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強気なピクセル

作者: 猫柳美鳥

 何がって訳じゃないけど、立ち上がれなくなった時は、カーペットの上に座る。体が固いのに、なぜか足の裏と裏をくっつけることは出来る。から、押し当てて、なまっちろいそこを、パンの色みたいだ、なんて思って見てる。

 携帯電話が震える。知らない番号。日本、って表示。振動。出られるわけない。何もしたくない。

 青春みたいなの、多い。みんな頑張っててキラキラしてて、応援したくなる。けど正直、顔いいじゃん可愛いじゃん。背景が、リアルに似てるほどにつらい。褪せてる今が。

 白い足の一部。赤くなって、皮が破れてる。怪我ってほどじゃないけど。私はこれで、何を得たいんだろう? 盛る題材もなしに、何を魅せようとしているのだろう?

 とりあえず、あれやらなきゃ。二時の音楽が鳴ったら。夜はバイトあるから、昼に出来ることはやっておかなきゃ。その前にお皿洗わなきゃ。

 毎日がそんな感じで、これからは色々待ってるらしい。頭抱えちゃいそうになるし、逃避したくもなる。

 長いなあ。けど時間ないなあ。動きたくない。でもでも。

 存在してない大好きな人の誕生日。沢山の人が祝ってた。もう、生きてるんだよね、心の中で。信じられるんだ、彼の言葉は。

 思い返す。見ててよって、その言葉。頑張るね、私もそう思えるから立ち上がる。やるか!

 壁に貼られた、あなたの横顔。意思の強い眼差し、それが絵だとしても。あなたがいるから、どこかで踊っているから、私も生きていけるの。

 腕まくりして、伸びをする。付けっぱなしのテレビも消した。


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