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第3話〜勇者になるには捻くれている

異世界転生、転位もの、きましたわー!


なんて、子供じゃないんだから。


異世界?転生?転位?


そんな面倒なことなんでやらなあかんのよ。


異世界なんて何があるかも分からない世界にいって、何が楽しいんだか。


転生って、今の地球での生活の基盤や積み重ねてきたもの全てをまた一からやり直せって?


異世界転生ものの小説や漫画は読んだことはあるし、剣と魔法、モンスターのいる世界での冒険は確かに面白そうだ。


で?


それを実際にやる側としてはどうよ?


創作の物語の中で主人公は特別な力や発想、仲間の力で危機を乗り越えたり、世界を救ったりしてるわけだが。


それはあくまで作り物、フィクションでの話でしかない。


ご都合主義の展開?


選ばれし勇者?


特別な能力や才能?


そんなものほいほい与えられて思い通りに掌の上で踊らされるなんて、家畜と何が違うの?って感じだ。


そういう系統の物語が好きな悪友がよくそういった話題を送ってくるが、俺は物語としてしか楽しんではいない。


俺はどこか現実的というか、さめているのだ。


だから異世界転生ものの主人公になれるとしても断固としてお断りするね。


やり直したい願望なんてのは今のところないし。


『………いや、そんな捲し立てるように淡々と言われてもだね。確かにそちらの世界の創作にこの状況と酷似した内容のものが多いのは知っていたが』


で、結局転生させて何をさせたいの?


てか俺って死んだ状態なのか?


生き返ることってできない?


『あー、確かに最初はあちらの世界の女神が、勇者召喚したいから適当に適性のある者を選んできてくれ、と言っていたので電車事故で死んだ者から見繕うつもりだった』


まじかYO!


やっぱ俺死んでたか。


そりゃ電車事故だしなぁ。


ちなみに生き返ることは?


『できない。そこまで世界に干渉する権限を私は持っていないのでね。単純に魂を肉体に戻そうにも、体の方が少々バラバラ………もとい前衛芸術のようになってしまっていてはね』


うえ、グロテスクなやつ想像しちゃったんだけど………。


まじか、そこまでアレなのか。


じゃあ転生して勇者するしかないのか?


『いや、適性があるのは確かなようだが。実際に魂に触れてみて分かったのだが、勇者として転生するには少々、いやかなり曲がっているというか、ひねくれているというかだね………』


性格歪んでて勇者には向いてないって?


大きなお世話だわ!


そりゃ大概の人間は王道の勇者像からはかけ離れてるだろうよ。


無償で民草を助けるとか無理だわ。


俺ならきちんと報酬もらうね。


『ふむ』


あれ、自称神様が考え込んでる雰囲気が伝わってくるな。


もしかして勇者は他に探すから俺はポイされちゃうとか?


どっちにしろ死んでるってことは生まれ変わるにしろ、一からやり直しか。


『このままポイして改めて勇者を探してもいいんだが、それだと勿体ないな。なのでこの際君も転生してみないかね?もちろん勇者になる必要はない。自由に生きてみるといい』


はい?


いきなりどうしたのよ。


自由に生きていいとかずいぶん気前いいな。


『私は君のことを気に入ったのだよ。神であることを知りながら不遜な態度を貫き、あまつさえ批判までしてくるとは。一人や二人、私の権限があれば転生させることくらい造作もない。異世界で好きに生きるといい』


ま、じ、で?


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