1/56
雨
ベースは九州さが大衆文学賞に応募して選外だったものですが、大幅に加筆、修正しています。書きたいように書いてみたいと思いますので、よろしくお付き合いくださいませ。一応、合戦シーンが入るため、残酷な描写ありにチェック入れていますが、必要ないかもしれません(;^_^A
雨が、降っていた。
「雨、なんて、可愛いものじゃあ、ないなぁ」
その、可愛げのない雨の中を歩きながら、黒風はそう呟いた。実際、雨は肌に当たれば痛いほどの勢いで降っている。豪雨と言っていい。視界もほぼ、利かない。そんな中で動くのは、自殺行為と言えるかもしれない。普通に考えれば誰もが何かを諦める。それほどの雨だ。
だが、これは好機だ。
黒風の中で誰かがそう囁く。理論的に何かを展開したわけでは無い。直感的に思ったのだ。そして、そう思ったのは黒風だけではない。今、黒風が雨に抗い、風に立ち向かい、歩を進めているのが、その、何よりの証拠だった。




