少女にとっての始まり
柊 月夜は高校3年生 将来の夢は未定
ーだってそのほうが楽しいじゃないー
誰にでも優しく分け隔てなく接する女の子
実際、一緒に帰っていた少年ージグリッド・ユアンは、大和人の父とスミノフ人の母のハーフで、周囲の人からあまりよく思われていないが、月夜だけは友達として仲良くしている。
そんな少女の始まってしまった日
それが今日10/23
「たっだいまー」
「おかえり 月ちゃん」
「今日は私のご飯当番だよね」
「月ちゃんの方が美味しいものね」
「へへ おまかせあれ」
早速、制服の上にエプロンを着て台所に立ち、トトトトンと気持ちよくジャガイモを切ってゆく。カレーを作らせたら三ツ星を自負している。
テレビの前でべたーっと垂れているのは専業主婦 柊月読 元DNパイロット 家事全般苦手
娘のたてる音を愛してまったりするこの時間が大好きだ!ほんとに!
だから臨時ニュースの警報音に対してテレビをぶん殴った!全力で!
音をたてなくなったテレビに満足していると携帯電話が鳴り響いたのでこっちも殴ろうと思った!着信音が夫だったので我慢した!全力で!
「月読!月夜はいるか!」
「今一緒ですよ」
「それじゃ約束のところに避難しなさい」
「!」
理由は聞かない。夫が言うのだからそういう時なのだ。
月ちゃんにガスの元栓から示させて、かねてから用意していた避難バックを背負い言った
「月ちゃん 愛してる」
いつだって全力だから後悔はしたくない
守る覚悟を決めてマンションの扉を蹴破った
全力で!