が予想していた。知りたいのはその先だ。


「何、難しい話ではない。私も長く考えての答えでね。だが、私共の力では少々、

力不足だという結論に達した。」


この会話を焦らす癖は王の特徴とも言えるだろう。


「前置きはいい。早く言わんか。」


ココでは一番の最年長。大きな体に髭がもじゃもじゃの大男が話を急かす。


「そうだね。ごめん。単刀直入に言うよ。」


王の声は少し落ち、その姿は誰が見ても落ち込んでいた。

しかし、ソレも束の間。咳払いを一つ。王は毅然とした態度で

皆にこう告げた。


「魔族の殲滅に協力してくれないか?」


と。

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