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向日葵。  作者:
1/1

1 出会い

俺は元々身体が弱くて、よく入院してた。

でも退院するのも早かった。

小学生くらいからだろうか?入院する回数が増えたのは。

大体は風邪を拗らせたりして入院だった。

高校生にもなった今、前よりは身体が強くなったと思う。

だから、今回も早く退院できるとおもっていた。


だけど違った。

俺の肺にガンが見つかった。

前に言ったように、普通の人に比べると俺は身体が弱い。

だから俺は手術もできないのだ。

薬を使うと言う手段もあった。

しかし、副作用がひどいらしい。

俺の身体は薬さえも受け付けなかった


手術もできない。

薬も使えない。

俺は死を待つことしかできないらしい。

これからを考えると苦痛でしょうがなかった。

もう、未来に希望を持つのをやめよう。

心からそう思ってしまった。


そんな中、ある日主治医にとうとう告げられてしまった。

余命3ヶ月。

もう未来に希望など持っていないはずなのに、それを聞いて絶望を感じた。

もうそんなに死が迫っていたのか。神様は生きる時間に余裕をくれないのか。

俺はこの日から、1日を無駄に過ごすようになった。

特に何をするわけでもない。

楽しいこともない。悲しいことも、嬉しいことも…つらいことも。

何一つ感じない生活をしていた。

ベットに寝そべり、だされたご飯を食べるだけの生活。

俺の顔に表情がなくなっていくのが、鏡を見なくてもわかった。

俺の顔をまさに無表情と言うんだな。

知る意味もないが。


医者に余命3ヶ月と言われ…2ヶ月が経った。

残り1ヶ月。

前のように何をするわけでもない。

ただ1日を無駄に過ごす生活。

このときになると…もう死に対する恐怖などなかった。

天国はどうなんだろう?とか考えるのが普通だろうが、そんなことも考えない。

ボーと過ごしていた。

そして 、今日も変わらず過ぎていくだろうと思っていた。

何もなく…。



ガラララッ

突然病室のドアの開く音がした。

どうせ主治医だろうと思い、首だけ動かしてドアの方をみると…見たことのない奴がいた。

「今日から、隣の病室になる日向葵や!よろしゅうな♪」

笑顔で握手を求めてきた。俺と同級生くらいだろうか?

久しぶりに、興味をもった。

「…露木利亜。よろしく」

自然と俺も挨拶をしていた。

何故かはわからない。…きっと挨拶はしようと俺の心と手が勝手に動いただけだな。

隣がこんなに明るい奴なのか。

うるさくないといいけど。



葵に会って、俺の生活は変わることを…この頃の俺はまだ知らない。





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