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【BL】勇者推しの俺が何故か敵対する魔王に転生してました。【全年齢版】  作者: のがみさんちのはろさん
一章

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第27話 「勇者の仲間を増やそう作戦」



 今日は予定通り、敵情視察に行こう。

 俺はいつものように気配を消して、下界に降りた。確か、教えてくれた国は東って言ってたか。じゃあ、こっちかな。ゲームみたいに画面の隅にマップが表記されていれば分かりやすいんだけどな。


 この前は噂話を聞きに行っただけだったけど、今回は真面目に人間達の様子を確認しに行く。うん、ちゃんと仕事してるっぽい。

 リドの話だと、少し遠い場所にある国らしい。だからエルと鉢合わせになることもないから安心できるな。

 そういえば、あの国に勇者の仲間になるキャラがいたはず。大柄の戦士なんだけど、どうにか仲間になるように誘導できないかな。変身すればバレないと思うし。

 ただ俺はコミュ障だ。成り行きでエルとは話をする仲になったけど、基本的に人見知りだし。

 勇者の仲間になるように誘導するって言ってもどうやればいいんだ。仲間キャラにどう言っても肝心の勇者が仲間拒否してるし。

 別人に変身して、エルに仲間を作るように説得するしかないかな。でもアイツが他人の言葉を聞くとは思えない。これは難しいミッションだな。

 俺が仲間になるキャラに変身してエルを説得して、その仲間キャラにはエルに変身して、みたいなことすればいけるか。

 いや、俺には無理だ。そんな難しいことしてもボロが出る。

 てゆうかそのキャラの名前何だったっけ。俺の好きなタイプじゃなかったからパーティーにもあまり入れなかったんだよな。


 どうにか、アイツに仲間作らせる方法はないかな。

 まだあの街を拠点にしてるならまだ間に合うかな。さっさとヒロインキャラに会わせて一緒に旅をするように仕組みたいんだけど。

 催眠とかでいけるかな。勇者であるエルにはこの手の魔法は使えない。だからヒロインキャラである魔法使いの女の子、マリアに勇者の仲間になるように暗示をかけて無理やりにでもパーティーに入れなきゃ。

 よし。あとで行ってみるか。今はこの世界で起きてる戦争を見に来たんだから。


 目的の場所に到着。確かに中央にある王都に比べたら小さめの国だ。ゲームでも来たことない場所だから名前も知らない。

 国と国の間に、ゲームとかでよく見る防壁みたいなのが作られてる。こういうのどう言ったらいいんだろう。戦争系のゲームとかやったことないから全然専門用語が出てこないけど。不謹慎な言い方しちゃうけど、要は敵将とか討ち取る系かな。

 ヤバいな。こういう時、学がないことがバレてしまう。

 今は動きがないみたいだな。お互いの陣地を軽く見ても、戦況は五分五分って感じかな。負傷者が多い。どっちの国でもみんな傷だらけだ。見える場所にいないだけで、死者も少なくないんだろうな。

 そうまでして、戦うのはなんでだ。俺みたいな一般高校生からしたら戦争なんて起こす理由なんて理解できない。日本に生まれたからそう思うのかな。


「……うーん。来るタイミング悪かったな」


 また日を改めてくるか。

 それより、他にやることも出来たしな。

 マリアがいるのは、確かワンナの村だったはず。あそこの小さな教会の修道女をやっている。

 最初は普通の子だったんだけど、街に行く途中で魔物に襲われそうになったところを勇者が駆けつける。そして初期ステータスでまだ弱かった勇者がピンチになったところでマリアが魔法の力に目覚めて、二人で戦って魔物を退けるってイベントがあった後に仲間になるんだけど。

 今の勇者はもうそのイベントで苦戦なんかしないだろうな。幻の水晶を使って最強防具をもう手に入れただろうし。

 そうなるとマリアの潜在能力を催眠で引き出すしかないな。それから勇者パーティーに入れさせる。

 問題はどうやって誘導するか。マリアに仲間にしてとエルに頼み込むようにするしかないかな。アイツが折れるまで懇願するようにするしかない。さすがの勇者もそこまで言われたら仲間にせざるを得ないだろう。

 今は普通の女の子として暮らしてるマリアには悪いけど、サポート役は必要だ。マリアの魔法は主に回復呪文。一緒にいればもうアイツがボロボロになることもない。

 それに、可愛くて良い子が一緒なら旅をしていくうちに彼女を意識していくだろ。そすうれば、俺への気持ちも薄れていくはず。


「そしたら……俺も安心して魔王城で勇者を待っていられる……」


 俺は複雑な気持ちを抱えたまま、ワンナの村へと飛んでいった。

 そういえば俺、女の子に自分から話しかけたことないや。大丈夫かな。





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