狩人
狩人組合:
エンデラント大陸には魔素溜と呼ばれる魔素が断続的に噴出し滞留する場所が存在する。この場所は魔象界から魔素が無秩序に流入し、その魔素が魔獣になる。また、具現界の生物も変質するため、ここに入り込んだ獣は魔獣となり、人は魔人となる。魔獣や魔人は具現界を憎み、世界を破壊しようと暴走する。この魔獣たちを処理する組織が狩人組合である。
狩人組合は商人ギルドや国家からの資金援助を受け、魔獣討伐に報奨金を出している。報奨金は魔石の大きさによって決めている。
魔窟はエンデラント大陸に数箇所存在し、その一つがグランツフート共和国のフォルタージュンゲル密林である。フォルタージュンゲルの西にある首都ゲヴァルトに狩人組合の本部がある。フォルタージュンゲルの東にはイェーガーたちの町エッケヴァルトがあり、千人以上のイェーガーがいる。
魔獣はイェーガーたちの他に各国の軍隊や森を管理する森人族、草原や山を管理する獣人族も狩っているが、森人たちは魔素溜が暴走しないように管理するだけで積極的に魔獣を狩ることはなく、軍は予算の関係から魔獣の暴走(アンシュトルム:スタンピード)が発生しない限りは積極的に関与しない。
狩人の階級:
狩人には階級がある。ランクは組合員証(ツンフトマルケン:通称フントマルケン=ドッグタグ)の材質によって表わされる。上から魔銀、白、金、銀、銅、鉄、木。木は仮登録用であり、通常は鉄級からスタートする。
鉄級から金級までは以下の一定金額の報奨金を得ると、ランクアップする。
鉄級→銅級:五万ZM=五百万円
銅級→銀級:三十万ZM
銀級→金級:百万ZM
鉄:銅:銀:金の比率は、25:50:24:1未満。金級は小さな支部では見られず、大きな支部でも数名程度しかいないというほど貴重な存在。
白金級、魔銀級は名誉ランクであり、組合への貢献度や国家からの要請等により昇級する。魔銀級は現在不在。白金級は一ヶ国に数名程度。
ちなみに組合員証は唯の金属プレートであり、報奨金の額などの情報は組合が保管する実績記録帳に手書きで記入されていく。支部を移る場合は記録帳を自ら次の支部に持参する必要がある。
各級の能力は、
金級以上:300
銀級:100~300
銅級:50~100
鉄級:0~50
となる。但し、これはあくまで目安であり能力が低くとも報奨金の額が規定値以上に達すれば昇級する。
本部と支部:
狩人は各支部に属しているイメージ。
このため、個人的な理由で支部を移る場合の手続きは面倒であり、上記の実績記録帳のデータの移し替えが必要となる。この事務手続きに五千ZM=約五十万円が必要となるため、銅級以下は滅多に移動は行わない。
また、移動した後は各支部間の情報の確認作業を行うため、四半期の間は暫定的な扱いとなり、ランクアップ要件を満たしてもランクアップできない。但し、魔窟周辺の支部は人材の流動性を求めており、一ヶ月程度の暫定期間で済む場合が多い。
本部では情報の管理などは行わず、各支部からの上納金を各国に配分するなどの政策を担当している。
狩人組合加入の恩恵等:
狩人組合に入ることにより、以下のメリットが生じる。
恩恵:
・魔石を適正価格で引き取ってくれる。(商人に売却すると買い叩かれる)
・人頭税以外の税金(所得税など)が掛からない。
・支部に一定期間在籍することで低利の融資などを受けることができる。
・銀級以上は一流として尊敬の対象となる。
その他デメリット等:
・準兵士扱いであり、緊急招集の対象となる。
・年間に一定以上の報奨金を受けないと降格や除名になる可能性がある。
(昇格に必要な金額の一割以下の場合、降格の可能性あり)
・不正行為が発覚した場合は除名されるだけでなく、国家から処罰される可能性がある。
(スパイ容疑や脱税行為とみなされる可能性があるため)
クラン:
狩人は数名から百名程度のチーム、クランを作って魔窟に挑む。特にフォルタージュンゲルは巨大な森であり、二十名程度のクランが一般的。しかし、法整備がなされていないため、新人は搾取されることが多く、同郷などの知り合いを頼ってクランに入るか、新人同士でクランを作ることが多い。
狩人組合はクランに対して無関心であり、報酬の支払いは基本的には個人相手というスタンス。