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天声 -君を想うー  作者: 零
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市井

 それからしばらくの間、市街の賑わいに任せて、黒風はしばし与四郎に戻り、技芸に励んだ。やはり、一人でやるよりも、複数人でやった方が、大掛かりな技も、連携の美しさも映える。その効果で実入りも良かった。あやねも、早手も、何か言ってくるわけでもなく、責めもしなかった。与四郎も、努めて目の前の芸をこなすことに専念した。

 件の関東管領就任式は、多少の揉め事を孕みつつ、終了したことが聞こえて来た。長尾景虎は、関東管領上杉憲政から家督を譲られ、その一字を継いで上杉政虎と改名したという。その話題を耳が捉える、ということは、興味がなくなったわけでは無い。任務の件は置いておくとして、単純に会ってみたいという気持ちはあった。一目なりと、という思いは、確かにあったのだ。

 だが、こうして政虎を見る事無く終わるというのも、また、縁がなかったという事だろうとも思えた。それこそが、任務にこだわる必要は無いのだから、縁がないのならそれはそれとして、また他所で戦に加わればいいという導きではないのだろうか。

 そう思うこと自体が、既に逃げの姿勢で在るのかもしれないとも思うが、それがそもそも自分の生き方だ。誰にも縛られず、どこにも属さず。

(そうだ。どのみちこのままここには居られない)

 与四郎は、刃に断って、少しばかりその場を抜けた。


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