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予期せぬトラブル
三本目の映画を見終わったとき、アリエスが言った。
「まだ着かないのかしら?」
アリエスは窓の外を眺め、時計と見比べる。
「そうだな、そろそろだと思うんだが。少しコックピットを見てくるよ。」
ジムはクッキーを一枚つまみ、大きなソファーから腰を上げ、伸びをしながらコックピットへ向かった。
ダイニングに差し掛かった所で、コックピット前扉の赤いランプの点滅に気付いた。
なんだか胸騒ぎがした。
恐る恐る扉を開く。
ジムが目にした物、それは、あの清潔感とは程遠い、赤い光に包まれたコックピットだった。
「・・・なんだ!?」
思わず大声を出してしまった。
「ジム~?どうかしたの~?」
アリエスの言葉はジムの頭に入るはずもない。
返事も忘れ、ただ漠然とした表情でコックピットを見つめていた。
アリエスはメインディスプレイの表記を凝視し、眉をひそめた。
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