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第13話〜自由とはなんだ?

異世界に転生してから半年経った。


といっても変わったことはそれほどない。


毎日毎日変わらず勉強、勉強、勉強だ。


正直飽きてきた。


座学で学ぶことなんかもうほとんどない。


ていうか始めからボア以上の知識が俺にはあったわけだし?


異世界特有の事柄も前世で悪友に散々吹き込まれた内容とほぼ同じだったわけだし?


この体になって記憶力が格段によくなったおかげで、もうこの国の歴史や地理もほとんど記憶しちゃったし?


テーブルマナーとか一般常識もあらかじめあったアルの記憶に加えて、この半年でマスターしちゃったし?


剣術は目をつぶって気を抜いててもロバートをあしらえちゃうくらいはあるし?


シュリアの使える魔法とか理論もファンタジーな時点で悪友からレクチャー済みなわけよ。


無詠唱とか、イメージ力による強化とか、元素を理解することで新たな魔法を創造するとかの定番は最初の二ヶ月で拾得済みだし。


まぁさすがに。


今まで魔法なんてもの作り物フィクションの中にしかない、ってことになってる世界から来たわけだから。


多少は魔力の扱いって奴には苦労したさ。


もっともアルの記憶のお陰で魔力を自覚するだの操作するだのといった1番めんどくさそうなところはクリアしてたからな。


後は大容量の魔力を制御さえできるようになれば問題なかったね。


例えるなら自転車には乗るまでが難しいけど、一度乗れるようになれば後は何度も乗るだけで勝手に上達するのと同じだな。


むしろ魔力は潤沢にあったから好きなだけ練習できたし、ゆっくり少しずつ進むより勢いつけてスピードがある方が楽なわけで?


ほら、初めて車を運転した時と同じだ。


おっかなびっくりゆっくりやるからダメなんだよ。


思い切ってやって、それを続けてみれば感覚を掴むのなんて簡単簡単。




てかいくら使っても魔力が無くならないんだけど、総量はどれくらいなんだろうね?


一応屋敷からは距離を取って、人目につかなそうなところで無駄に魔力を垂れ流しにしてみても尽きる気配が一切ないわ。


なんかもう冒険に出る前からゲームクリアしちゃってる状態だね。


チートでMP無限状態で魔法使い放題みたいな。


遠距離からバンバン強力な魔法撃てるし、手加減した魔法でも簡単にクレーターが出来るし。


オリジナル能力とかいらなかったな。


貴族でも中堅で堅実な領地経営してる父上様のおかげで金の心配もいらない。


勉強尽くの毎日を除けば全部満たされちゃってるわ。


………あれ?


自由ってなんだ?


なんか俺、ある意味行き詰まってないか?


あー、悪友と馬鹿をやりたい。

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