No.1801.第一幕『手紙』
この物語の結末は誰にも予測する事は出来ません
ヒロインである彼女の行動次第かもしれませんね
幕はあがりまして賽は投げられました
はじまりはあの広場二人はそこで出逢ったのです
それから幾日も共に過ごしまして惹かれていったんでしょう
彼はあの砂浜で想いの丈を吐き出しました
そして彼女はその気持ちを受け入れてくれた誰もが感じたでしょう
決して逢える時間は多くありませんでしたが
二人はほぼ毎日愛を育んでいきました
少なくとも彼はそう思っていたでしょう
この物語の結末は誰にも予測する事は出来ません
ヒーローとしての彼の決断次第かもしれませんね
投げられた賽は転がり続けまして
出目がいくつになるのかまだわからないでしょう
しかしある日の事彼女と連絡が突然取れなくなったのです
そして彼女の事を余りに知らない事に気付いてしまいました
数少ない情報をもとにして探し続けますが見つかる事はないまま
それから一ヶ月以上の時が経過しておりました
彼は酒と煙草に溺れても眠れない
そんな日々を悶々と過ごしておりました
しかしどんな女性にせまられようとも抱く事はありません
理性かプライドかそれとも彼女を信じる心があるのか
彼自身わかりませんがそれでも拒み続けました
そんなある日彼女からの手紙が届いたのです
余りにも短すぎるその内容は無事でいる事に安堵しましたが
さらに奥深く彼の心を掻き乱す事になってしまいました