魔王様と悪役令嬢 ― 我が領域に顕現せしは、永遠の美を与えるに足る美少女であった ―
【ご注意】
直接的な叙述はありませんが、生皮を剥いで剥製を作るという内容を含んでおります。
苦手な方は、ご注意下さい。
1.とある【悪役令嬢】の断罪
「リサーナ・アンガス・ド・シュトレイヤよ、お前が邪悪な【悪役令嬢】であることは明白である。従ってタラント王国からの強制追放刑に処す。具体的な手順としては――」
わたくしの名前は、リサーナ・アンガス・ド・シュトレイヤと申します。
少し前に16歳の誕生日を迎え、王家主宰の夜会にて華々しく社交界デビューを果たす予定でした。
わたくしは、タラント王国でも有数の門閥貴族であるシュトレイヤ侯爵家の三女として生まれました。
自分でいうのも何ですが、容姿端麗な金髪碧眼の美少女です。
おっぱいも大きく膨らみ、先日卒業しました王立貴顕学園では、周囲の羨望の眼差しを一身に受けておりました。
更に、タラント王国の第一王子にして王太子殿下でいらっしゃるハルトランス・モンターニュ・タラント様の許嫁でもあったのです。
わたくしは、夜会でハルトランス様からエスコートされ、有象無象の前で幸せな思い出を作る予定でした。
ところが、ハルトランス様の傍らには、泥棒猫が寄り添っていたのです。
わたくしの知らぬ間にハルトランス様を寝取ったと噂される、ソーニャ・マルガリーテ・ド・ツルテ男爵家令嬢でした。
ソーニャは銀髪と青目にスレンダー体形の、一見するとクールビューティーです。
しかしながら、貧乳娘であるソーニャの生まれは貧しい平民であり、長じて後に養女としてツルテ男爵家に迎えられたという、どこの馬の骨とも知れない卑しい娘でした。
なお、この知識は、乙女遊戯の登場人物設定ですので、この世界での真相は存じ上げません。
それでもソーニャは、女主人公としての気質を纏っているように見えました。
「リサーナよ、どの面を下げて夜会に来たのだ。俺の大切なソーニャに陰湿な危害を執拗に加えていたらしいな。しかもお前の正体が邪悪な【悪役令嬢】と知った時の衝撃は、言葉では言い表せん。俺はお前との婚約を解消し、法に則って断罪してやる。お前の顔などみたくない。衛兵! この女を摘まみ出せ!!」
こんな状況下でも、愛しいハルトランス様から【悪役令嬢】として断罪されたことは衝撃でした。
わたくしが、とある乙女遊戯の【悪役令嬢】であったという事実は、封印して秘匿していたというのに……。
しかも品行方正な良い娘を演じておりました。
その理由としては、この世界では【悪役令嬢】であると断じられることは、身の破滅を意味していたからです。
その甲斐あって女主人公役のソーニャは、王立貴顕学園では大人しく、その存在も忘れておりました。
わたくしとしたことが、油断があったようですわね。
「はっ、王太子殿下の御命令を遂行いたします」
そして、わたくしは衛兵たちに問答無用で連行され、王宮の地下に造られている牢獄に囚われたのでした。
その日の内に弾劾裁判が行われ、わたくしはタラント王国から強制追放刑に処されることになりました。
特に拷問されることはありませんでしたが、わたくしの弁明は悉く退けられました。
併せて、シュトレイヤ侯爵家からも離縁され、貴族籍も剥奪されたことを聞かされたので御座います。
わたくしに科される強制追放刑も、残酷な刑罰でした。
『昏睡魔法』により仮死状態にされたわたくしは、粗末な長櫃の中に詰め籠められた後、儀式魔法による『転移魔法』によって廃棄されるのだというのです。
しかも転移後座標を決めずに捨てられて仕舞うのです。
その上、長櫃の蓋には、『【悪役令嬢】在中。取り扱いに注意すべし!』なんて書いてあります。
こんな事をされては、誰も助けてくれるはずがありません。
更に、蓋を開けて下さる奇特な方がいらっしゃったとして、一日以内に目覚めの接吻で『昏睡魔法』を解呪して下さらないと、わたくしは冥界に旅立つことになると説明されました。
これは事実上の処刑ですわ。
確か隣国では、『悪役令嬢』であることが露見すれば、火刑や磔刑などで直ちに処刑されると聞いたことがあります。
彼らは多分、自身の身をわたくしの血で汚したくないだけなのでしょう。
「それでは、良い旅を!」
「た、助けてぇえぇぇ、い、いやぁあぁぁ……――」
そして、わたくしの意識は奈落の底へと墜ちて行きました。
2,果報は寝て待て、知らぬが仏
「な、何かが来る!」
我こと魔王たるサイラーグ・カイゼが張った強固な結界の内部に、何かが送り込まれた。
恐らく、儀式級の『転移魔法』によるものだろう。
我たちの住む世界には、我以外にも魔王や魔女王を僭称している輩がいる。
奴らの誰かが我が領土たる、神聖にして侵されざるべきカイゼリア魔王国にちょっかいを掛けてきたというのか。
そして、一体何を送り込んで来たというのだ?
我の予想では側近の高位魔族か強大な力を秘めた魔獣を送り込み、我が国を混乱の坩堝に陥れ、その隙を突いて侵攻してくるといったところか。
我も随分と舐められたものだ。
我は『転移魔法』により、件の闖入者が送り込まれたと思しき地点に移動した。
「な、何だ、これは!? 只の木製の箱ではないか……」
我の『結界魔法』を破って送り込まれたものは、木製の長櫃だった。
初めは警戒して少し離れた場所から観察したが、特に危険はなさそうだ。
それにしても、何者かが酔狂にも長櫃を『転移魔法』で送り込んできたというのか。
確かに魔王連中の中には、示威行為でこんな事をしそうな輩も存在する。
そして長櫃の中からは、微かに生命反応が認められた。
我は疑問に思いながら、慎重に距離を詰めていく。
すると、長櫃の蓋に何やら書き付けられていることが見て取れた。
「『【悪役令嬢】在中。取り扱いに注意すべし!』だと?」
人族の文字で書かれた書き付けの文面を読み下してみると、長櫃の中にいるのは【悪役令嬢】ということになる。
それにしても、【悪役令嬢】とは一体何者だったか?
暫し沈思黙考したところ、該当する知識を思い出した。
つまり【悪役令嬢】とは、この世界に異世界転生してきた者たちの一部に対して名付けられた呼称だったはずだ。
そして【悪役令嬢】とは、容姿は美しいものの、根性の捻くれ曲がった美少女のことだったような?
ということは……、長櫃中には人族の美少女が入っている可能性が高いということだ。
同時に我は、魔王城のエントランスホールに展示された剥製のことも思い出した。
歴代の魔王は、人族の国に侵攻した記念として、最も見目麗しい乙女を攫い、剥製にして永久保存していたのだ。
そして展示された剥製の乙女たちは、一糸纏わぬ全裸であった。
思い出すと、股間が熱くなるような素晴らしい美少女ばかりである。
そんな美少女の刻を止めて、展示してあるのだ。
我もいつの日にか人族の国に侵攻した暁には、美少女の剥製を作って後世に我の偉業を伝える心算であった。
つまり我の集めた知識よると【悪役令嬢】は性格がひん曲がっているものの、容姿端麗であると云われている。
ちょっと思考がループしてしまったようだ。
我は長櫃に囚われている【悪役令嬢】を、剥製作りの練習用に使うことを思い付いた。
再び『転移魔法』を使い、【悪役令嬢】が収容されている長櫃と共に魔王城の地下にある処置室に移動した。
この処置室で美少女の生皮を剥ぎ、剥いだ生皮を防腐液に浸して剥製作りを始めるのである。
勿論、最終の仕上げは魔族の職人に依頼するのだが、生皮を剥ぐところまでは我の仕事であった。
泣き叫ぶ美少女というものも、きっと興奮させてくれることだろう。
我は解剖台やら解剖器具やらの準備を調えると、長櫃の蓋をゆっくりと開けてゆく。
「おお! これは素晴らしい美少女だ!!」
長櫃の中には、年端も行かない美少女が寝かされていた。
煌めく金髪は波打っており、顔の造作も好みである。
しかもドレスの上からでも胸の膨らみが見て取れた。
何という、我好みの美少女なのだ。
きりりとした口許や、やや吊り上がった目許が気の強さを表しているようだ。
同時に件の美少女には、『昏睡魔法』が掛けられていることも看破していた。
この様子だと蓋を開けることにより、美少女はゆっくりと死に向かうことだろう。
我の見立てでは一日以内に目覚めの接吻を与えないと、彼女は生体活動を停止するのではないかと思う。
つまり目覚めの接吻をしなければ、何をしても目覚めないはずだ。
我は彼女を長櫃の中から掬い上げると、解剖台の上へと寝かしつけた。
それにしても、桜色をした肉感的な唇のなんと甘美なことか。
我は、この娘の生皮を剥いで剥製を作る心算なのだが、何やらもやもやする。
手始めとして着衣を脱がせて、全裸に剥く必要があるだろう。
ドレスに関しては、剥製に着せることもあるかも知れないので、丁寧に脱がせることとしよう。
人族の乙女の着るドレスや下着というものは、複雑怪奇な構造をしていた。
それでも何とか脱がせ終わり、全裸となった美少女が解剖台の上で寝ている。
袖机の上には、脱がせたドレスやら下着やらが乱雑に積み上がっていた。
それにしても、乙女の穿いていた純白のパンティーの生々しさといったら……。
思わず頭から被りたいという欲求に塗れたが、何とか堪えた。
手に取って ― くんか、くんか ― と匂いを嗅ぐ程度ならば許されるのか?
い、いかん、いかん。
変態魔王と呼ばれるところであった。
相変わらず唇からの誘惑が続くが、見事に膨れた双丘の造形美に加えて、乙女らしい清純な肉体の円やかさと、微かに匂う甘い体臭が我の理性を狂わせる。
我は、この娘から生皮を剥ぐ心算だったが、生きて我に話し掛けてくれるところを想像したら、堪らない気持ちとなる。
これが、心ときめくということなのか!?
一度は娘の胸の谷間に解剖刀の刃を置いたが、そのまま切り開くことはできなかった。
それでも僅かに刃先が皮膚を傷付けたらしく、小さな血の塊が生じたが、我は無意識の内に苦手な『治癒魔法』で癒していた。
ゆっくりとした呼吸により、上下に動く乳房をみていると心が安らぐ……。
結局、脱衣させるよりもたくさんの時間を費やして、再び娘の着衣を着せてあげた。
それから、今も昏々と眠る娘の柔らかな口唇へと俺の口唇を近付け、万感の想いを乗せて目覚めの接吻をした。
ちゅ♡
それは、とても優しい気持ちにさせる甘やかな経験だった。
同時に我の気持ちが昂って、多量の瘴気を与えたようだ。
「――……ぅ……うぅ……こ、ここは!? わ、わたくし、目覚めることが出来たというの!? うぅうぅ……うがぁあぁあぁぁぁ」
目覚めの接吻を与えて暫くすると、娘の瞳が開いた。
それは、とても奇麗な碧眼だった。
ところが急に苦しみだしたのだ。
どうやら我が間違って与えてしまった瘴気によって、身体が蝕まれているのか!?
それから娘は七転八倒の苦しみようで、解剖台の上でのたうち回っている。
しかし……、我に出来ることは何もない。
容態が落ち着くまで放置しておこう。
我は苦しむ美少女を残して執務室へと移動した。
結果的に死亡しても、剥製作りには大した影響はないだろう。
3.交合する剥製たちに溜飲を下げる
わたくしは魔王城のエントランスホールの片隅に展示されている、男女の剥製を見遣りました。
男の剥製は、嘗ての許嫁であったハルトランス・モンターニュ・タラントです。
一方、女の剥製は、わたくしを陥れたソーニャ・マルガリーテ・ド・ツルテですわね。
そして全裸の二人は、繋がった状態で展示されていますの。
つまりナニをしている最中というわけですわ。
確か前世の記憶でも男女が繋がった仏像があったように思いますが、まさにそんな感じに仕上がっております。
確か……、歓喜仏といったかしら?
それにしても、何と生々しくて浅ましい姿でしょうか……。
これは、わたくしが魔族の王妃として生きるに当たって、過去と決別するための記念碑です。
【悪役令嬢】として断罪され、見知らぬ土地に『転移魔法』で廃棄されたわたくしでしたが、意外と悪運が強かったようです。
目覚めた時、何やら硬い台の上に乗せられており、今度こそ死ぬのではないかという激痛が全身を苛みました。
結局、体力が尽きて気絶したのですが……。
次に目覚めた時、わたくしは豪奢な四柱寝台に寝かされておりました。
目覚めたわたくしは直ちに着衣の乱れを確認しましたが、異常がないことを確認した時には安堵の涙が零れました。
ところが、わたくしの頭部に違和感があったのです。
四柱寝台から起き上がったわたくしは、天蓋の薄衣を持ち上げると、寝室の中に置かれていた姿見で自身の容姿を確認しました。
「わ、わたくしの側頭部に角が生えている!?」
何と、わたくしの左右の側頭部に、一対の立派な角が生えていたので御座います。
わたくしは、知らぬ内に魔族に堕ちていたということのようです。
乙女遊戯には、【悪役令嬢】が魔族堕ちするなんてシナリオはなかったはずです。
「おお、目覚めたか! 気分はどうだね」
「あ、貴方様は!?」
「我はカイゼリア魔王国を統べる魔王のサイラーグ・カイゼだ。美しい貴女の名前を教えて欲しい」
「わたくしの名前は、リサーナ・アンガス・ド・シュトレイヤと申します。元々はタラント王国の侯爵家令嬢でしたが、【悪役令嬢】と断定されて追放されましたの。サイラーグ・カイゼ魔王陛下、どうぞお見知りおき下さいませ」
「うむ、我は其方を歓迎しよう」
「ありがとうございます。ところでわたくしが魔族化した原因をご存知でしょうか?」
「カイゼリア魔王国では、瘴気の濃度が人族の住む場所よりも濃いのだ。恐らく、瘴気に中てられて魔族化したのではないかと思うよ」
「そうなの……ですね…………」
これが、わたくしの旦那様となったサイラーグ様との出逢いでした。
そして、わたくしたちは恋に落ちて、結ばれました。
更にサイラーグ様は、わたくしのことを正妃として遇して下さいましたの。
「のお、リサーナよ。我はお前の欲するものを与えてやろうぞ」
「ならば、わたくしを貶めた者どもの首を所望しますわ」
「承知したリサーナ。愛しているよ」
サイラーグ様は、魔族の軍勢と先行する魔物の群れを調えたのです。
カイゼリア魔王国とタラント王国は、大洋を隔てた別の大陸に存在していました。
それでもサイラーグ様は、電光石火の早業でタラント王国に魔族の精鋭部隊を突撃させて、呆気なく彼の国は降伏したのでした。
大々的に魔族が侵攻を開始すると、託宣の勇者が立つのが常でした。
兵站が伸びていることを認識していらしたサイラーグ様は、タラント王国との和平協定を結ぶや否や、鮮やかに兵を引いたのです。
わたくしが、その見事な手腕に二度惚れしたことは、言うまでもないことでしょう。
この和平交渉の締結に当たり、魔王軍から出された条件が、件の二人の身柄をもらい受けることだったのです。
勿論、タラント王国側には、国威発揚のための生贄に使うことは説明しておりました。
それでも保身のためか、荒縄で縛められた二人が直ぐに送り届けられたのです。
「お願いだ! 命を助けてくれたら何でもする。この女もくれてやろう!!」
「お願いで御座います。か弱いわたしを生贄にするのはお止め下さい。わたしを抱いても良いから助けてぇえぇぇぇ」
わたくしとサイラーグ様が叡覧する前で、二人を剥製にするための準備が始まりました。
自殺防止のために取り付けていた猿轡を外すと、口々に相手を罵りつつ命乞いを始める始末です。
「それでは解体を始めさせて頂きます。ところで今回の解体では『背開き』にしましょうか。それとも『腹開き』で進めますか」
解体処置は、サイラーグ様の側近魔族のバラドが担当してくれました。
それにしても『背開き』とか『腹開き』とか、解体方法にも作法があることには驚きますわね。
結局、わたくしの要望により『背開き』で進めることになりました。
何でも『腹開き』は自刃に通じるので不吉である、との説明があったからでした。
そんなど修羅場の中、わたくしは密かに『鰻のかば焼き』を思い出しておりました。
そして、泣き叫ぶ二人は鮮やかな手つきで生皮が剥がされ、残った肉塊は魔獣の餌となりました。
それにしても、わたくしのことが追放したリサーナ・アンガス・ド・シュトレイヤであったことに最後まで気付きませんでしたわね。
結局二人は、理不尽に生皮を剥がれる運命を呪って処置されていきました。
「これでリサーナの希望は叶えたからな」
「サイラーグ様、とても嬉しいですわ」
「今宵も夜伽が楽しみだな」
「はい、わたくしも貴方様の御子を孕みとう御座います」
「うむ、期待しておるぞ!」
わたくしたちは、幸せの絶頂ですわね。
お読み下さり、ありがとうございます。
以下、後日譚(?)と設定資料です。
「バラドよ、順調か?」
「はい、魔王様、順調で御座います」
魔王城の地下にある一室で、我は側近のバラドと培養槽を前にして進捗状況を確認していた。
培養槽の中には、疑似羊水が満たされ、金髪の幼女が揺蕩っていた。
この幼女は、リサーナの血液と錬金術によって創ったホムンクルスである。
そして、我がリサーナと出逢った頃まで体が成長すれば、処置をして剥製にする予定であった。
やはり、魔王城のエントランスホールに飾るに足る素材は、リサーナしか居なかったからだ。
尤も、魔族化して王妃となったリサーナのことも愛している。
これは、後世の魔王どもに我の偉業を見せ付けるために必要なものであった。
因みに、剥製担当の魔族職人に確認したところ、歴代の魔王の大半も我と同じように愛した乙女は魔族化させて正妃に据えていたのだった。
出来上がったリサーナの剥製は、彼女の没後に展示する手筈となっている。
これで、我の偉業も後世に伝えることができるだろう。
銘板には『【悪役令嬢】リサーナ・アンガス・ド・シュトレイヤ』と刻む予定だ。
我がカイゼリア魔王国で、【悪役令嬢】の人気が沸騰することだろう。
そして、こんな美少女を捕らえて剥製にした我の名声も上がるというものだ。
設定資料
リサーナ・アンガス・ド・シュトレイヤ 16歳 わたくしは……ですわ
金髪碧眼に巨乳の、一見すると気の強そうな美少女。
侯爵家令嬢として何不自由なく育った。
しかしながら異世界転生者にして『悪役令嬢』だったことが露見したことから、貴族籍を剥奪された後、『昏睡魔法』で眠らされたうえに、長櫃の中に詰め籠められて、出現座標未設定の『転移魔法』により廃棄された。
その後、魔族化して魔王サイラーグ・カイゼの正妃となる。
タラント王国
リサーナの生国。
ハルトランス・モンターニュ・タラント 18歳 俺は……だ
タラント王国の第一王子にして世継ぎの王太子。
リサーナの許嫁であったが、リサーナを【悪役令嬢】として告発し、婚約解消した。
最終的に剥製にされた。
ソーニャ・マルガリーテ・ド・ツルテ 15歳 わたし……です
銀髪青目のスレンダーな貧乳美少女。
ツルテ男爵家の養女にて、リサーナを【悪役令嬢】として陥れた。
乙女遊戯の女主人公
最終的に剥製にされた。
サイラーグ・カイゼ 218歳 我は……だ
黒髪黒目の、一見すると二枚目の優男。
その正体は、膨大な魔力を持つ魔王の一人。
ただし、領土の保全に忙しく、人族の領域に侵攻する気はない。
婚活しているが、現在は独り身である。
趣味は美少女の剥製作りと称しているが、実行したことはなかった。
カイゼリア魔王国
魔王サイラーグ・カイゼの統治する魔族の国
バラド 年齢不詳 わたし……で御座います
魔王の側仕えの男。
正体は、魔王の魔力によって生かされているゾンビ化した古参魔族。