どうなってんの??
団地を視界に入れた僕は走った。
ちなみに僕は身長165cm、体重95kgのいわゆるデブという体型だ。
でもその時だけは不安から開放されたくて必死に走った。だから気がつかなかったのだろう・・・団地の敷地内に見覚えの無い建物がたっていたことに・・・
「はぁはぁはぁ・・・」
酸素をとりあえず肺に取り込みたかった。でも家に着くほうが優先な気がしてならない。
今が何時なのかもわからない。でもそんなこと関係なかった。
家の前にまでつくとドン、ドンと扉を叩いた。
「かぁさ~ん開けて~」
なんの返事も返ってこない。家の中から足音も聞こえない。
「とぉさ~んいないの~」
なにも聞こえない・・・寝てるのかと思い外から窓を見てみようと思い階段を降りた。
「え??」
外から見た窓には明かりどころかカーテンがなかった。
それどころか何十世帯が住んでいる団地の棟だ、夜中だろうが十件ぐらいは明かりがついているのが普通だったのに明かりが灯っているのが5階の1件。カーテンがあるのが3、4件・・・とてつもない不安に襲われた・・・
ふと後ろを見ると見覚えの無い建物があった。
「え??」
見たことのない、真新しい団地の建物が僕の目の前にあった。
(なにがなんなのかわからない・・・)
ここは自分の知らないところ・・・そんな風に思いながら呆然と立ち尽くしていた。
どれくらい時間がたったんだろうか・・・気がついたら最初にいた堤防に僕は引き返していたんだ。