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第二話 こうなった原因

 そうだ! そうだった!


 日付は気を失ってたので分からないが、多分今日か昨日ぐらいに俺は東魔王ダンジョンにクラスの皆と行った。

 そんで隣が崖になってる道を進んでる時いきなり前からかなりでかい火球が何発も飛んできて、皆自分だけでも助かろうと一斉に逃げ出し、逃げようとする奴とまだ状況が分からなくて止まってる奴でが押し競饅頭をしだした。

 そして現場が滅茶苦茶になっている最中俺はエドに状態異常魔法をかけられ、崖へ突き落とされたんだ。エドは最後小さな声で「貴方の存在は邪魔なんです。」と呟いていたが、あの混乱なので周りは聞こえてないだろうしエドが押したとこも見てないだろう。


 俺は何処かでエドは危ないと気付いてた筈なのに、正義の心が邪魔して自分に「エドはそんな事する奴じゃない」と言い聞かせていたのだ。そしたら案の定俺を殺しにきたよ。

 やっぱり正義みたいな性格は嫌だ。日本での性格に戻った俺はしっかりエドを恨んでいるが、正義みたいな性格のままだとエドは操られていたから悪くないとか考えていたんだろうな…。


 そういえば此処は何処なんだという問題がまだ解決してない。

 低くはないが洞窟の天井が見えている為、あの崖の下じゃないだろう。そうなれば誰かが意図的に運んだことになる。

 今思うとあの火球は人間が撃ったように見える。あれだけ火球を撃つとなるとかなり人数を集めなければならない。となるとやはり相当な権力がある国王か?エドが勇者になる為には俺を殺す必要があるし、手伝ってくれとでも頼んだか?次の国王はエドだから、勇者の力を持つ国王とかなるとメリットが多いだろうしな。

 だが生きてるってことは俺は助けられたことになる。流石に運が良かったってのは無いだろう。まあ、崖から落ちた俺を助けれる人なんてのもいないだろうが今はその可能性が一番高い。

 帝国には助けるメリットが無いので、帝国の作戦を知ってて俺の存在が必要と感じてた奴がいたのだろうか。いや、帝国を敵に回してまで助けるメリットなんてそもそも有るのか?


 ますます分からなくなってきた。

 とりあえず激痛がきてから力が出しにくい感じがするのでステータスでも確認しておこう。




 アントガー・ウォルコット  男  15歳


 特殊スキル  【スキル奪取】


 スキル    【魔力操作lv10】【ステータスオープン】【身体強化lv10】【見切り】【魔力感知lv10】


 所持技術   【剣術・極】【回避術・極】【近接格闘術・極】


 称号     勇者の素質持ち・剣術を極めし者・回避術を極めし者



 各スキルの効果~

【スキル奪取】

 魔物が持つスキルを奪取し自分の物にする。奪取するには一定時間待たなければならない。人間や死んだ魔物からのスキル奪取は出来ない。

【魔力操作】

 魔力の扱いが上手くなる。

【ステータスオープン】

 自分のステータスを見る事が可能になる。

【身体強化】

 身体能力が一時的に上がる。

【見切り】

 相手の攻撃の軌道が読みやすくなる。

【魔力感知】

 魔力の流れを感じ取る事が出来る。




 こんなものか。スキルが消えているとかは無いな。


 特殊スキルとは産まれた時からあるスキルのことで、種類は多いが皆持ってるものだ。

 普通のスキルはコツを掴んで練習すると獲得したりするが、特殊スキルは習得できない。

 ちなみに俺が持って産まれたこの【スキル奪取】は皆の思っているようなチートスキルではないよ? 昔はスキルを持った魔物が多くいたみたいなのでチートスキルだったが、今はスキルを持った魔物なんて一匹もいない。なので【スキル奪取】は使えないスキル、いわゆるハズレスキルなのだ。でも俺には勇者の素質が有ったこともあり、みるみるうちに剣術が上達して強くなれた。これが戦闘に役立つ特殊スキルを持って産まれたらどんなに良かったことか…。


 所持技術には剣術等、その人が扱える術が載ってある。

 そして俺の所持技術で【剣術・極】とあるが、この【極】のとこは他に【並】、【上】、【達人】とあり、下から【並】【上】【達人】【極】の順に強くなっていく。所持技術の種類には剣術や魔法術とよく見かける術から、加工術など戦闘では使わない術も沢山ある。


 称号は特に意味はないが、見てると優越感に浸れる。剣術を極めし者が付いたときは思わずニヤニヤしてしまった。


 …にしても称号の欄に何か違和感を感じる。称号の数が少なくなってる気が―


 !?  勇者の加護が無い!

 そうかエドの奴、教会に俺が死んだとか言いやがったな。

 勇者の加護は勇者の素質が有る者にしか付与ができないので、勇者が死んでも解除はしない。

 だが今年は俺が死んでもまだ二人いる。

 そりゃあ教会も解除してさっさと次の奴に加護を与えますわ。まんまとやられたな。


 ともかくこれで激痛の原因が分かった。勇者の加護は解除されると、勇者に激痛を与える作用があると聞いている。俺も解除されたのだろう。力が出しづらいのも聖剣から力を感じないのもそのせいだったのだ。今頃二人の内、どちらかが加護を受けてんだろうな。3年前はエドの方がリア(レオノーラ・リアナの愛称)より強かったのでエドが勇者になってんのか?

 …なんかムカつくな…。


 ん?そういえば俺を助けた奴は、俺に加護が無くなってもよかったのだろうか。きっと加護を持ってたから帝国を敵に回すまでして助けたんだと思うが。それとも加護を持っているかは関係無く、俺が目的だったのか?俺を助けたのが、帝国がすでに敵になっている魔王とかだとしっくりくるが…。分からんな。



 ふぅ… さて、もうこれ以上考えても意味なさげだし、元の生活へ戻る為に行動に移すとしますか。

次回は魔物と戦います。

魔物とは、空気中に漂う魔力エネルギーによって構成される、人間にとって害となる生物のことです。

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