第5話 魔法の力
私達がパトカーの追跡から逃れようと逃走するが、パトカーは次第に数を増やし、追跡の手を増していった。
「リィナこのままじゃ捕まる。これが以上は無理なのか?」
「これ以上はバイクの耐久が持たないよ」
「仕方ないリィナ運転代わって?」
「え?私」
困惑するリィナを全席に持っていき、私はジャケットの裏に忍ばせたホルスターから金色に輝くリボルバーを手に取る。
「奴らのタイヤをパンクさせる」
シートの後ろから狙いを定め銃弾を次々と撃っていくが標的が動いてるため中々命中せず弾はボディーに当たり弾かれていく。
「くそ全然当たらない」
私が不満を漏らすとリィナが私に言った。
「クレア私に任せて」
するとまた不思議な光が私の周りを包み込み、その光は無数の粒子のようで蛍の光のようで美しかった。
「リィナ一体何がどうなってるの?」
「とにかく撃ってみて」
「分かった」
リィナに言われるまま引き金を引くと特に狙い定めた訳じゃないのに銃弾は嘘みたいにタイヤに当たった。
「スゲーよリィナ、まるで魔法みたいだ」
私はテンションが上がり次々と発泡していき、パトカーを次々と蹴散らしていった。
そして最後の1台になり、私が撃とうとしたが弾が切れてしまった。すかさずシリンダーに銃弾をつめようしたがあることを思いついてリィナに言った。
「よしリィナ、リロードまかせたよ」
そういうと私は6発連結したカートリッジを宙に投げ入れ、空中でシリンダーにそのまま押し当てた。
無論カートリッジとシリンダーの角度はずれており、このままでは勿論入らない。しかしリィナがカートリッジの角度を操作することで銃弾は綺麗にリボルバーに装填された。
「これでラスト」
弾丸4発撃ち込み最後の1台もコントロールを失って停車した。
「よしこれで邪魔者は片付いた後はゴールを目指すのみだ。リィナ運転代わるよ」
私がリィナを持ち上げシートの位置を交換させた。
リィナは追手をまけたことに安心したのか、魔法のような力を緩めると途端にバイクが不調をきたしたように変な音を立てた。
「なんだ、バイクが変だぞ」
そして次の瞬間バイクの前輪が外れ、バイクは転倒して私達は宙に投げ出されてしまった。
私はリィナを守るために咄嗟に彼女を両腕で包み込んだ。そして地面叩きつけられる瞬間、リィナが魔法の力を使い衝撃を緩和させるクッションを発生させたため、命だけはなんとか助かった。
それでも衝撃はつよく腕の骨が折れたのか腕に激痛が走る。
「クレア大丈夫?」
私に駆けつけ心配するリィナだったが、私は声を出すのも精一杯だった。
すぐにサイレンの音が聞こえてきてパトカーがこちらに向かってきてるようだった。
「駄目だ動けない、リィナお前だけでも逃げるんだ」
「でも……」
「私なら大丈夫、だから早く」
「分かった」
リィナはそういい小走りにその場を立ち去った。
前作小説、アサの旅完結してますのでこちらも是非お願いします。
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小説投稿日は月火休みで、水〜金18時40分投稿。土日13時より投稿します。