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指定難病38

作者: 神崎玄

持病のお話です。

スティーヴンス・ジョンソン症候群という難病がある。

私はその罹患者だ。

難病といっても日常生活にはほぼ支障はない。

特定の薬物に触れた時だけ症状が出て、皮膚に醜い滲出性紅斑(要するに水疱)ができる。

ひどい時には、眼が赤くなって目やにが出るのだ。


実は、子供の頃からこの症状はあった。

しかし、原因不明のまま時間がたつと治っていた。

病名がわかったのはつい数年前、トンズランス菌の事件があってからだ。


当時、コロナ禍の走りでよく風邪症状が出た。

そこで、漢方薬系のとある風邪薬を服用していた。

飲んでいるとじきに風邪症状はなくなる。

まさかそれと手のひらの水疱に関係があるとは思ってもいなかった。


あまりにしつこく水疱ができるので、皮膚科の医者に行った。

トンズランス菌が復活したのかと思ったのだ。

しかし、顕微鏡検査の結果、白癬菌はみつからなかった。

嘘だ、と思った。

ここまでひどい水虫症状が出るのだ。何かいないはずはないのである。

ステロイド剤も、ほとんど効かない。抗菌薬でも治らない。

医者は大きな病院を紹介してくれたが、そこでも原因はわからなかった。


ある時、ふと思いついて風邪薬の注意書きを全部読んでみた。

すると、「スティーヴンス・ジョンソン症候群」という、何やら怪しげな病名が目についた。

そこには、水疱が出来るといった症状が書かれていた。

そこで風邪薬を西洋薬に変えてみると症状がおさまった。

薬が原因だったのだ!

よく効くからと買い込んでいた漢方系の風邪薬は、全て人にあげた。


今回、手の指の間に水疱が出来たので水虫薬を買って塗った。

すると、ゆっくりと水疱が広がっていった。

全身倦怠感に目ヤニといった症状も合っている。

やはりスティーブン・ジョーンズ症候群のようだ。


ちなみに、尻の穴の周囲に激しい痒みが出たりもしている。

掻いてしまうので地味につらい。


副腎皮質ホルモンの投与と血漿交換療法 、などという治療法もあるようですが、面倒くさいので受ける気はありません。


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