戦闘関連
戦闘：
基本的には剣や槍、斧などの近接兵器と、弓、弩などの射撃兵器で戦闘を行う。銃器は魔導具以外、存在しない。
魔導器による身体能力向上を行うことにより、超人的な攻撃力を持つことが可能であり、それに見合った武器を所持している場合がある。具体的には重さ二十ｋｇを超える剣や二百ｋｇを超える張力の長弓などがある。また、防具もそれに見合って頑丈なものもあり、総重量百ｋｇを遥かに超えるフルプレートアーマーを装着し、軽戦士並の動きを見せるなど、地球の常識とはかけ離れた戦闘が行われる。
但し、これらの超人的な戦士は極一握りしかおらず、大半は一般的な体力の人間が兵士となる。
魔導器を用いた身体能力向上：
魔導器を用いた身体能力向上は以下の計算式で向上率を表すことができる。
向上率＝潜在能力×魔導器効率÷１００
具体例：潜在能力５００、魔導器効率１０％の戦士の身体能力向上率は、
向上率＝５００×０．１÷１００＝０．５＝５０％となる。つまり、身体能力の１．５倍の力を発揮することができる。
普人族の潜在能力は０～５００であり、魔導器効率が１００％となれば身体能力の五倍の力を出せることになる。
仮に潜在能力５０００で効率１００％である場合、理論上は５０倍の力を発揮できるが、元の身体の限界が人間の場合１０倍程度であるため、その限界以上に力を出すことはできない。もちろん、余った分は魔導や外的強化に使うことができる。
身体能力向上は、「筋力」、「身体強度」、「制御能力」、「反射神経」の四つの内的強化と、「外的強化」に分けることができる。
内的強化は四つの項目を均等に上げないと身体に負担が掛かるか、事故を起こすことにある。具体的には筋力のみ向上させても身体強度が伴わなければ骨や関節がもたず、制御能力が伴わなければ振り回されることになる。反射神経が伴わなければ、移動速度についていけない。四つの内的強化のうち最低の値が身体強化の限界値となる。
外的強化は皮膜状に防御膜を張るイメージであるが、全身を均等に覆うタイプと部分的に防御するタイプに分けられる。部分防御は盾に使用するだけでなく、武器に使用することで攻撃力を上げることも可能である。
戦闘技術
この世界には技術をレベルで表記するシステムはない。
戦闘技術は魔導器による身体強化と合わせて習得する方が効率的であり、様々な流派が存在する。
武術の流派は東方系と西方系の二つの流派があり、その二つの流派から武器や戦い方に応じて派生した流派が存在する。
東方系の特徴は、魔導器による身体能力の向上と技術としての武術の融合であり、独特の呼吸法と型を組み合わせている。
西方系の特徴は、戦闘技術として各武器の取扱いや戦闘方法の習得を主とし、魔導器による身体能力向上は個人の才能に依っている。
両者を比較した場合、東方系は個人としての技能向上、西方系は集団戦を念頭に置いた技能向上を目指している点で異なっている。
東方系、西方系と呼んでいるが、地域的な偏りは少なく、軍の訓練には西方系、武人としての修行として東方系を学ぶことが多く、一騎当千の騎士や戦士は東方系を学んでいることが多い。
東方系武術：
東方系武術の歴史は古く、東の島オストインゼルのガオナァハイム山脈が発祥の地と言われている。当初は剣と槍に特化していたが、斧や槌だけでなく、弓や投擲など飛び道具、無手といわれる格闘術も加わり、多くの流派が存在している。
特に剣では四元流と呼ばれる流派が最強といわれ、多くの武人を輩出している。
他にも槍の神狼流、弓の鳳天流などが有名。
四元流では、初伝、中伝、奥伝、皆伝、極伝という階位があり、初伝で型の習得、中伝で身体強化（練気法）の習得、奥伝で外的強化（硬衣法）の習得となり、皆伝ですべての技を習得したと認められる。
西方系武術（兵術）：
西方系武術は比較的歴史は浅く、ゾルダート帝国の前身ゾルダート傭兵団が創設したといわれている。各武器にあった理論的な体捌きを修得することで、兵士の技能の底上げを行うものであり、武術というより兵術と呼ばれることが多い。長剣、両手剣、細剣、長槍、短槍、両手斧、片手斧、両手棍、片手棍、斧槍、長弓、短弓、弩、投擲、格闘術など武器ごとに流派があるが、一つの武器に特化している点が特徴である。また、軍事理論を学ぶ流派もあり、将帥や参謀の教育の一翼も担っている。
総合的なゾルダート流兵術は各国の軍隊でも採用されている。
武器：
剣や槍、弓や弩など中世レベルの武器が主。銃器は存在せず、基本的には魔導を利用して炎や雷を出すような武器も存在しない。但し、魔導師の塔は遠距離攻撃が可能な魔導具を保有している。
冶金技術は小人族により中世レベルより高く、鍛造の武器も多くある。また、金属も高品質の鋼だけでなく、魔銀や金剛鋼、光輝鋼なども存在するため、身体能力向上や武術により強大な戦闘力を持つことができる。
