第三世代 エス
タレス基地
軍事企業フィフスアークの所持するドライブナイツ試験用基地である。
見慣れないDNがいるのはいつものことだった。
しかし、今回の機体は存在感が違う。
全身白はカラーリングが終わっていないからだろうか。
高さは23メートル、DNの平均は25メートル。多少小柄に見える程度だ。
シルエットも対して目立った特徴はない。
しいていうなら、アンテナやカメラが最新型で多めに取り付けられているように見える。
武装も今ひとつパッとしない。
ビームのアサルトライフル。量産型DN「N07J型」の標準装備と同じものだ。
ビームソードも同様に流用のもので、特徴といえるものはビームダガーくらいと言える。
電源を搭載しているため、投擲武器として使用できる。
そんな平凡にしか見えない新型DN「エス・ケラーテ」は、初の第三世代と呼ばれるDNとして開発された。
その特徴はソフトウェアにあった。
パイロット支援のアニマルAI「エス」の搭載である。
エスは猫型AIであり、学習能力があった。
これを成功させ、第三世代として普及、支援AIの独占による市場の制圧がフィフスアークの目的である。
「試作一号機の試験をはじめます。スパルナ大尉カタパルト1から発進を」
「了解 ケラーテで出すぞ」
第三世代が白い閃光となって宇宙へ飛び立つ
「スパルナ大尉 聞こえるか」
「また秘密の話ですか 中将」
「・・・相手は傭兵だ。殺してかまわん。第三世代の実力をだしきれ。コンペで勝たせるためにな」
「了解。武装はたいしたことないが機動性能は良い。コクピットに一発ずつ叩き込んでやるよ」
試験区域には既にN07F型が5機待ち構えていた。
「リーダー機から全機。これより試作一号機との戦闘にはいる。大事なテスト機だ。大破させるな」
「たまたまリーダー機の奴が命令してんじゃねぇよ」
「・・・」
リーダー機の傭兵パーシバル・クロイツェルは深いため息をついた
「負けるためのテストだから仕方ないか」