第5話 【溶け合う力】
全身が、体の奥から焼けるように熱い。
これが勇者の魔力なのか。
熱くて、頭がおかしくなりそうだ。
「れ、ん。れん、れん……!」
「伊織……」
このままじゃ何も手に付かない。
早くこの熱をどうにかしてほしい。
俺は上に覆い被さる蓮の首に腕を絡め、自分から唇を重ねる。
「何だろう、常に伊織と繋がってるような感じがして俺もドキドキしてきた」
「俺なんて、ドキドキしすぎて死にそうだ……」
「死なれたら困るよ」
蓮の手が俺の服を脱がす。
くそ。服を脱ぐ時間すら惜しい。
この熱を。この火照りを早くどうにかしてくれ。一分一秒も無駄にしたくない。
早く。早く。
「れん、はやく……」
「煽らないでよ」
俺たちは夢中で体を重ねた。
俺と蓮の魔力が同調していく。
荒療治だけど、この方法で魔力制御が可能になったってことか。これでもう蓮の魔力で感情が乱されることはないと思う。
「伊織、大丈夫?」
「ん……平気」
「今日はもう休んで、明日から本格的に動こうか」
「ああ」
蓮に頭を撫でられ、俺はそのまま睡魔に身を委ねた。
勇者の魔力に満たされてる魔王。
なんて言うか、言葉にすると変だな。
でも、これほど力強いものはない。負ける気がしない。
俺に自信をくれるのは、いつだって勇者なんだ。




