5.再び、家
「ぷりん、おいしかったです」
「よかったね」
「それにしても、えがおってつかれますね」
「え?疲れる?」
「はい。えがお はりつけるのってたいへんなんですよ」
「…ん?」
「ひょうじょうきんがいたいです」
「…もしかして、さっきはしゃいでたのは演技?」
「あたりまえじゃないですか。わたしがそんなことに ろうりょくをつかうとでも?」
「… 。さすがというか、なんというか」
「もっとほめていいんですよ?ほめられると、はながたかくなるらしいので」
「それはちょっと意味が違うよ。【鼻が高い】っていうのは、実際に鼻が高くなるんじゃなくて、誇らしい気持ちを指していうんだよ。でもすごいね、こんな難しい言葉を知ってるなんて。ほんとに3歳なの?」
「…いままででいちばん じょうぜつでしたね」
「すごーい。饒舌って言葉も知ってるんだね」
「そのいいかた、ばかにしてるようにきこえるのですが」
「ちなみに饒舌っていうのは、やたらとしゃべる人ってことだよ。」
「むししないでください。うんちくやろうのぶんざいで」
「さっきの仕返し❤」
「おとこのひとがごびに はーとつけるのって、きもちわるいですね。ほら、みてください。とりはだ がたってます。というか、きゃらほうかいしてますよ。みなさんがどんびきしてます」
「・・・」
「どうしたんですか」
「・・・みなさんって?ここには僕と君の二人しかいないけど」
「どくしゃのかたがたですよ。そんなのもわからないんですか?さっしてください」
「こら、現実を持ち込まない。…もう夜も遅いし寝ようか」
「そうですね。じゃあ、わたしはそこの しきぶとんでねますね」
「はいはい。じゃあ僕は床ですか。電気消すね」
「おやすみなさい」
「うん。おやすみ」
「・・・」
「・・・」
「さっきのは、ほんとうにきもちわるかったです」
「うん、僕もそう思う。」
2人はやがて、安らかな眠りにつきました。